介護職として働いていると、「寝ても疲れが取れない」「早番の前日は眠れない」「夜勤明けにうまく寝られない」と感じることがあります。
介護現場では、早番・日勤・遅番・夜勤が組み合わされる職場も多く、勤務する時間が一定とは限りません。さらに、身体介助による疲れや、事故を起こさないように気を張る精神的な負担もあります。
そのため、単純に早く布団へ入るだけでは、介護職の睡眠不足を改善できない場合があります。大切なのは、自分が眠れない原因を整理し、勤務に合わせて睡眠の取り方や働き方を調整することです。
この記事でわかること
・介護職が睡眠不足になりやすい理由
・睡眠不足によって現場で起こりやすい変化
・早番・遅番・夜勤に合わせた休み方
・疲れを翌日に残しにくくする生活習慣
・職場へ勤務調整を相談するときの伝え方
・働き方を見直した方がよい状態の目安
介護職で睡眠不足が起こりやすい4つの背景
早番・遅番・夜勤で眠る時間が変わる
介護施設では、早番・日勤・遅番・夜勤などの交代制勤務が採用されていることがあります。
たとえば、遅番で夜遅くに帰宅した翌日に早番が入ると、食事や入浴、通勤の準備を済ませるだけで就寝時間が遅くなります。早番に間に合うよう起きるため、十分な睡眠時間を確保しにくくなるでしょう。
夜勤の場合は、本来眠る時間に働き、普段活動している昼間に眠ることになります。勤務時間帯が頻繁に変わると、体内時計と実際の生活時間が合いにくくなり、眠りたい時間に眠れない状態が起こることがあります。
厚生労働省も、交替制勤務では睡眠の不調や勤務中の眠気、睡眠休養感の低下などに注意が必要だとしています。
覚えておきたいこと
シフト勤務で眠れないのは、本人の自己管理だけが原因とは限りません。
勤務の並び方や休息時間も、睡眠不足に大きく関係します。
夜勤明けは昼間の環境で眠ることになる
夜勤が終わると強い眠気を感じる一方で、自宅に着いても長く眠れない人がいます。
昼間は外が明るく、車や生活音も増えます。家族と暮らしている場合は、会話や家事の音で目が覚めることもあるでしょう。また、夜勤を終えた安心感から気持ちが高ぶり、帰宅後すぐには眠れない場合もあります。
夜勤明けに「長時間眠らなければ」と考えすぎると、眠れないことへの焦りが強くなります。結果として、布団の中で何時間も過ごしたのに、十分に休めた感覚が得られないことがあります。
夜勤明けの睡眠は、通常の夜間睡眠とまったく同じにはなりにくいため、一度の睡眠だけで完全に回復しようとしないことも大切です。
身体は疲れていても頭が緊張したままになる
介護職は、移乗介助や入浴介助、排泄介助などで体を使います。しかし、体が疲れているからといって、必ずしもすぐ眠れるわけではありません。
勤務中は、利用者さんの転倒、誤薬、体調変化、ナースコールなどに注意を向け続けます。急変対応や事故につながりかねない場面があった日は、帰宅後もその出来事を思い返してしまうことがあります。
また、次のような考えが頭から離れない場合もあります。
・記録に書き忘れがなかったか
・申し送りの内容は正しかったか
・利用者さんへの対応が適切だったか
・明日の勤務で注意されないか
・人手が足りない日の業務を回せるか
このような状態では、体は疲れていても頭が仕事モードから切り替わりません。仕事後に気持ちを落ち着かせる時間を持てないことが、寝つきの悪さにつながります。
残業や持ち帰った疲れで休む時間が削られる
定時で帰れない日が続くと、睡眠時間は徐々に短くなります。
介護現場では、記録、申し送り、急な利用者対応、家族対応などによって退勤が遅れることがあります。30分程度の残業でも、通勤や食事、入浴を含めると、就寝時間が1時間以上遅くなる場合があります。
睡眠不足を休日の寝だめだけで補おうとしても、平日の負担が大きければ回復が追いつかないことがあります。残業が日常化している場合は、生活習慣だけではなく、業務量や勤務体制も見直す必要があります。
睡眠不足が続いたときに現れやすい変化
睡眠時間だけでなく「休めた感覚」も確認する
睡眠不足というと、何時間眠ったかだけを気にしがちです。しかし、同じ睡眠時間でも、翌朝の状態には差があります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を踏まえつつ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保し、睡眠による休養感を高めることが勧められています。
ただし、6時間眠れば必ず十分という意味ではありません。必要な睡眠時間には個人差があり、勤務内容や体調によっても変わります。
次のような状態が続く場合は、時間だけでなく睡眠の質にも目を向けましょう。
・起きた直後から強い疲労感がある
・休日も一日中横になっている
・仕事中に何度も強い眠気を感じる
・長く寝ても回復した感覚がない
・布団に入ってもなかなか眠れない
・夜中に何度も目が覚める
注意力や判断力が低下しやすくなる
睡眠不足が続くと、日中の眠気や疲労だけでなく、注意力や判断力の低下につながることがあります。厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠不足が作業効率の低下や事故などに関係する可能性が示されています。
介護現場では、わずかな判断の遅れが事故につながることがあります。
たとえば、次のような変化には注意が必要です。
・移乗前のブレーキ確認を忘れそうになる
・服薬内容や利用者さんの名前がすぐに出てこない
・記録の入力ミスが増える
・ナースコールへの反応が遅れる
・利用者さんの小さな体調変化を見落としそうになる
・運転中にぼんやりする
眠気が強い状態で無理に介助を続けると、利用者さんだけでなく職員自身の安全にも影響します。危険を感じたときは、自己判断で進めず、同僚や上司、看護師へ状況を伝えることが必要です。
現場での安全確認
「少し眠いけれど大丈夫」と考えるのではなく、普段より確認漏れが増えていないかを見ましょう。
強い眠気があるときは、一人で抱え込まず周囲へ伝えることが大切です。
感情に余裕がなくなることがある
眠れていない状態では、普段なら落ち着いて対応できることにも、強いストレスを感じやすくなります。
利用者さんから同じ質問を繰り返されたときや、介助を拒否されたときに、焦りやいら立ちが表に出てしまうこともあります。職員同士の会話でも、言葉をきつく受け止めたり、相手への伝え方が強くなったりする場合があります。
これは、介護職に向いていないからとは限りません。睡眠不足によって気持ちを調整する余裕が減っている可能性があります。
ただし、利用者さんへ強い口調で接しそうになる、自分で感情を抑えられないと感じる場合は、そのまま介助を続けるのではなく、一度その場を離れたり、ほかの職員と交代したりする判断も必要です。
今の状態を簡単に振り返る
睡眠不足の影響は、毎日少しずつ進むため、自分では気づきにくいことがあります。次の表を参考に、最近の状態を振り返ってみましょう。
| 確認する状態 | 見直したいサイン |
|---|---|
| 起床時 | 寝たのに強い疲労感が残っている |
| 通勤中 | 信号待ちや運転中に強い眠気がある |
| 勤務中 | 確認漏れ、物忘れ、判断の遅れが増えた |
| 感情面 | いら立ち、不安、落ち込みが続いている |
| 休日 | ほとんど眠って終わり、回復しない |
| 就寝時 | 寝つけない、途中で何度も目が覚める |
複数の項目が続いている場合は、単なる一時的な疲れと決めつけず、勤務や生活習慣を見直しましょう。厚生労働省の「こころの耳」には、働く人向けの疲労蓄積度セルフチェックも用意されています。
早番・遅番・夜勤に合わせて睡眠を整える方法
早番の前日は「眠る準備」を前倒しする
早番の前日は、早く布団へ入ることだけを目標にするのではなく、帰宅後の行動を少しずつ前倒しにします。
夕食、入浴、翌日の準備を後回しにすると、布団へ入る時間が遅くなります。制服や持ち物を先に準備し、朝に行う作業を減らしておくと、起床時間をわずかでも遅らせられる場合があります。
早く眠ろうとして、普段より何時間も前に布団へ入ると、かえって目がさえてしまう人もいます。就寝時刻だけを急に変えるのではなく、照明を落とす、スマートフォンから離れる、入浴を済ませるなど、眠る前の流れを整えることが大切です。
早番が何日か続く場合は、休日も起床時間を極端に遅らせない方が、次の勤務へ切り替えやすくなることがあります。
遅番後は帰宅してからやることを減らす
遅番後は、帰宅時刻が遅いため、食事や入浴をすべて丁寧に済ませようとすると就寝がさらに遅れます。
勤務前に食事を準備しておく、翌日の持ち物を先にそろえる、帰宅後の家事を減らすなど、夜に行う作業を少なくしておきましょう。
帰宅直後に大量の食事を取ると、すぐには寝つきにくい人もいます。食事の量や内容は体調に合わせ、夜遅い時間に負担の大きな食事が続かないように調整します。
遅番後に動画やSNSを見続けてしまう人は、「帰宅後30分でスマートフォンを置く」など、具体的な区切りを決める方法があります。
遅番前の準備例
□ 帰宅後に食べるものを用意する
□ 入浴や家事の順番を決めておく
□ 翌日の服や持ち物をそろえる
□ 帰宅後に確認する連絡を最小限にする
□ ベッドでスマートフォンを見続けない
夜勤前の仮眠は長さと時間帯を調整する
夜勤前に一睡もしないまま勤務へ入ると、深夜から明け方に強い眠気が出やすくなります。夜勤前に仮眠を取れる場合は、自分が起きやすい時間を探してみましょう。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、夜勤中の20〜50分程度の仮眠が眠気や仕事の効率、疲労の改善に役立つ可能性がある一方、長すぎる仮眠では起床後に強いぼんやり感が出ることも示されています。仮眠を取れる時間や環境は職場によって異なるため、休憩のルールに従うことが前提です。
仮眠後すぐに移乗介助や服薬確認を行う場合は、目覚めた直後の状態にも注意します。顔を洗う、水分を取る、申し送り内容を再確認するなど、頭を切り替える時間を持ちましょう。
カフェインを利用する場合も、摂取量や時間帯によっては夜勤後の睡眠へ影響します。眠気を抑えるために何度も飲み続けるのではなく、自分の体調や医師からの指示を踏まえて調整してください。
夜勤明けは「仮眠」と「次の夜の睡眠」を分けて考える
夜勤明けに夕方まで眠ってしまうと、その日の夜に眠れなくなることがあります。一方で、ほとんど眠らずに活動を続けると、疲れや眠気が強くなります。
帰宅後にどの程度眠るかは、次の勤務や体質によって異なります。夜勤明けの短めの睡眠でいったん休み、その日の夜に改めて眠る方法が合う人もいます。
大切なのは、周囲の方法をそのまままねるのではなく、次の項目を記録して自分の傾向を知ることです。
・夜勤中に仮眠できた時間
・帰宅後に眠った時間
・目覚めたときの疲労感
・その日の夜に眠れたか
・翌日の眠気や体調
・夜勤明けの運転に不安がなかったか
夜勤明けに強い眠気がある状態で、自動車を運転するのは危険です。休息を取る、家族に迎えを頼む、公共交通機関を使うなど、安全を優先してください。
疲れを翌日に残しにくくする生活習慣
寝室の光・音・温度を調整する
夜勤明けに昼間眠る場合は、カーテンを閉めても部屋が明るいことがあります。遮光カーテンやアイマスクを使い、できる範囲で暗い環境を作りましょう。
家族と同居している場合は、夜勤明けに眠る時間を伝え、掃除機やテレビの音を控えてもらえるか相談する方法もあります。耳栓や環境音を利用する場合は、緊急の電話や目覚ましに気づけるよう注意が必要です。
室温や湿度が合わないことも、中途覚醒の原因になります。暑すぎる、寒すぎる、寝具が体に合わないと感じる場合は、睡眠時間を増やす前に環境を見直してみましょう。
厚生労働省は、睡眠の質を高めるために、光・温度・音などの睡眠環境や生活習慣を見直すことを勧めています。
カフェインと飲酒に頼りすぎない
眠気対策としてコーヒーやエナジードリンクを飲む介護職もいます。ただし、摂取する時間が遅いと、勤務後に眠りたいのに眠れなくなることがあります。
カフェインへの反応には個人差があります。夜勤中に飲む場合は、飲んだ時刻と夜勤明けの寝つきを記録すると、自分に影響が残りやすい時間帯を把握しやすくなります。
また、「お酒を飲むと眠れる」と感じる人もいますが、飲酒によって途中で目が覚めたり、睡眠の後半が浅くなったりすることがあります。寝つくための手段として飲酒を続けるのは避けた方がよいでしょう。
睡眠薬や市販薬、サプリメントを自己判断で増減することも避け、使用中の薬がある場合は医師や薬剤師へ相談してください。
食事と入浴の時間を固定しすぎない
シフト勤務では、毎日同じ時間に食事や入浴をすることが難しい場合があります。完全に一定にしようとすると、できなかった日にかえってストレスを感じることがあります。
そのため、「遅番後は消化に負担の少ない量にする」「早番前は夕食を早めに済ませる」など、勤務ごとの基本パターンを決める方法が現実的です。
夜勤中に一度に多く食べると、眠気や胃の不快感が出る人もいます。反対に、何も食べずに働き続けると集中しにくくなる場合があります。勤務中の食事は、職場の休憩時間や自分の体調に合わせて調整しましょう。
入浴は気持ちを仕事から切り替えるきっかけになります。ただし、帰宅が遅い日に長時間入浴することで就寝が遅れるなら、翌日の予定に合わせて無理のない方法を選びます。
眠れないまま布団で悩み続けない
「明日は早番だから眠らなければ」と考えるほど、焦りで眠れなくなることがあります。
なかなか眠気が来ないときは、時計を何度も確認したり、布団の中で仕事の反省を続けたりしないようにしましょう。いったん暗めで静かな場所へ移り、落ち着くまで待つ方法もあります。
仕事のことが頭から離れない場合は、気になることを紙に短く書き出し、「明日確認する」と区切る方法があります。
ただし、不眠が長期間続いている人は、生活習慣だけで解決しようとしないことが大切です。眠れない自分を責めるのではなく、医療機関への相談も選択肢に入れましょう。
個人の工夫だけで改善しないときは勤務を見直す
シフトの並び方に無理がないか確認する
睡眠不足が続く場合は、勤務表を1日ずつ見るのではなく、1か月全体で確認します。
特に負担になりやすいのは、次のような勤務です。
・遅番の翌日に早番が入る
・夜勤明け後の休息が短い
・早番と遅番が短期間で何度も入れ替わる
・連続夜勤が体力に合っていない
・休日に会議や研修が入る
・残業後も次の出勤時間が変わらない
同じ勤務表でも、負担の感じ方には個人差があります。夜勤回数が少なくても、切り替えが苦手な人には大きな負担になることがあります。
まずは「夜勤を減らしてほしい」とだけ伝えるのではなく、どの勤務の組み合わせで眠れなくなるかを具体的に整理しましょう。
睡眠と勤務の記録をつけて相談する
上司へ相談するときは、体調が悪いことだけでなく、勤務との関係を説明できると伝わりやすくなります。
1〜2週間程度でもよいので、次の内容を記録してみましょう。
| 記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
| 勤務区分 | 早番、日勤、遅番、夜勤 |
| 就寝・起床時刻 | 0時30分〜5時 |
| 夜中に起きた回数 | 2回 |
| 起床時の疲労感 | 10段階で8 |
| 勤務中の眠気 | 午後から強い |
| 残業時間 | 45分 |
| 気になったこと | 帰宅後も業務を考えて眠れなかった |
記録があると、「気合いで乗り越えられないのか」といった話ではなく、勤務上の課題として相談しやすくなります。
上司へ相談するときの例
「遅番の翌日に早番が入ると、睡眠時間が4〜5時間になり、勤務中の集中力にも不安があります。勤務の組み合わせを調整できるか相談したいです」
「夜勤後に眠れない状態が続いています。夜勤回数や連続する勤務について、一度見直していただくことは可能でしょうか」
「最近、勤務中の眠気が強く、安全面に不安があります。業務量や休憩の取り方について相談させてください」
休憩を取れない状態を当たり前にしない
夜勤中に休憩時間が設定されていても、ナースコールや利用者対応が続き、実際には休めない職場があります。
一度だけ休憩がずれることはあっても、毎回ほとんど休めない状態が続いているなら、個人の努力だけで解決する問題ではありません。
休憩できない理由を整理し、夜勤者の人数、利用者さんの介護度、ナースコールの回数、緊急対応の頻度などを上司へ伝えましょう。
仮眠設備があっても、呼び出しが多く眠れない場合があります。単に「仮眠室があります」という説明だけでなく、実際に休憩や仮眠を取れているかが重要です。
転職時は勤務時間以外の条件も確認する
睡眠不足を理由に転職を考える場合は、「夜勤なし」「日勤のみ」という言葉だけで判断しないようにしましょう。
日勤のみでも、早朝出勤、長い通勤、恒常的な残業があれば、睡眠時間を確保しにくいことがあります。反対に夜勤があっても、回数が少なく、夜勤明けと翌日の休みが確保されている職場なら、負担を調整しやすい場合があります。
睡眠不足を避けるための求人チェック
□ 早番・遅番・夜勤の開始時刻が明記されている
□ 遅番の翌日に早番が入る可能性を確認した
□ 夜勤明け後の勤務の扱いを聞いた
□ 月の平均残業時間を確認した
□ 夜勤中に休憩や仮眠を取れているか聞いた
□ 急なシフト変更の頻度を確認した
□ 夜勤の人数と利用者数を確認した
□ 体調に応じた勤務相談が可能か確認した
見学・面接で聞きたい質問
「夜勤明けの翌日は、基本的に休みになりますか?」
「遅番の翌日に早番が入ることはありますか?」
「夜勤中の休憩は、実際にはどの程度取れていますか?」
「月の夜勤回数と、連続夜勤の有無を教えていただけますか?」
「勤務に慣れるまで、シフトを調整してもらうことはできますか?」
眠れない状態を放置せず、働き方を見直そう
受診を検討した方がよい状態
生活習慣や睡眠環境を整えても改善せず、仕事や日常生活に支障が出ている場合は、医療機関へ相談しましょう。
特に次のような状態には注意が必要です。
・不眠や強い眠気が長く続いている
・勤務中に眠り込みそうになる
・運転中に意識が途切れそうになる
・朝起きても強い疲労感が残る
・大きないびきや呼吸が止まることを指摘された
・気分の落ち込みや不安が続いている
・仕事へ行く前に動悸や吐き気が出る
・睡眠不足によるミスが増えている
交替制勤務によって不眠や強い眠気が続き、日常生活に支障がある場合には、交代勤務睡眠障害などが関係している可能性もあります。自己判断で決めつけず、医師へ勤務表や睡眠記録を見せて相談しましょう。厚生労働省も、不眠や睡眠休養感の低下、勤務中の眠気が続く場合は、速やかな医療機関の受診を勧めています。
眠気が強い日は安全を最優先にする
「人手が足りないから休めない」「自分が抜けると迷惑がかかる」と考え、無理に出勤しようとする人もいます。
しかし、強い眠気やふらつきがある状態で介助をすると、利用者さんを支えきれなかったり、確認を誤ったりする可能性があります。
体調に不安があるときは、早めに職場へ連絡し、出勤の可否や業務内容を相談してください。勤務中に眠気が急に強くなった場合も、黙って耐えず、リーダーや上司へ報告します。
利用者さんの急変、服薬、医療処置に関係する判断は、自己判断で進めず、看護師や上司、専門職へ確認することが必要です。
職場を変えることも睡眠対策の一つ
生活習慣を改善しても、勤務の組み合わせや慢性的な残業が変わらなければ、睡眠不足が続くことがあります。
相談しても勤務が調整されない、休憩が取れない、体調不良を軽く扱われる場合は、異動や転職を考えてもよいでしょう。
介護職には、夜勤のある入所施設だけでなく、デイサービス、訪問介護、通所リハビリ、日勤中心の施設など、さまざまな働き方があります。
ただし、日勤のみなら必ず楽というわけではありません。送迎、入浴介助、訪問件数、残業、通勤時間なども含め、自分が安定して眠れる働き方かどうかで判断することが大切です。
睡眠を確保できない職場で無理を続けることは、根性の問題ではありません。安全に介護を続けるために、自分の体調を守れる環境を選ぶことも必要です。
介護職の睡眠不足は勤務と生活の両面から整える
この記事のまとめ
・介護職は交代制勤務や夜勤によって睡眠時間が乱れやすい
・睡眠時間だけでなく、起床時の疲労感や勤務中の眠気も確認する
・早番、遅番、夜勤ごとに帰宅後の過ごし方を調整する
・強い眠気がある状態では、介助や運転の安全を最優先にする
・生活習慣だけで改善しない場合は、シフトや業務量を相談する
・不眠や日中の眠気が続く場合は、医療機関へ相談する
・勤務を調整できない職場では、異動や転職も選択肢になる
介護職の睡眠不足は、早く寝る努力だけで解決できるとは限りません。勤務の並び方、残業、休憩の取り方、夜勤回数、通勤時間などが重なっている場合があります。
まずは睡眠と勤務の記録をつけ、どの働き方で負担が大きくなるのかを確認しましょう。そのうえで、生活習慣の調整、上司への相談、医療機関の受診、職場の見直しを順番に検討することが大切です。
眠れない状態を我慢し続けるのではなく、安全に働き続けるための問題として向き合いましょう。


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