介護職の職場で無視されたり、悪口を言われたり、必要な情報を教えてもらえなかったりすると、出勤するだけでも大きな負担になります。
介護の仕事は職員同士の連携が欠かせません。そのため、単に人間関係が悪いだけではなく、いじめによって情報共有が妨げられると、利用者さんの安全やサービスの質にも影響する可能性があります。
「自分にも原因があるのではないか」「相談するとさらに居づらくなるのではないか」と考え、我慢してしまう人もいるでしょう。しかし、つらい状況を一人で抱え続ける必要はありません。
この記事では、介護職の職場で起こりやすいいじめの例や原因、被害を受けたときの対処法、相談先、今の職場を続けるか判断する基準を解説します。
この記事でわかること
・介護職の職場でいじめに当たる可能性がある行為
・介護現場で人間関係のトラブルが起こる背景
・いじめを受けたときに最初に行うこと
・職場へ相談するときの伝え方と記録の残し方
・状況が改善しない場合に利用できる相談先
・異動や転職を考えた方がよい職場の特徴
介護職の職場で起こりやすいいじめの例
職場で嫌な思いをしたからといって、すべてがいじめに当たるとは限りません。業務上必要な注意や指導まで、いじめと決めつけることはできないでしょう。
一方で、特定の職員だけを継続的に無視する、人格を傷つける、仕事に必要な情報を意図的に与えないといった行為は、単なる相性の問題では済まされません。
まずは、自分が受けている行為を具体的に整理することが大切です。
挨拶や会話を意図的に無視される
挨拶をしても返事をしない、話しかけても目を合わせない、休憩中の会話から一人だけ外すといった行為があります。
忙しくて返事ができなかったなど、一度だけであれば偶然かもしれません。しかし、特定の人に対して繰り返されている場合は、意図的な無視の可能性があります。
介護現場では、利用者さんの状態やケアの変更点を職員間で伝える必要があります。業務上の声かけまで無視されると、仕事を進めにくくなるだけでなく、事故や対応の遅れにつながりかねません。
無視されたときは、「嫌われているかもしれない」という感覚だけで判断せず、いつ、誰に、どのような場面で無視されたのかを記録しておきましょう。
悪口や陰口を広められる
本人がいない場所で悪口を言う、事実ではないうわさを流す、失敗を必要以上に周囲へ言いふらすといった行為もあります。
介護職はチームで働くため、悪いうわさが広がると、ほかの職員からも距離を置かれる場合があります。新人や中途採用者は、まだ周囲との関係ができていないため、反論しにくいこともあるでしょう。
仕事上のミスについて必要な範囲で共有することはあります。しかし、本人の人格を否定したり、面白がって言いふらしたりすることは、適切な情報共有とはいえません。
「仕事が遅い人」「何もできない人」などと決めつける発言が繰り返される場合は、発言した人や聞いていた人、内容をできるだけ具体的に残してください。
必要な申し送りや業務情報を教えてもらえない
介護現場で特に注意したいのが、必要な情報を意図的に伝えない行為です。
たとえば、次のようなケースがあります。
- 利用者さんの食事形態の変更を教えない
- 服薬や受診に関する連絡を一人だけ外す
- ケア方法が変わったことを伝えない
- シフトや担当変更を知らせない
- 新人に業務手順を説明せず、失敗すると責める
このような行為は、職員本人だけでなく、利用者さんの安全に影響します。
安全上の注意
必要な情報を共有してもらえず、利用者さんへの対応に不安があるときは、自己判断で介助を続けないことが大切です。
リーダー、管理者、看護師などに確認し、安全な方法がわかるまで一人で対応しないようにしましょう。
無理な仕事を押しつけられる
特定の職員だけに負担の大きい利用者さんを担当させる、休憩を取らせない、残業を押しつけるなどのケースもあります。
もちろん、介護現場では急な欠勤や利用者さんの状態変化により、一時的に業務量が偏ることがあります。担当を多く持つことだけで、すぐにいじめとは判断できません。
しかし、明確な理由がないまま特定の人だけ負担が重い状態が続く場合は、勤務表や担当表を確認し、客観的に比較してみる必要があります。
| 気になる状況 | 確認したいこと |
|---|---|
| 重い介助ばかり担当する | 担当の決め方に基準があるか |
| 休憩に入れない | ほかの職員は休憩を取れているか |
| 残業を断れない | 特定の人だけに依頼が集中していないか |
| 雑務ばかり任される | 経験に応じた一時的な役割なのか |
| 急なシフト変更が多い | 変更の記録や説明が残っているか |
介護職の職場でいじめが起こる背景
介護職でいじめが起こる原因は一つではありません。本人同士の相性だけでなく、人手不足や教育体制、管理者の対応など、職場全体の問題が関係していることもあります。
原因を理解することは、いじめを正当化するためではありません。自分だけを責めず、どこに改善を求めるべきかを整理するために役立ちます。
人手不足で職員に余裕がない
介護現場は、限られた人数で多くの業務を進める職場もあります。
入浴介助、排泄介助、食事介助、記録、ナースコール対応などが重なると、職員同士が落ち着いて話す余裕を失いやすくなります。その結果、質問した新人に強い口調で答えたり、仕事が遅い職員を責めたりすることがあります。
ただし、人手不足だからといって、暴言や無視が許されるわけではありません。忙しさを理由に不適切な対応が繰り返されているなら、個人の問題だけでなく、業務体制の見直しが必要です。
「忙しい職場だから仕方がない」と我慢し続けるのではなく、業務分担や人員配置について上司へ相談しましょう。
新人教育が担当者任せになっている
教育方法が決まっていない職場では、指導する職員によって説明内容が変わります。
ある職員から教わった方法で介助したのに、別の職員から「やり方が違う」と強く注意されることもあるでしょう。新人は何を基準にすればよいかわからず、自信を失いやすくなります。
また、教える側が「見て覚えるもの」「一度言えばできるはず」と考えていると、質問する新人を面倒に感じ、冷たく接する場合があります。
適切な教育体制がある職場では、次のような仕組みが整えられています。
- 業務マニュアルが用意されている
- 指導担当者が決まっている
- 独り立ちの基準が明確になっている
- 定期的な面談がある
- 指導内容を職員間で統一している
- 不安な介助は再確認できる
新人に対する嫌がらせが起きている場合、本人の能力だけではなく、教育体制に問題がないかも確認する必要があります。
閉鎖的な人間関係ができている
長く働いている職員同士の結びつきが強く、新しく入った人がなかなか輪に入れない職場もあります。
正式な役職ではないのに発言力が強い職員がいたり、特定のグループの意見だけが通ったりする場合、新人や中途採用者が孤立しやすくなります。
職員同士が仲良くすること自体は問題ではありません。しかし、気に入らない職員に情報を伝えない、グループ外の人を無視するなど、業務に影響する行為は放置できません。
管理者が現場の人間関係を把握せず、一部の職員に任せきりにしている職場では、こうした状況が長く続くことがあります。
管理者が職員間の問題を放置している
いじめが続く職場では、管理者の対応に問題があることも少なくありません。
相談しても「どこの職場にもある」「気にしすぎ」「あなたも合わせて」と言われ、具体的な確認をしてもらえないケースがあります。
管理者が問題を放置すると、行為をする側は注意されないため、さらに態度が強くなる可能性があります。周囲の職員も「関わると自分が標的になる」と考え、見て見ぬふりをするようになるかもしれません。
覚えておきたいこと
いじめが続く原因を、自分の性格や仕事の能力だけに求める必要はありません。
適切な管理や教育が行われていないことが、問題を悪化させている場合もあります。
介護職でいじめを受けたときに最初に行うこと
いじめを受けると、不安や怒りから、すぐに相手へ言い返したくなることがあります。一方で、何も言えずに我慢し続ける人もいるでしょう。
大切なのは、感情だけで動くのではなく、自分の安全を守りながら事実を整理することです。
起きたことを日時とともに記録する
まずは、いじめだと感じた出来事を記録しましょう。
記録には、次の内容を残します。
- 起きた日付と時間
- 場所
- 相手の名前
- 言われた言葉やされた行為
- その場にいた職員
- 業務や利用者さんへの影響
- 相談した相手と返答
- 自分の体調や精神状態の変化
「いつも無視される」「毎日悪口を言われる」という書き方だけでは、第三者に状況が伝わりにくくなります。
「7月10日午前8時30分ごろ、申し送り中に利用者Aさんの食事変更について質問したが、返答されなかった。ほかの職員から後で変更を聞いた」のように、具体的に記録すると説明しやすくなります。
業務上の記録や利用者さんの個人情報を持ち出すことには注意が必要です。個人情報を私物のスマートフォンへ保存するなど、職場の規則に反する行為は避けましょう。
業務上必要な会話と個人的な関係を分ける
相手と無理に仲良くする必要はありません。しかし、介護職として必要な報告や連絡は続ける必要があります。
相手が冷たい態度を取っていても、こちらは落ち着いて、業務上必要な内容を簡潔に伝えましょう。
たとえば、次のように伝えます。
- 「Aさんの食事量について報告します」
- 「移乗方法を確認したいです」
- 「この対応で安全上問題がないか教えてください」
- 「申し送り内容を確認させてください」
口頭でのやり取りが難しい場合は、職場で認められている連絡ノートや記録システムを利用します。ただし、重要な状態変化や緊急性のある内容は、記録だけで終わらせず、リーダーや看護師へ直接報告してください。
一人きりになる場面を減らす
暴言や威圧的な態度がある相手とは、できるだけ一対一になる場面を減らしましょう。
話し合いが必要な場合も、自分だけで相手に抗議するのではなく、管理者やリーダーに同席してもらう方が安全です。
特に、相手から身体的な威圧、物を投げる、通路をふさぐなどの行為を受けている場合は、直接解決しようとしないでください。危険を感じたらその場を離れ、すぐに上司へ報告します。
緊急性がある場合
身体への危害、強い脅迫、物を使った威嚇などがある場合は、安全確保を優先してください。
職場内だけで対応できないと感じるときは、家族や外部の相談窓口、必要に応じて警察や法律の専門家へ相談することも検討します。
信頼できる人に状況を共有する
いじめを受けていると、「誰にも信じてもらえない」と感じやすくなります。しかし、一人だけで抱えると、状況を客観的に判断しにくくなります。
職場内に信頼できる同僚がいるなら、事実を整理して相談してみましょう。同じ場面を見ていた職員がいれば、管理者へ状況を伝える際に協力してもらえる可能性があります。
職場の人へ話しにくい場合は、家族や友人に相談するだけでも構いません。すぐに解決策が見つからなくても、現在の状態を第三者に知ってもらうことが大切です。
上司へ相談するときの伝え方と改善を求める方法
いじめについて相談するときは、「相手が嫌い」「性格が合わない」という伝え方だけでは、個人的な人間関係の問題として処理される可能性があります。
管理者には、実際に起きた行為と業務への影響を分けて伝えましょう。
感情だけでなく事実を伝える
つらい状況では、感情的になるのは自然なことです。ただし、相談時には、記録を見ながら順番に説明すると伝わりやすくなります。
次のような流れで伝えましょう。
- どのような行為を受けているか
- いつから、どの程度続いているか
- 業務へどのような影響が出ているか
- 利用者さんの安全に関わる問題があるか
- どのような対応を希望するか
上司への相談例
「〇月ごろから、私にだけ申し送り内容が伝えられないことが続いています。先日は食事形態の変更を知らないまま介助に入るところでした。利用者さんの安全にも関わるため、情報共有の方法を確認し、必要であれば担当者を交えて話し合う機会を作っていただきたいです」
「つらいので何とかしてください」だけでなく、希望する対応を伝えることも重要です。
具体的に求めたい対応を整理する
相談する前に、職場へ何をしてほしいのかを考えておきます。
状況によって、希望する対応は異なります。
| 困っていること | 求められる対応の例 |
|---|---|
| 情報を教えてもらえない | 申し送り方法の統一 |
| 指導者から暴言を受ける | 指導担当者の変更 |
| 特定の人と二人になるのが怖い | 勤務や担当の調整 |
| 悪口が広まっている | 関係者への事実確認 |
| 同じ部署で働くのが難しい | 配置転換や異動の検討 |
| 相談しても改善しない | 上位管理者や法人本部への報告 |
相手をすぐに処分してほしいと求めても、職場側が事実確認を行うまで対応できない場合があります。まずは安全確保、情報共有、勤務調整など、早めに実施できる対策を求める方法もあります。
相談した記録も残す
上司に相談した後は、相談日時、相手、伝えた内容、回答を記録しておきましょう。
口頭だけでは、後になって「相談を受けていない」「そこまで深刻だとは思わなかった」と言われる可能性があります。職場のルールに反しない範囲で、メールや書面を使って相談内容を残すことも検討してください。
たとえば、面談後に次のような確認を送る方法があります。
「本日ご相談した件について、情報共有方法を確認していただき、来週までに再度面談するとのお話でした。よろしくお願いいたします」
職場へ書面を提出するときは、自分の控えも保管します。
直属の上司が対応しない場合は相談先を変える
直属の上司が問題を軽く扱う場合、その上の管理者や施設長、法人本部、人事担当者などへ相談します。
職場によっては、ハラスメント相談窓口や内部通報窓口が用意されています。就業規則、職員向けの掲示、法人のホームページなどを確認しましょう。
相談前チェックリスト
□ 起きた出来事を日時ごとに整理した
□ 業務への影響を説明できる
□ 利用者さんの安全に関わる点を分けている
□ 相談したい相手を決めた
□ 希望する対応を整理した
□ 相談後の内容を記録できるようにした
職場内で改善しない場合に考えたい選択肢
相談しても状況が改善しない場合、同じ方法で我慢し続ける必要はありません。
職場内の異動、休職、外部相談、転職など、複数の選択肢を検討しましょう。どの方法が適しているかは、いじめの内容や体調、生活状況によって異なります。
法人本部や外部の相談窓口を利用する
施設内の管理者が対応しない場合は、運営法人の人事部門や相談窓口へ連絡します。
職場外では、地域の労働相談窓口、労働組合、法律相談などを利用できる場合があります。どこへ相談すべきかわからないときは、地域の公的な労働相談窓口から案内を受ける方法があります。
相談時には、次の資料があると状況を説明しやすくなります。
- 出来事を記録したメモ
- 上司へ相談した日時と回答
- 勤務表や業務分担がわかる資料
- 職場から受け取った書面
- 体調不良で受診した場合の診断書
- 就業規則や相談窓口の案内
利用者さんの個人情報が含まれる資料を無断で持ち出さないよう注意してください。必要な証拠の残し方について不安がある場合は、専門の相談窓口へ確認しましょう。
異動で環境が変わる可能性を確認する
複数のフロアや事業所を運営する法人であれば、異動によって相手と離れられる可能性があります。
仕事内容や雇用条件を大きく変えずに環境だけを変えられるため、介護の仕事自体を続けたい人には選択肢の一つです。
ただし、異動先の人員状況や勤務時間によっては、希望どおりにならないこともあります。異動を申し出る際は、次の点を確認しましょう。
- 異動できる事業所や部署があるか
- 夜勤回数や勤務時間が変わるか
- 給与や手当への影響
- 通勤距離の変化
- 異動理由がどこまで共有されるか
- 同じ問題が異動先でも起きていないか
異動によって被害を受けた側だけが不利益を受けるような条件になっていないかも確認が必要です。
心身の不調がある場合は休むことを優先する
いじめを受け続けると、眠れない、食欲がない、動悸がする、出勤前に吐き気がするなどの症状が出ることがあります。
「人手不足だから休めない」「自分が抜けると迷惑がかかる」と考える人もいますが、無理を続けて状態が悪化すると、長期間働けなくなる可能性があります。
次のような状態が続く場合は、早めに医療機関へ相談してください。
- 眠れない日が続いている
- 涙が止まらない
- 強い不安や動悸がある
- 食事が取れない
- 仕事のことを考えると体調が悪くなる
- 集中できず、介助中の安全に不安がある
- 自分を傷つけたい気持ちがある
体調や治療については、自己判断せず医師に確認しましょう。勤務継続が難しい場合は、診断書や休職制度について職場へ相談します。
転職は逃げではなく環境を変える手段
相談しても改善しない、管理者がいじめる側を守る、利用者さんの安全まで軽視されている場合は、転職を考えてもよいでしょう。
介護職の人間関係は、すべての施設で同じではありません。同じ介護職でも、管理者の考え方、職員数、教育体制、情報共有の方法によって働きやすさは大きく変わります。
退職を急ぐと生活に影響するため、可能であれば現在の職場に在籍しながら求人を確認します。ただし、心身の安全が脅かされている場合は、転職活動よりも休むことを優先してください。
いじめが続く職場を離れる判断基準と次の職場の選び方
いじめを受けていると、「もう少し我慢すれば変わるかもしれない」と考えやすくなります。
改善の可能性がある職場もありますが、組織全体が問題を放置している場合、個人の努力だけで変えるのは難しいでしょう。
早めに離れることを考えたい職場の特徴
次のような状態がある場合は、異動や転職を具体的に検討する段階と考えられます。
- 相談しても事実確認をしてもらえない
- 管理者自身が暴言や無視を行っている
- 相談した内容が本人の許可なく広められる
- いじめを訴えたことで勤務条件を悪くされる
- 必要な情報共有がされず、利用者さんの安全に影響している
- 同じ理由で辞める職員が続いている
- 体調不良が続いている
- 職場へ行くことに強い恐怖を感じる
離れる判断の目安
「自分がもっと頑張れば改善するか」だけではなく、職場が問題を改善する姿勢を示しているかで判断しましょう。
被害を訴えた人だけに我慢や異動を求める職場では、根本的な改善が期待しにくい場合があります。
次の職場では教育体制を確認する
転職先を選ぶときは、「アットホームな職場」「人間関係が良い」といった求人の表現だけで判断しないことが大切です。
面接や職場見学で、教育方法や相談体制を具体的に確認しましょう。
面接で聞きたい質問
「入職後の指導担当者は決まっていますか?」
「独り立ちまで、どのような流れで業務を覚えますか?」
「職員間のトラブルが起きた場合、どなたに相談できますか?」
「定期面談はありますか?」
「業務の相談や意見を伝える機会はありますか?」
質問に対して具体的な説明があるかも重要です。「みんな優しいから大丈夫」「見て覚えてもらう」といった曖昧な回答だけの場合は、慎重に判断しましょう。
職場見学では職員同士の接し方を見る
職場見学では、設備や利用者さんの様子だけでなく、職員同士の関係にも注目します。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 挨拶をしても反応があるか
- 新人らしい職員が質問できているか
- 職員同士が強い口調で責めていないか
- 管理者が現場の職員へ声をかけているか
- 忙しいときも情報共有が行われているか
- 利用者さんの前で職員の悪口を言っていないか
- ナースコールや介助依頼を押しつけ合っていないか
短時間の見学だけで人間関係のすべてを判断することはできません。しかし、職員が見学者の前でも挨拶を返さない、怒鳴り声が聞こえるなど、気になる点があれば見過ごさない方がよいでしょう。
退職理由は無理に詳しく話さなくてもよい
転職面接では、前職を辞める理由を聞かれることがあります。
いじめを受けた事実をすべて詳しく説明する必要はありません。前職への批判だけにならないようにしながら、次の職場で重視したい条件を伝えましょう。
たとえば、次のように説明できます。
「前職では職員間の情報共有に難しさを感じていました。利用者さんの安全を守るためにも、報告や相談の体制が整った職場で経験を積みたいと考え、転職を決めました」
事実と異なる説明をする必要はありませんが、相手を強く非難するよりも、今後の働き方へ話をつなげると伝わりやすくなります。
介護職のいじめは一人で我慢せず安全を優先しよう
介護職の職場で起こるいじめには、無視、悪口、必要な情報を伝えない、特定の人だけに負担を集中させるといった行為があります。
介護現場では職員同士の連携が利用者さんの安全に直結します。そのため、情報共有を妨げる行為は、個人的な人間関係だけの問題ではありません。
いじめを受けたときは、起きたことを具体的に記録し、信頼できる上司や管理者へ相談しましょう。相談するときは、感情だけでなく、業務や利用者さんへの影響を整理して伝えることが大切です。
職場が対応しない場合は、法人本部や外部の相談窓口、異動、休職、転職なども検討できます。介護の仕事を続けたいからといって、現在の職場で耐え続ける必要はありません。
この記事のまとめ
・継続的な無視や悪口、情報を与えない行為は、いじめに当たる可能性がある
・介護職のいじめは、利用者さんの安全やケアの質にも影響する
・被害を受けたら、日時、場所、発言、業務への影響を具体的に記録する
・上司には事実と希望する対応を分けて伝える
・直属の上司が動かない場合は、法人本部や外部窓口へ相談する
・体調が悪化しているときは、我慢よりも休養と受診を優先する
・改善する姿勢がない職場では、異動や転職も現実的な選択肢になる
いじめを受けていることは、あなたの介護職としての価値が低いことを意味しません。自分だけで解決しようとせず、利用できる相談先や制度を確認しながら、安心して働ける環境へ移ることも含めて判断することが大切です。


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