介護職の職場では、職員同士の距離が近く、チームで協力して働く場面が多くあります。その一方で、職員同士のグループができ、「どちらの味方なのか」と立場を求められたり、派閥に入らないことで孤立したりするケースもあります。
「休憩中に悪口を聞かされる」「特定の職員と話すと態度を変えられる」「新人なのに人間関係の争いへ巻き込まれた」と悩んでいる人もいるでしょう。
介護の仕事では、職員間の関係が利用者さんへのケアや情報共有にも影響します。しかし、すべての人と親しくなったり、どこかのグループに所属したりする必要はありません。
この記事では、介護職の職場に派閥ができる原因や巻き込まれやすい場面、派閥に属さず働く方法、状況が改善しない場合の判断基準について解説します。
この記事でわかること
・介護職の職場に派閥ができやすい背景
・職員同士の対立へ巻き込まれる原因
・派閥に入らず中立を保つための対応
・悪口や情報収集を求められた時の断り方
・上司へ相談する時に整理しておく内容
・今の職場を続けるか離れるかの判断基準
介護職の職場で起こる「派閥」とはどのような状態か
仲のよいグループがあるだけなら問題とは限らない
介護職の職場では、勤務年数や年代、勤務時間帯などによって、自然に仲のよい職員同士が集まることがあります。
例えば、同じ時期に入職した職員、夜勤を一緒に担当することが多い職員、子育て中の職員などが親しくなるのは珍しくありません。休憩時間に会話をしたり、仕事の悩みを相談したりする程度であれば、必ずしも派閥とはいえません。
問題になるのは、特定のグループが仕事上の判断や人間関係に強く影響し、次のような状態になっている場合です。
- グループに入らない職員を無視する
- 気に入らない職員へ必要な情報を伝えない
- 特定の職員の悪口を広める
- シフトや担当業務を自分たちに有利にしようとする
- 上司の判断よりグループ内の意見が優先される
- 新人に対して味方になるよう求める
仲のよい職員同士がいることと、周囲を排除する派閥があることは別の問題です。グループが存在するだけで過度に警戒する必要はありませんが、業務に支障が出ている場合は注意が必要です。
「誰と話したか」で態度を変えられる
派閥が強い職場では、仕事の内容よりも「誰と親しくしているか」が重視されることがあります。
例えば、Aさんと話していただけでBさんから冷たくされたり、休憩を一緒に取っただけで「そちら側の人」と判断されたりするケースです。新人は職場内の関係を把握していないため、知らないうちに対立へ巻き込まれることもあります。
本来、介護現場では職員同士が必要な情報を共有し、利用者さんの安全を守らなければなりません。個人的な好き嫌いによって連携相手を選ぶ状態は、適切とはいえません。
誰と会話するかまで制限されるようになった場合は、単なる相性の問題ではなく、職場全体の人間関係に問題がある可能性を考えましょう。
情報共有やケアに影響する派閥は放置できない
職員同士の対立があっても、必要な申し送りや報告が行われているなら、すぐに大きな問題へ発展するとは限りません。
しかし、派閥争いによって情報が止められると、利用者さんの安全に影響する可能性があります。
例えば、以下のような状態です。
- 食事量や水分量の変化が共有されない
- 転倒リスクや体調変化が申し送られない
- ケア方法の変更を一部の職員しか知らない
- 他のグループが決めたことを意図的に実施しない
- 職員同士の不仲によって応援を頼みにくい
- 事故やヒヤリハットの報告が遅れる
介護職には、利用者さんの尊厳と安全を守る役割があります。職員同士の感情を理由に必要な連携を止めることは避けなければなりません。
見過ごさない方がよい状態
派閥の存在そのものより、情報共有や介助の安全性に影響しているかを確認しましょう。
利用者さんへのケアに支障がある場合は、個人同士だけで解決しようとせず、上司や管理者へ報告する必要があります。
介護現場で職員同士のグループが対立する背景
忙しさや人手不足で不満がたまりやすい
介護現場では、限られた人数で多くの業務を担当することがあります。入浴介助、排泄介助、食事介助、記録、ナースコール対応などが重なると、職員一人ひとりに余裕がなくなりやすいです。
余裕がない状態が続くと、業務分担や仕事の進め方に対する不満が生まれます。
「日勤ばかり楽をしている」「夜勤者の負担を分かっていない」「あの人は入浴介助に入らない」などの不満が、職員個人への攻撃に変わることもあります。
本来は管理者が業務量や人員配置を調整すべき問題でも、改善されない職場では、同じ不満を持つ職員同士が集まり、別の職員やグループを批判するようになる場合があります。
派閥の背景に、個人の性格だけでなく職場全体の負担や運営上の問題が隠れていることもあります。
介護方針や仕事の進め方が統一されていない
介護では、利用者さんの状態に応じて柔軟な対応が必要です。そのため、職員によって声かけや介助方法に多少の違いが出ることがあります。
ただし、施設としての方針が曖昧だと、職員同士が自分のやり方を正しいと考え、対立しやすくなります。
例えば、次のような意見の違いです。
- 利用者さん本人の希望をどこまで優先するか
- 転倒リスクがある人の行動をどこまで見守るか
- 排泄介助を行うタイミング
- ナースコールへの対応順序
- 新人への指導方法
- 記録へ残す内容や書き方
適切な介助方法や医療的な判断が必要な場合は、職員同士の感覚だけで決めてはいけません。上司、看護師、ケアマネジャー、リハビリ職などと確認し、チームとして対応をそろえる必要があります。
方針が統一されていない職場では、「自分たちのやり方を支持する人」を増やそうとして派閥が生まれることがあります。
勤続年数の長い職員へ権限が集中している
長く働いている職員は、利用者さんの状態や施設の流れをよく理解しており、現場に欠かせない存在になることがあります。
しかし、経験の長さが非公式な権力につながり、上司よりも強い影響力を持つようになると注意が必要です。
例えば、長年勤務している職員の許可を取らなければ仕事を進められない、気に入られない職員が不利な担当を任される、管理者も強く注意できないといった状態です。
経験者から学ぶことは大切ですが、勤続年数が長いからといって、他の職員を排除したり、業務上のルールを独自に決めたりしてよいわけではありません。
管理者が特定の職員へ依存している職場では、派閥が固定化しやすくなります。
管理者が人間関係の問題へ対応していない
職員同士の意見が違うこと自体は、どの職場でも起こり得ます。大切なのは、問題が起きた時に管理者が状況を確認し、公平に対応しているかです。
管理者が「本人同士で解決して」「昔からこうだから」と放置すると、声の大きい職員や人数の多いグループが有利になります。
さらに、管理者自身が特定のグループと親しくしている場合、相談した職員が不利益を受けることもあります。
| 職場の状態 | 派閥が強まりやすい理由 |
|---|---|
| 業務分担が曖昧 | 不公平感が職員同士への不満になりやすい |
| 指導方法が統一されていない | 指導者ごとに異なるグループができやすい |
| 管理者が問題を放置する | 排除や悪口が止められにくい |
| 長年勤務者への依存が強い | 非公式な権力関係が生まれやすい |
| 人手不足が続いている | 心身の余裕がなく対立が起きやすい |
| 評価基準が不透明 | 上司との距離や人間関係が評価に影響しやすい |
新人や中立の職員が派閥へ巻き込まれやすい場面
悪口を聞かされて同意を求められる
派閥へ巻き込まれるきっかけとして多いのが、特定の職員に対する悪口や不満を聞かされることです。
「あなたもそう思うでしょう」「あの人には気をつけた方がいい」「前の職場でも問題を起こしていたらしい」などと言われ、同意を求められることがあります。
その場を早く終わらせるために「そうですね」と合わせたくなるかもしれません。しかし、その発言が別の人へ伝わり、「あなたも悪口を言っていた」と扱われる可能性があります。
相手の話を完全に否定する必要はありませんが、事実を確認できない内容には加わらない方が安全です。
悪口を聞かされた時の返し方
「私にはまだ状況が分からないので、何とも言えません」
「仕事上のことで困っているなら、上司に確認した方がよさそうですね」
「その場を見ていないので、判断するのは控えます」
「私は必要な連携を取るようにします」
強く言い返すのではなく、評価や批判に参加しない姿勢を示すことが大切です。
「どちらの味方か」と立場を求められる
職員同士が対立している職場では、仕事上の相談をしただけでも「どちら側なのか」と判断されることがあります。
特に新人は、職場の事情を知らないため、それぞれのグループから情報を与えられやすい立場です。親切に仕事を教えてもらったことをきっかけに、特定のグループの一員として扱われる場合もあります。
ただし、仕事を教えてもらったことへの感謝と、その人の人間関係へ同調することは別です。
「誰の味方か」ではなく、次の基準で行動しましょう。
- 利用者さんの安全につながるか
- 施設のルールに沿っているか
- 上司や専門職へ確認できているか
- 記録や申し送りに残せる内容か
- 他の職員へ説明できる判断か
感情ではなく、業務上の基準で動くことで、中立を保ちやすくなります。
情報を集める役割にされる
「Aさんは何か言っていた?」「今日の会議ではどんな話になった?」「管理者は私のことをどう評価している?」など、他の職員の情報を聞かれることがあります。
一度でも詳しく答えると、情報を集める役割として期待される可能性があります。自分では雑談のつもりでも、派閥同士の対立に利用されるかもしれません。
会議や申し送りで共有された業務上の情報は、決められた方法で職員へ伝える必要があります。一方で、個人的な発言や噂を他の職員へ伝える必要はありません。
「業務に必要な内容は申し送りで確認してください」「個人的な話なので私からは伝えられません」と区切ることが大切です。
断りにくい人ほど頼まれやすい
周囲へ気を配れる人や、頼まれると断りにくい人は、派閥間の伝言役にされやすい傾向があります。
例えば、次のような依頼です。
- 「私が言ったことは内緒にして」
- 「代わりにあの人へ伝えて」
- 「今度の会議では私たちに賛成して」
- 「あの人とはあまり話さない方がいい」
- 「管理者へこう言っておいて」
すべてを断る必要はありませんが、個人的な争いへ関わる依頼は引き受けない方がよいでしょう。
巻き込まれやすさチェック
□ 悪口を聞いても、その場を収めるために同意してしまう
□ 職員同士の伝言を頼まれることが多い
□ 「内緒」と言われた話を抱えている
□ 特定の職員との会話を隠すようになっている
□ 人間関係を気にして報告相手を変えている
□ 業務よりも周囲の機嫌を優先している複数当てはまる場合は、すでに派閥の影響を受けている可能性があります。少しずつ業務上の関係へ戻していきましょう。
派閥に入らず働くための現実的な対処法
挨拶と報告は相手によって変えない
派閥から距離を置くためには、誰に対しても同じように接することが基本です。
特定の職員だけを避けたり、親しい職員にだけ情報を伝えたりすると、周囲から「どちらかのグループに入った」と見られやすくなります。
親しく雑談する必要はありませんが、以下の対応は相手によって変えないようにしましょう。
- 出勤時と退勤時の挨拶
- 介助前後の声かけ
- 必要な報告、連絡、相談
- 応援してもらった時のお礼
- ミスや変更があった時の共有
- 利用者さんに関する申し送り
中立でいるとは、誰とも関わらないことではありません。必要な連携を公平に取ることです。
苦手な職員がいても、業務上必要な情報は簡潔に伝えましょう。
噂話ではなく事実だけを扱う
派閥のある職場では、「聞いた話」と「実際に確認できた事実」が混ざりやすくなります。
例えば、「Aさんは仕事をしない」という話を聞いたとしても、勤務時間帯や担当業務が違えば、全体の仕事量は判断できません。
報告する時は、人物への評価ではなく、確認できた事実を整理します。
悪い伝え方は、次のような表現です。
- 「Aさんはいつも適当です」
- 「Bさんは利用者さんに嫌われています」
- 「あのグループは仕事をしません」
事実に基づく伝え方へ変えると、次のようになります。
- 「本日14時の排泄介助が実施されておらず、記録も確認できませんでした」
- 「利用者さんがBさんの介助時に拒否される場面が3回ありました」
- 「入浴介助の担当が予定表と異なっていたため、確認が必要です」
このように伝えると、個人攻撃ではなく業務改善の相談になります。
仕事上の判断は記録やルールを基準にする
職員によって指示が違う場合、誰に従うかで悩むことがあります。
その場合は、声の大きい職員や親しい職員の意見ではなく、施設のマニュアル、ケアプラン、申し送り、看護師や上司の指示などを基準にしましょう。
例えば、移乗方法や食事形態、服薬、医療的ケアに関する内容は、自己判断で変更してはいけません。分からない場合は、上司や看護師、担当専門職へ確認する必要があります。
「Aさんはこう言っていた」「Bさんは違う方法で行っている」という状態なら、次のように質問できます。
確認する時の伝え方
「職員によって対応方法が異なるため、施設としての方法を確認したいです」
「利用者さんの安全に関わるため、移乗方法を統一していただけますか」
「今後迷わないように、申し送りか記録へ残していただけると助かります」
個人同士の争いにせず、利用者さんの安全と対応の統一を目的に確認することが重要です。
無理に好かれようとしない
派閥のある職場では、嫌われないように周囲へ合わせ続けてしまう人もいます。
しかし、全員から好かれようとすると、それぞれのグループの話に同意しなければならず、かえって立場が不安定になります。
職場では、親友を作ることよりも、必要な連携が取れる関係を作ることが大切です。
- 挨拶をする
- 約束した業務を行う
- 分からないことは確認する
- ミスがあれば報告する
- 感謝と謝罪を言葉にする
- 個人情報や噂を広めない
これらを続けていれば、すべての人と親しくなくても、仕事上の信頼は積み重ねられます。
距離を置く時のポイント
急に無視したり、露骨に避けたりすると、新たな対立につながることがあります。
雑談や悪口への参加を少しずつ減らし、業務上必要な会話はこれまでどおり行いましょう。
派閥による嫌がらせや業務妨害がある時の相談方法
感情だけでなく具体的な出来事を整理する
派閥による嫌がらせを上司へ相談する時は、「つらい」「みんなに嫌われている」という気持ちだけでなく、具体的な出来事を整理すると伝わりやすくなります。
記録しておきたい内容は次のとおりです。
| 記録する内容 | 具体例 |
|---|---|
| 日時 | 7月10日、早番の申し送り後 |
| 場所 | 2階スタッフルーム |
| 関係者 | 自分、A職員、B職員 |
| 起きたこと | 自分にだけケア変更が共有されなかった |
| 業務への影響 | 古い方法で介助しそうになった |
| 自分の対応 | リーダーへ確認してから介助した |
| 希望する対応 | 変更事項を全職員へ共有してほしい |
記録は、相手を攻撃するためではありません。状況を正確に説明し、改善を求めるためのものです。
録音などを検討する場合は、職場の規程や法律上の扱いに注意が必要です。必要に応じて、労働相談窓口や専門家へ確認してください。
相談の目的を「安全な業務」に置く
上司へ相談する時、「Aさんを辞めさせてほしい」「あのグループを解散させてほしい」と求めても、すぐに対応されるとは限りません。
まずは、困っている事実と業務上の問題を伝えましょう。
例えば、次のように相談できます。
上司への相談例
「職員同士の関係について相談があります。特定の職員と話した後から、必要な申し送りが私にだけ共有されないことがありました。利用者さんへの対応に影響する可能性があるため、情報共有の方法を統一していただきたいです」
相談の目的を、個人的な好き嫌いではなく、利用者さんの安全や職員間の連携改善に置くと、管理者も対応を検討しやすくなります。
直属の上司が派閥に関わっている場合
直属の上司が特定のグループに属している場合、相談内容が相手へ伝わったり、公平に対応されなかったりする可能性があります。
その場合は、相談先を変えることも検討しましょう。
- 施設長や管理者
- 法人本部の相談窓口
- 人事担当者
- コンプライアンス窓口
- 労働組合
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー
- 外部の労働相談機関
ただし、相談先によって対応できる範囲は異なります。まずは就業規則や法人内の相談制度を確認してください。
暴力、脅迫、身体への接触、深刻なハラスメントなどがある場合は、職場内だけで解決しようとせず、外部機関や専門家への相談も検討する必要があります。
心身の不調がある時は早めに休む
派閥のある職場で常に周囲の反応を気にしていると、仕事が終わっても緊張が続きます。
次のような状態が続く場合は、無理をしないでください。
- 出勤前に吐き気や動悸がある
- 夜に眠れない
- 食欲が落ちた
- 休日も職場のことを考えてしまう
- 涙が止まらない
- 集中できず介助ミスが増えた
- 自分を強く責めてしまう
心身の不調については、自己判断だけで済ませず、医療機関や産業医などへ相談することが大切です。体調によっては、休職や勤務調整が必要になる場合もあります。
職場の人間関係に耐え続けることより、自分と利用者さんの安全を守ることを優先しましょう。
今の職場で続けるか転職するかを考える基準
改善する見込みがある職場かを見る
派閥があるからといって、すぐに退職しなければならないわけではありません。
職員同士の関係に問題があっても、上司が状況を把握し、情報共有の方法や業務分担を改善してくれるなら、働きやすくなる可能性があります。
次のような変化があるか確認しましょう。
- 上司が双方から事実確認をしている
- 申し送り方法が統一された
- 業務分担が明確になった
- 特定の職員だけを優遇しなくなった
- 定期的な面談が設けられた
- ハラスメントへの注意や研修が行われた
相談後も何も変わらず、むしろ嫌がらせが強くなる場合は、職場内での解決が難しい可能性があります。
利用者さんの安全まで損なわれていないか
続けるかどうかを判断するうえで重要なのは、派閥争いが利用者さんへのケアにどの程度影響しているかです。
職員同士の不仲があっても、業務上の連携が保たれている職場はあります。一方、必要な報告をしない、介助方法を意図的に変える、応援要請を無視するといった状態は危険です。
特に、以下の内容が共有されない職場は注意が必要です。
- 転倒や誤嚥のリスク
- 服薬や医療的な注意事項
- 食事形態や水分制限
- 移乗や入浴時の介助方法
- 皮膚状態や体調の変化
- 行動や認知症症状の変化
重大な事故につながる可能性がある場合は、記録を残して上司へ報告し、改善されなければ別の相談先も検討しましょう。
自分の努力だけでは変えられない問題もある
派閥に巻き込まれると、「自分のコミュニケーションが悪いのではないか」「もっと周囲に合わせるべきではないか」と考えてしまう人がいます。
もちろん、挨拶や報告の仕方を見直すことは大切です。しかし、長年続いている派閥や、管理者が黙認している人間関係を、一人の職員だけで変えることは簡単ではありません。
適切に仕事をしても無視される、相談したことで不利な扱いを受ける、必要な情報を何度も止められるような場合は、自分の努力不足だけが原因ではありません。
環境そのものに問題がある職場で、無理に耐え続ける必要はありません。
転職するなら人間関係以外の条件も確認する
派閥から離れるために急いで転職すると、次の職場でも別の問題に直面する可能性があります。
転職先を選ぶ時は、人間関係だけでなく、教育体制や勤務条件、業務内容も確認しましょう。
転職前の職場確認リスト
□ 職場見学で職員同士が挨拶しているか
□ 新人への指導担当が決まっているか
□ 分からないことを質問できる体制があるか
□ 申し送りやケア方法が統一されているか
□ 独り立ちまでの期間が設定されているか
□ 夜勤開始時期や同行回数を確認できるか
□ 退職者が続いている部署ではないか
□ 管理者が現場の状況を把握しているか
□ 残業時間や休憩の取り方を説明してもらえるか
□ ハラスメント相談窓口が用意されているか
面接では、派閥の有無を直接聞いても正確な回答を得にくいことがあります。
そのため、「新人が相談しやすい仕組み」「情報共有の方法」「職員の定着状況」など、職場の運営体制から判断することが現実的です。
派閥に振り回されず利用者さんと自分を守ろう
介護職の職場では、勤務年数や考え方の違いから職員同士のグループができることがあります。仲のよい職員同士が集まるだけなら問題ではありませんが、悪口、無視、情報の遮断などが起きている場合は注意が必要です。
派閥に入らず働くためには、すべての職員へ同じように挨拶し、必要な報告や連絡を行いましょう。噂話には加わらず、仕事上の判断は記録や施設のルール、上司や専門職の指示を基準にします。
派閥による嫌がらせや業務妨害がある時は、日時や出来事、業務への影響を整理して上司へ相談してください。直属の上司が対応しない場合は、施設長や法人本部、外部の労働相談窓口などへ相談する選択肢もあります。
この記事のまとめ
・仲のよいグループと、周囲を排除する派閥は分けて考える
・悪口や噂話へ同意すると、知らないうちに対立へ巻き込まれることがある
・誰に対しても挨拶と必要な情報共有を行い、中立的な対応を心がける
・介助方法やケア方針は、派閥ではなく記録や職場のルールを基準にする
・嫌がらせは日時や業務への影響を整理して、上司や相談窓口へ伝える
・相談しても改善せず心身や利用者さんの安全に影響するなら、転職も現実的な選択肢になる
介護職として大切なのは、職員同士の勢力争いで有利になることではありません。利用者さんへ安全なケアを提供し、自分も無理なく働き続けられることです。
派閥に属さなければ働けない職場や、必要な情報さえ共有されない職場に、我慢して居続ける必要はありません。まずはできる範囲で距離を取り、相談や記録を行い、それでも改善しない場合は自分に合う職場を探すことも検討しましょう。


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