介護職は、長く続けている人がいる一方で、短期間で「自分には合わないかもしれない」と感じる人も少なくありません。
特に未経験から介護職を始めようとしている人や、今の職場で疲れを感じている人は、「介護職を続けられる人にはどんな特徴があるのか」「自分も続けられるのか」と不安になることがあると思います。
介護職を続けられる人は、特別に体力がある人や、いつも前向きな人だけではありません。むしろ、長く働いている人ほど、無理をしすぎない考え方や、自分を守る働き方を身につけていることが多いです。
この記事では、介護職を続けられる人の特徴や、長く働く人に共通する考え方、無理なく続けるための職場選びや働き方について解説します。
この記事でわかること
・介護職を続けられる人に共通する特徴
・長く働く人が大切にしている考え方
・介護職で疲れやすい人がつまずきやすいポイント
・無理をしすぎずに働くための工夫
・続けやすい職場と続けにくい職場の違い
・辞めるか続けるか迷ったときの判断基準
介護職を続けられる人は「強い人」だけではない
我慢強い人だけが続く仕事ではない
介護職を長く続けている人を見ると、「きっとメンタルが強い人なんだ」「体力がある人じゃないと無理なんだ」と感じるかもしれません。
たしかに、介護職には体力を使う場面もあります。排泄介助、入浴介助、移乗介助、夜勤、記録、利用者さんや家族への対応など、楽な仕事とは言い切れません。
しかし、介護職を続けられる人は、ただ我慢が得意な人ではありません。無理なことを一人で抱え込まず、周囲に確認しながら働ける人のほうが、結果的に長く続きやすいです。
逆に、責任感が強すぎて何でも一人で抱え込んでしまう人は、最初は頑張れても、疲れがたまりやすくなります。
介護職では、利用者さんの安全や尊厳を守るためにも、自己判断だけで動かないことが大切です。わからないことを聞く、危ないと思ったら相談する、無理な介助は一人で行わない。こうした姿勢は、未経験者だけでなく経験者にも必要です。
大切な考え方
介護職を続けられる人は、何でも我慢できる人ではありません。
自分だけで抱え込まず、確認しながら働ける人です。
完璧を目指しすぎない人は続きやすい
介護職では、毎日予定通りに進むとは限りません。
利用者さんの体調が変わることもあります。急なナースコールが入ることもあります。入浴介助や食事介助に時間がかかる日もあります。記録や申し送りが思うように進まず、焦る場面もあるでしょう。
そのため、最初から完璧にこなそうとすると、心が疲れやすくなります。
介護職を続けられる人は、手を抜いているわけではありません。ただ、完璧ではなく「安全に、丁寧に、確認しながら進めること」を大切にしています。
未経験のうちは、覚えることが多くて当然です。身体介護、利用者さんの名前、ケアの手順、記録の書き方、物品の場所、職員ごとの動き方など、すぐに全部できる人のほうが少ないです。
大切なのは、失敗しないことよりも、同じミスを防ぐために確認することです。
人に頼ることを悪いことだと思わない
介護職はチームで行う仕事です。
一人で利用者さん全員を見るわけではありません。介護士、看護師、ケアマネジャー、リハビリ職、管理者、相談員など、職場によって関わる人はさまざまです。
長く働ける人は、人に頼ることを悪いことだと思いすぎません。
もちろん、何でも丸投げするという意味ではありません。自分で考えることは大切です。ただし、利用者さんの体調変化、転倒リスク、食事量の低下、認知症による行動の変化などは、自己判断だけで対応すると危険な場合があります。
たとえば、次のような場面では早めの確認が必要です。
・いつもより元気がない
・食事や水分が取れていない
・立ち上がりが不安定になっている
・排泄状況が普段と違う
・皮膚に赤みや傷がある
・薬や医療的な内容に関わる不安がある
医療的な判断が必要な場合は、必ず看護師や上司に確認しましょう。
介護職を続けるうえで大切なのは、全部を一人で背負うことではありません。チームの中で自分の役割を果たすことです。
長く働く人に共通する考え方
「向いているか」より「続け方」を考えている
介護職に興味がある人の中には、「自分は介護職に向いているのか」と悩む人が多いです。
もちろん、向き不向きはあります。人と関わるのが極端に苦痛な人や、身体介護に強い抵抗がある人にとっては、負担が大きい仕事かもしれません。
ただ、介護職を長く続けている人が、最初から全員「自分は向いている」と確信していたわけではありません。
実際には、働きながら少しずつ慣れていった人も多いです。
介護職を続けられる人は、向き不向きを一度で決めつけるのではなく、自分に合う働き方や職場を探す視点を持っています。
たとえば、同じ介護職でも、施設によって仕事内容は変わります。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護などでは、身体介護の量、夜勤の有無、利用者さんとの関わり方、職員体制が違います。
「介護職が合わない」と感じていても、実は今の職場のやり方や人員体制が合っていないだけの場合もあります。
感情を引きずりすぎない工夫をしている
介護職では、感情が動く場面が多くあります。
利用者さんから感謝されて嬉しい日もあれば、強い言葉を受けて落ち込む日もあります。認知症の症状によって、同じことを何度も伝える必要がある場合もあります。自分なりに丁寧に対応しても、うまく伝わらないこともあります。
長く働く人は、感情がないわけではありません。
むしろ、利用者さんのことを大切に思っているからこそ、悩んだり落ち込んだりすることもあります。ただ、すべてを自分の責任として抱え込みすぎないようにしています。
たとえば、次のように考えることがあります。
| 起きたこと | 引きずりすぎないための考え方 |
|---|---|
| 利用者さんに強く言われた | 病気や不安、混乱が背景にある場合もある |
| 介助がうまくできなかった | 次に安全に行うため、手順を確認する |
| 先輩に注意された | 人格否定ではなく、業務改善の内容かを分けて考える |
| 業務が時間内に終わらなかった | 自分の能力だけでなく、人員や業務量も確認する |
| 失敗して落ち込んだ | 隠さず報告し、再発防止を考える |
もちろん、暴言やハラスメントを我慢し続ける必要はありません。指導の範囲を超えた言い方が続く場合は、上司や相談窓口に相談することも必要です。
気持ちを守るポイント
介護職では、落ち込まないことよりも、落ち込んだ後に一人で抱え込まないことが大切です。
感情と事実を分けて考えると、少し冷静に振り返りやすくなります。
小さなやりがいを見つけられる
介護職のやりがいというと、「人の役に立てる」「ありがとうと言われる」といった言葉がよく使われます。
ただ、現場で働いていると、毎日きれいな場面ばかりではありません。忙しい日もありますし、感謝されるより先に業務に追われる日もあります。
それでも介護職を続けられる人は、大きな感動だけを求めているわけではありません。
小さな変化や小さな達成を見つけるのが上手です。
たとえば、
・昨日より利用者さんの表情が明るかった
・食事を少し多く食べてくれた
・不安そうだった利用者さんが安心してくれた
・移乗介助の手順が前より安定した
・記録を書くのが少し早くなった
・先輩に確認する回数が減った
こうした小さな積み重ねが、続ける力になることがあります。
介護職は、劇的な成果が毎日見える仕事ではありません。しかし、利用者さんの日常を支える仕事です。その日常の中に意味を見つけられる人は、長く働きやすい傾向があります。
介護職を続けるうえで疲れやすいポイント
体力よりも「疲れのたまり方」に注意する
介護職は体力が必要な仕事です。
特に、入浴介助、移乗介助、排泄介助、体位交換、長時間の立ち仕事などは、身体への負担があります。未経験の人は、最初のうちは筋肉痛や疲労感を感じることもあるでしょう。
ただし、介護職でつらくなりやすいのは、単純な体力不足だけではありません。
疲れが抜けないまま働き続けたり、無理な介助方法を続けたり、休憩が取りにくい職場で働いたりすると、心身の負担が大きくなります。
長く働くためには、正しい介助技術を覚えることが大切です。腰に負担をかけない移乗方法、福祉用具の使い方、二人介助が必要な場面の判断などは、自己流で進めないほうが安全です。
注意
「頑張れば一人でできる」と思って無理な介助を続けると、腰痛やケガにつながることがあります。
不安がある介助は、上司や先輩に確認し、必要に応じて二人介助や福祉用具の使用を相談しましょう。
人間関係のストレスが続くとつらくなりやすい
介護職を辞めたい理由として、人間関係を挙げる人は少なくありません。
介護現場はチームで動くため、職員同士の連携がとても大切です。申し送り、記録、声かけ、急な対応、役割分担など、毎日のように職員同士のやり取りがあります。
そのため、質問しにくい雰囲気や、強い口調の指導が多い職場では、未経験者は特に疲れやすくなります。
介護職を続けられる人は、人間関係でまったく悩まない人ではありません。むしろ、苦手な人がいても、必要な確認はする、距離を取りすぎず近づきすぎない、相談できる人を一人でも見つけるなど、現実的な距離感を作っています。
ただし、次のような状態が続く場合は注意が必要です。
・質問すると毎回強く責められる
・ミスを報告しにくい雰囲気がある
・新人に十分な説明がない
・特定の職員だけに負担が偏っている
・陰口や無視が日常的にある
・利用者さんへの対応にも雑さが出ている
こうした職場では、自分の努力だけで改善するのが難しい場合もあります。
夜勤やシフトが合わないと生活が崩れやすい
介護職には、夜勤がある職場も多いです。
夜勤が合う人もいれば、生活リズムが崩れやすい人もいます。夜勤手当があるため収入面ではメリットがありますが、睡眠の質や体調に影響することもあります。
特に未経験者の場合、入職してすぐに夜勤へ入る職場よりも、日勤帯で業務を覚えてから夜勤に入れる職場のほうが安心しやすいです。
夜勤では、日中より職員数が少なくなることが多く、急変時や転倒リスクへの対応も必要になります。もちろん、職場によっては夜勤同行やマニュアルが整っている場合もあります。
応募前や面接時には、夜勤について確認しておくことが大切です。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 夜勤開始時期 | 入職後すぐか、日勤に慣れてからか |
| 夜勤同行 | 何回くらい同行があるか |
| 夜勤人数 | 一人夜勤か複数名体制か |
| 休憩・仮眠 | 実際に取れる体制か |
| 急変時対応 | 看護師や管理者への連絡体制があるか |
| 夜勤回数 | 月に何回程度あるか |
夜勤が不安な人は、最初から無理に夜勤ありの正社員を選ばなくてもよい場合があります。デイサービスや日勤中心の施設、パート勤務などから始める選択肢もあります。
続けられる人が身につけている無理しない働き方
「できません」ではなく「確認させてください」と言える
介護職では、わからないことをそのままにしないことが大切です。
未経験のうちは、何度も質問することに気を使うかもしれません。「こんなことを聞いたら迷惑かな」「前にも聞いたから怒られるかな」と感じる人もいるでしょう。
しかし、介護の仕事では、曖昧なまま進めるほうが危険です。
たとえば、移乗介助の方法、食事形態、服薬に関わること、排泄状況、皮膚トラブル、転倒リスクなどは、自己判断で対応しないほうがよい場面があります。
続けられる人は、わからないことを隠すのではなく、確認する習慣を持っています。
使いやすい言い方としては、次のようなものがあります。
・「この利用者さんの移乗方法を確認してもいいですか?」
・「前回と様子が違うので、念のため見てもらえますか?」
・「記録にはどこまで書けばよいですか?」
・「一人で介助してよいか不安なので、最初だけ一緒にお願いします」
・「この対応で合っているか確認させてください」
「できません」と言うだけではなく、安全に行うために確認したいという伝え方をすると、前向きな相談として受け止められやすくなります。
仕事と自分の責任範囲を分けて考える
介護職は、人の生活に深く関わる仕事です。
そのため、利用者さんの不安や家族の要望、職場の忙しさをすべて自分の責任のように感じてしまう人もいます。
責任感は大切です。しかし、責任を背負いすぎると長く続けることが難しくなります。
介護職を続けられる人は、自分ができることと、自分だけでは解決できないことを分けて考えます。
| 状況 | 自分ができること | 一人で抱えないこと |
|---|---|---|
| 利用者さんが不穏 | 声かけ、環境調整、記録 | 医療的判断や対応方針の決定 |
| 業務が終わらない | 優先順位の確認、報告 | 人員不足を一人で埋めること |
| 家族から要望がある | 内容を聞いて共有する | 施設方針を一人で決めること |
| 介助に不安がある | 手順確認、同行依頼 | 危険な介助を無理に行うこと |
| 職場の雰囲気が悪い | 相談、記録、距離感の調整 | 全員の関係改善を背負うこと |
介護職は、チームで利用者さんを支える仕事です。自分の役割を果たすことは大切ですが、すべてを一人で解決する必要はありません。
休むことを仕事の一部として考える
介護職を長く続けるには、休む力も必要です。
「人手不足だから休みにくい」「自分が休むと迷惑がかかる」と感じる人もいるかもしれません。たしかに介護現場では、急な欠勤が出ると周囲に負担がかかることがあります。
しかし、無理を続けて体調を崩してしまうと、結果的に長く働くことが難しくなります。
介護職は、体調が悪いまま無理をすると、利用者さんの安全にも影響する可能性があります。集中力が落ちたり、移乗介助で力が入らなかったり、判断が遅れたりすることもあります。
休むことは、甘えとは限りません。安全に働き続けるための自己管理でもあります。
無理しないためのセルフチェック
□ 休みの日も仕事のことばかり考えている
□ 出勤前に強い不安や吐き気がある
□ 睡眠不足が続いている
□ 小さなミスが増えている
□ 利用者さんへの声かけに余裕がなくなっている
□ 相談できる人が職場にいない
□ 「辞めたい」と毎日考えている
当てはまる項目が多い場合は、早めに上司や信頼できる人に相談しましょう。職場内で改善できない場合は、働き方や職場を見直すことも選択肢です。
介護職を続けやすい職場には共通点がある
教育体制がある職場は未経験者も続きやすい
介護職を続けられるかどうかは、本人の性格だけで決まるものではありません。
特に未経験者にとっては、最初の職場の教育体制がとても重要です。
未経験歓迎と書かれていても、実際にどのような研修があるのか、誰が教えてくれるのか、どのくらい同行期間があるのかは職場によって違います。
続けやすい職場では、最初から難しい業務を一人で任せるのではなく、段階的に覚えられるようにしています。
たとえば、
・最初は見守りや環境整備から始める
・利用者さんの名前や特徴を覚える時間がある
・先輩職員の介助を見学できる
・排泄介助や入浴介助は同行しながら覚える
・記録の書き方を具体的に教えてもらえる
・夜勤開始前に日勤業務を十分経験できる
このような職場であれば、未経験者でも不安を減らしながら成長しやすくなります。
応募前に確認したいこと
「未経験の場合、最初はどの業務から始めますか?」
「独り立ちまでに同行期間はありますか?」
「夜勤に入る場合、開始時期と同行回数はどのくらいですか?」
「質問や振り返りの時間はありますか?」
面接で確認することは失礼ではありません。むしろ、自分が長く働けるかを判断するために大切です。
人員体制と業務量に無理がありすぎない
介護職がつらくなる原因の一つに、人員不足があります。
どれだけ介護の仕事が好きでも、常に人が足りず、休憩も取れず、残業が続く状態では疲弊しやすくなります。
もちろん、介護現場では忙しい日もあります。急な欠勤や利用者さんの体調変化で、予定通りに進まないこともあります。
ただし、それが毎日のように続いている場合は、個人の努力だけでは限界があります。
職場見学や面接では、次のような点を見ておくとよいでしょう。
| 見るポイント | 確認したい内容 |
|---|---|
| 職員の表情 | 極端に疲れていないか、挨拶があるか |
| フロアの雰囲気 | 利用者さんへの声かけが雑になっていないか |
| 業務の流れ | 職員が常に走り回っていないか |
| 休憩 | 休憩が実際に取れているか |
| 残業 | 記録や申し送りで毎日残業が発生していないか |
| 新人対応 | 新人を放置せず教える雰囲気があるか |
短時間の見学だけですべてはわかりませんが、職員同士の声かけや利用者さんへの接し方には、職場の雰囲気が出やすいです。
相談しやすい職場は心が折れにくい
介護職を続けるうえで、相談しやすさはとても重要です。
未経験者はもちろん、経験者でも判断に迷う場面はあります。利用者さんの体調変化、転倒リスク、食事介助、認知症の対応、家族対応など、迷ったときに確認できる環境があるかどうかで安心感は大きく変わります。
相談しやすい職場では、ミスを責めるだけで終わらせません。なぜ起きたのか、次にどう防ぐのかを一緒に考えます。
反対に、相談しにくい職場では、問題が隠れやすくなります。新人が不安を言えず、わからないまま介助をしてしまうこともあります。これは本人だけでなく、利用者さんにとってもよくありません。
介護職を続けやすい職場には、次のような特徴があります。
続けやすい職場のチェックリスト
□ 新人に対して声をかける職員がいる
□ 質問しても理由を含めて教えてくれる
□ ミスやヒヤリハットを共有しやすい
□ 看護師や上司に相談しやすい
□ 利用者さんへの接し方が丁寧
□ 休憩や残業について説明がある
□ 夜勤や身体介護を急に任せすぎない
□ 職場見学を受け入れている
介護職を長く続けたいなら、給与や勤務時間だけでなく、相談できる環境があるかも確認しましょう。
介護職を続けられる人の特徴を自分に当てはめて考える
優しさだけでなく切り替える力も大切
介護職には優しさが必要です。
利用者さんの気持ちを考えること、尊厳を守ること、安心できる声かけをすることは、介護の基本です。
ただし、優しすぎる人ほど疲れやすい面もあります。
利用者さんの不安をすべて受け止めようとしたり、家族の要望に全部応えようとしたり、職場の忙しさを自分だけで何とかしようとしたりすると、心が持たなくなることがあります。
介護職を続けられる人は、冷たい人ではありません。相手を大切にしながら、自分の限界も大切にできる人です。
たとえば、利用者さんから何度も同じ訴えがあるとき、毎回すべてを深刻に抱え込むのではなく、記録や申し送りで共有し、チームで対応を考えます。
家族から要望を受けたときも、その場で安易に約束せず、「確認して共有します」と伝えることが大切です。
優しさと責任感は大切ですが、自分を削り続ける働き方は長続きしません。
覚えるのが遅くても続けられる人はいる
「仕事を覚えるのが遅いから、介護職を続けられないかもしれない」と不安になる人もいます。
しかし、覚えるスピードだけで向き不向きを決める必要はありません。
介護職では、知識だけでなく、利用者さんごとの対応を少しずつ覚えていく必要があります。同じ排泄介助でも、利用者さんによって声かけ、立ち上がりの癖、使う物品、注意点が違います。
最初からすべてを覚えられなくても、メモを取る、確認する、振り返る、同じミスを減らすという姿勢があれば、少しずつ慣れていける可能性があります。
覚えるのが遅いと感じる人は、次のような工夫をしてみましょう。
・利用者さんごとに注意点を整理する
・介助手順は自分の言葉でメモする
・その日に覚えたことを勤務後に見直す
・わからないことは早めに質問する
・注意された内容は「次にどうするか」まで書く
・一度に全部ではなく、優先順位をつけて覚える
職場によっては、個人情報の扱いに注意が必要なため、メモの取り方にもルールがあります。利用者さんの情報を外部に持ち出さないよう、必ず職場のルールを確認しましょう。
「合わない」と感じたときは職場との相性も見る
介護職を続けられるか悩んだとき、自分だけを責める必要はありません。
もちろん、自分の課題を振り返ることは大切です。しかし、職場との相性もあります。
たとえば、ゆっくり利用者さんと関わりたい人が、常に時間に追われる職場で働くとつらく感じるかもしれません。身体介護に強い不安がある人が、入浴介助や移乗介助の負担が大きい職場に入ると、慣れる前に疲れてしまうこともあります。
また、未経験なのに十分な説明がない職場では、誰でも不安になりやすいです。
「介護職そのものが合わない」のか、「今の職場の働き方が合わない」のかを分けて考えることが大切です。
| 感じている違和感 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 毎日怒られてつらい | 教育体制や指導方法が合っていない |
| 身体がきつい | 介助量、勤務形態、技術不足、休息不足 |
| 利用者さんと関わる余裕がない | 業務量や人員体制に無理がある |
| 夜勤が不安 | 夜勤開始時期や同行体制が不十分 |
| 質問できない | 職場の雰囲気や人間関係の問題 |
| 仕事内容に興味が持てない | 施設形態や業務内容が合っていない可能性 |
今の職場で改善できることがあるなら、相談してみる価値はあります。ただし、相談しても変わらない状態が続く場合は、職場を変えることも現実的な選択です。
介護職を長く続けるために意識したいこと
最初から「一生続ける」と考えすぎない
介護職を始めるときに、「長く続けなければ」と考えすぎると、プレッシャーになることがあります。
もちろん、長く働ける職場に出会えるのは良いことです。しかし、最初から一生続ける覚悟を持たなければならないわけではありません。
未経験の人は、まずは数か月単位で慣れていくことを目標にしてもよいです。
たとえば、
・最初の1か月は職場の流れを覚える
・3か月で基本的な業務に慣れる
・半年で利用者さんごとの対応を少しずつ理解する
・1年で自分に合う働き方を考える
このように段階を分けると、気持ちが少し楽になります。
介護職は、経験を積むことで選択肢が広がる仕事でもあります。施設介護、デイサービス、訪問介護、夜勤あり、日勤のみ、パート、正社員、資格取得など、働き方は一つではありません。
長く続けるためには、最初から完璧な働き方を選ぼうとするより、働きながら自分に合う形を探す視点も大切です。
つらさを放置せず早めに言葉にする
介護職を続けるうえで、つらさを我慢し続けるのは危険です。
最初は小さな違和感でも、放置すると大きなストレスになることがあります。
たとえば、
・最近眠れない
・出勤前に気分が重い
・ミスが増えている
・職場で質問するのが怖い
・利用者さんに優しく接する余裕がない
・休みの日も疲れが抜けない
こうした状態が続くときは、早めに言葉にすることが大切です。
相談先は、直属の上司だけとは限りません。話しやすい先輩、管理者、法人の相談窓口、家族、友人、転職相談先など、状況に応じて選んで構いません。
職場内の問題であれば、具体的に伝えることが大切です。
・どの業務で困っているのか
・いつからつらいのか
・誰に相談したのか
・どのような改善があれば働きやすいのか
・続けたい気持ちはあるのか
・配置や勤務日数の変更は可能か
「もう無理です」と限界まで我慢する前に、少し早い段階で相談したほうが、選べる対策が増えます。
辞めることも逃げではなく選択肢の一つ
介護職を続けられる人の特徴を知ることは大切です。
ただし、どんな状況でも続けるべきという意味ではありません。
職場によっては、教育体制が不十分だったり、人員不足が深刻だったり、ハラスメントがあったりする場合もあります。そのような環境で無理を続けると、心身の調子を崩してしまうことがあります。
介護職を続けるか辞めるか迷ったときは、次のように整理してみましょう。
辞める前に確認したいこと
□ つらい原因は仕事内容か、職場環境か
□ 上司や先輩に相談したか
□ 勤務日数やシフト変更で改善できそうか
□ 配属や施設形態を変えれば続けられそうか
□ 体調に影響が出ていないか
□ 利用者さんの安全に関わる不安がないか
□ 今の職場で改善の見込みがあるか
□ 退職後の生活や次の仕事を考えられているか
改善の余地があるなら、まず相談してみるのも一つの方法です。
一方で、相談しても変わらない、体調を崩している、出勤が強い苦痛になっている、利用者さんへの対応にも影響が出ている場合は、離れる判断が必要なこともあります。
辞めることは、必ずしも逃げではありません。自分に合う職場で介護職を続けるための選択になる場合もあります。
まとめ:介護職を続けられる人は、自分を守りながら働ける人
介護職を続けられる人は、特別に強い人だけではありません。
体力がある人、明るい人、誰とでも話せる人だけが長く働けるわけでもありません。実際には、長く働いている人ほど、無理をしすぎない工夫や、自分を守る考え方を持っています。
介護職は、利用者さんの生活を支える大切な仕事です。その一方で、身体的にも精神的にも負担を感じる場面があります。だからこそ、頑張り続けるだけではなく、確認する、相談する、休む、職場を選ぶという視点が必要です。
未経験の人は、最初から完璧にできなくて当然です。大切なのは、わからないことをそのままにせず、利用者さんの安全と尊厳を守りながら、少しずつ覚えていくことです。
今の職場でつらさを感じている人も、「自分は介護職に向いていない」とすぐに決めつける必要はありません。仕事内容が合わないのか、職場環境が合わないのか、働き方が合わないのかを分けて考えてみましょう。
この記事のまとめ
・介護職を続けられる人は、我慢が強い人だけではない
・長く働く人は、完璧を目指しすぎず確認しながら働いている
・体力面だけでなく、人間関係や夜勤、業務量も続けやすさに関わる
・未経験者は教育体制や同行期間、夜勤開始時期を確認すると安心しやすい
・つらいときは一人で抱え込まず、上司や信頼できる人に相談することが大切
・合わない職場で無理を続ける必要はなく、働き方や職場を変える選択肢もある
介護職を長く続けるために必要なのは、無理を重ねることではありません。
自分の限界を知り、確認しながら働き、相談できる環境を選ぶことです。
利用者さんを大切にするためにも、まずは自分自身が無理をしすぎない働き方を考えてみてください。


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