介護職の転職を考えたとき、最初に迷いやすいのが、「在職中に転職活動を始めるべきか、それとも退職後に集中した方がよいのか」という問題です。
在職中であれば収入を保ちながら次の職場を探せますが、勤務や夜勤と並行して応募や面接を進めなければなりません。一方、退職後は時間を確保しやすいものの、転職先が決まるまで収入が途切れる不安があります。
どちらが正解かは、現在の心身の状態、貯蓄、勤務状況、転職を急ぐ理由によって変わります。周囲の意見だけで決めるのではなく、自分が安全に転職活動を続けられる方法を選ぶことが大切です。
この記事では、介護職の転職活動を在職中と退職後のどちらで進めるべきか、それぞれのメリット・デメリット、判断基準、後悔しない進め方を解説します。
この記事でわかること
・在職中に介護職の転職活動をするメリットと負担
・退職後に仕事を探すメリットと注意点
・在職中と退職後のどちらが向いているかを判断する基準
・働きながら無理なく求人を探す方法
・退職してから転職活動を始める場合の準備
・内定から退職、入職までをスムーズに進めるポイント
介護職の転職活動は在職中に始めるのが基本
収入を維持しながら職場を比較できる
介護職の転職活動は、可能であれば在職中に始める方が生活面のリスクを抑えやすいと考えられます。毎月の給料を受け取りながら求人を探せるため、転職先がすぐに決まらなくても、家賃や生活費に困りにくいからです。
退職後に収入がなくなると、「早く仕事を決めなければならない」という焦りが生まれやすくなります。その結果、教育体制や人員配置、夜勤回数などを十分に確認しないまま、最初に内定が出た職場へ入ってしまうことがあります。
在職中であれば、条件に合わない求人を断り、複数の職場を比較する余裕を持ちやすくなります。現在の職場に不満があっても、焦って同じような環境へ転職するリスクを下げられるでしょう。
ただし、心身の負担が大きく、勤務を続けること自体が難しい場合まで、在職中の活動にこだわる必要はありません。
基本的な考え方
心身に大きな問題がなく、数か月は現在の職場で働ける状態なら、在職中に求人探しを始める方法が現実的です。
一方、体調や安全に関わる問題がある場合は、転職活動よりも休養や退職を優先する選択肢があります。
経歴に空白期間ができにくい
在職中に次の職場を決めれば、退職日と入職日の間を短くできます。職歴に空白期間ができにくく、面接でも退職後の過ごし方を詳しく説明する必要がありません。
もちろん、空白期間があるだけで採用されなくなるわけではありません。介護職では、家庭の事情、体調の回復、資格取得、職場選びのために一定期間仕事を離れる人もいます。
それでも、空白期間が長くなるほど、面接で理由を聞かれる可能性は高くなります。在職中の転職であれば、「現在も介護職として勤務しており、経験を生かして次の職場を探している」と説明しやすいでしょう。
また、現場で働き続けているため、介助技術や業務感覚を維持しやすいことも利点です。
今の職場と求人条件を具体的に比べられる
働きながら転職活動をすると、現在の職場の条件を基準に求人を比較できます。
たとえば、次のような項目を具体的に見比べられます。
| 比較項目 | 現在の職場で確認すること | 求人で確認すること |
|---|---|---|
| 給料 | 基本給、手当、手取り | 基本給と各種手当の内訳 |
| 夜勤 | 回数、人数、休憩 | 開始時期、回数、夜勤体制 |
| 休日 | 年間休日、希望休 | 公休日数、有給休暇の取りやすさ |
| 残業 | 月の実績、持ち帰り業務 | 平均残業時間、記録方法 |
| 人員体制 | 日中・夜間の配置 | 配置人数、欠員の状況 |
| 教育 | 研修や相談体制 | 同行期間、独り立ちの基準 |
求人票に「月給26万円」と書かれていても、夜勤手当や処遇改善に関する手当を含んだ金額であれば、基本給は想像より低い可能性があります。
現在の給与明細や勤務表を確認しながら比較すると、転職後に条件が下がる失敗を防ぎやすくなります。
退職を急がず条件交渉ができる
在職中は、応募先から内定が出ても、条件に納得できなければ辞退できます。収入が続いているため、無理に妥協する必要がないからです。
特に介護職では、同じ施設形態でも、法人や事業所によって次のような違いがあります。
・夜勤に入るまでの期間
・夜勤1回あたりの手当
・処遇改善に関する支給方法
・資格手当の対象
・固定残業代の有無
・異動や兼務の可能性
・年間休日や希望休のルール
内定後は、労働条件通知書などの書面を確認し、求人票や面接時の説明と違いがないかを見ましょう。疑問点を残したまま退職届を出さないことが重要です。
在職中に転職活動をするデメリットと対処法
シフト勤務では面接日を調整しにくい
介護職は、早番、日勤、遅番、夜勤などの交代勤務が多く、一般的な平日勤務の仕事より面接時間を確保しにくいことがあります。
希望休を出す時点では面接日が決まっていない場合もあり、応募先との調整が難しくなります。夜勤明けに面接を入れると、疲労や寝不足によって集中できないこともあるでしょう。
応募先には、在職中であることを伝えたうえで、面接可能な日時を複数提示すると調整しやすくなります。
面接日を調整するときの伝え方
「現在、介護施設でシフト勤務をしております。〇日と〇日は終日、〇日は15時以降であれば面接可能です。難しい場合は、別の日程も調整いたします」
応募先によっては、夕方以降やオンライン面接に対応していることがあります。最初から無理だと決めつけず、採用担当者へ相談してみましょう。
疲れて求人を十分に確認できない
通常勤務に加えて、求人検索、応募書類の作成、面接準備を行うと、自由な時間が少なくなります。特に残業や夜勤が多い職場では、帰宅後に求人を見ても内容が頭に入らないことがあります。
疲れた状態で大量の求人へ応募すると、応募先の特徴を整理できず、面接で志望動機が曖昧になりやすいです。
転職活動では、短期間に多く応募するよりも、希望条件を絞り、確認すべき項目を決めてから求人を見ることが大切です。
在職中の求人確認リスト
□ 通勤時間は無理のない範囲か
□ 基本給と手当の内訳が分かるか
□ 夜勤の回数と開始時期を確認できるか
□ 年間休日と月の公休日数が書かれているか
□ 残業時間や記録業務の扱いを確認できるか
□ 欠員補充なのか増員募集なのか
□ 職場見学を申し込めるか
一度にすべてを進めず、休日に求人を比較し、勤務日は連絡への返信だけにするなど、作業を分けると続けやすくなります。
職場に転職活動を知られる不安がある
在職中の転職活動では、上司や同僚に知られないか心配になる人もいます。職場のパソコンで求人を検索したり、休憩室で応募先と電話したりすると、転職活動が伝わる可能性があります。
転職活動に使う連絡先は、個人の電話番号とメールアドレスに統一しましょう。応募書類や求人票を職場へ持ち込まないことも基本です。
転職サイトや転職エージェントを利用する場合は、電話可能な時間帯をあらかじめ指定すると、勤務中の連絡を減らせます。
また、応募先には「現在の勤務先へ連絡しないでほしい」と伝えておくと安心です。本人の許可なく勤務先へ在籍確認をするケースは一般的ではありませんが、不安な点は応募時に確認しましょう。
退職日と入職日の調整が必要になる
内定が出ても、すぐに退職できるとは限りません。介護現場では人手不足を理由に、引き継ぎや勤務表の都合で退職時期の調整を求められることがあります。
しかし、職場の事情だけで入職日を決めると、いつまでも退職できなくなる可能性があります。就業規則の退職手続きや申し出の期限を確認し、内定先にも現在の状況を正直に伝えましょう。
退職に関する法律上の扱いは、雇用契約の期間や働き方によって異なる場合があります。トラブルが予想されるときは、労働基準監督署、労働局の相談窓口、専門家などへ確認する方法もあります。
注意
内定が出ただけで、すぐに現在の職場へ退職を伝えるのは避けましょう。
給料、雇用形態、勤務時間、休日、勤務地、入職日などを、書面で確認してから退職手続きを進めることが大切です。
退職後に転職活動をするメリット
求人選びや面接準備に時間を使える
退職後は、勤務や夜勤を気にせず転職活動に集中できます。求人を比較する時間だけでなく、履歴書や職務経歴書の作成、面接練習、職場見学にも余裕を持ちやすくなります。
在職中は面接できる日が限られますが、退職後であれば応募先の予定に合わせやすいため、選考が早く進む可能性もあります。
複数の施設を見学し、職員の表情、利用者さんへの声かけ、施設内の清潔さなどを比較できることもメリットです。
ただし、時間があるからといって、目的を決めずに求人を見続けると、かえって迷いやすくなります。退職後も希望条件と活動期間の目安を決めておきましょう。
心身を休めてから次へ進める
介護職では、人手不足、夜勤、身体介助、人間関係などが重なり、疲れ切った状態で転職を考える人もいます。
強い疲労があるまま在職中の転職活動を始めても、求人を比較する力が残っていなかったり、面接で現在の不満ばかり話してしまったりすることがあります。
退職後に一定期間休養することで、自分が介護職を続けたいのか、施設形態を変えたいのか、別の職種を考えたいのかを整理しやすくなるでしょう。
睡眠不足、食欲低下、強い不安、気分の落ち込みなどが続いている場合は、転職活動を急ぐより、医療機関などへ相談することも必要です。体調については自己判断せず、医師などの専門職へ確認してください。
資格取得や学び直しをしやすい
退職後の期間を、初任者研修、実務者研修、介護福祉士の受験準備などに使う方法もあります。
資格を取得すれば必ず希望条件の職場へ転職できるわけではありませんが、応募できる求人が増えたり、資格手当の対象になったりする可能性があります。
また、認知症ケア、移乗介助、感染対策などを学び直し、自信を回復してから現場へ戻る人もいます。
ただし、資格取得には費用と期間がかかります。退職前に、受講料、通学日程、受講中の生活費、資格取得後に応募したい求人を確認しておきましょう。
すぐに入職できることが強みになる
退職後は、内定が出てから早く働き始められることがあります。急募の事業所や欠員補充では、入職可能時期が早い人を求めている場合があります。
面接では、「すぐ働けます」と伝えるだけでなく、入職前に確認したい条件も整理しておきましょう。
早く働けることが評価されても、職場見学や労働条件の確認を省いてはいけません。急募の背景が、単なる増員なのか、退職者が続いているためなのかによって、職場の状況は異なります。
退職後に転職活動をするデメリットと注意点
転職先が決まるまで収入が途切れる
退職後の転職活動で最も大きな問題は、毎月の給料がなくなることです。家賃、住宅ローン、食費、通信費、保険料などの支払いは、仕事を辞めても続きます。
失業等給付を受けられる場合もありますが、受給条件、手続き、支給開始時期などは退職理由や雇用保険の加入状況によって異なります。退職後すぐに、これまでの給料と同じ金額を受け取れるとは限りません。
制度の詳細は変更されることがあるため、退職前にハローワークなどの公的窓口で確認しましょう。
少なくとも、次の費用を整理してから退職することが大切です。
| 確認する費用 | 内容 |
|---|---|
| 毎月の生活費 | 家賃、食費、光熱費、通信費など |
| 退職後の保険 | 健康保険の切り替えや継続に関する費用 |
| 年金 | 退職後に必要となる手続きや負担 |
| 税金 | 住民税などの支払い |
| 転職活動費 | 交通費、証明写真、書類作成など |
| 予備費 | 病気、車の修理、急な支出など |
生活費の余裕が少ない場合は、退職前に求人を探し始める、短時間勤務へ変更する、家族へ相談するなど、収入が完全に途切れない方法も検討しましょう。
焦って条件の悪い職場を選びやすい
退職直後は時間に余裕があっても、無収入の期間が長くなるほど焦りが強くなります。
「どこでもよいから早く働きたい」と考えるようになると、求人票の月給だけを見て応募したり、見学せずに入職したりする可能性があります。
介護職は求人が多い地域もありますが、求人が多いことと、自分に合う職場がすぐ見つかることは別です。施設形態、勤務時間、身体介護の量、夜勤体制などを比較する必要があります。
退職後は、転職活動の期限を「何月までに決める」と定めるだけでなく、「譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けておくと判断しやすくなります。
条件整理の例
譲れない条件
・通勤時間は片道40分以内
・夜勤は月4回まで
・月給の内訳を書面で確認できる
・入職後の同行や研修がある調整できる条件
・施設形態
・入職日
・制服の種類
・月1回程度の土日勤務
生活リズムが崩れることがある
退職後は出勤時間がなくなるため、起床時間や就寝時間が不規則になることがあります。夜勤のある職場を退職した直後は、生活リズムを戻すまで時間がかかる人もいるでしょう。
生活リズムが崩れると、求人への応募や面接準備を先延ばしにしやすくなります。
休養期間を設ける場合でも、起床時間、求人を見る日、応募書類を作る日などを決めておくことが大切です。
たとえば、次のように予定を分ける方法があります。
・月曜日は新着求人を確認する
・火曜日は応募書類を作成する
・水曜日は応募や連絡を行う
・面接のない日は資格や介護技術を学ぶ
・週に1日は転職活動をしない日をつくる
転職活動だけで毎日を埋める必要はありません。休む日も予定に含めることで、長期化したときの疲れを防ぎやすくなります。
退職理由の説明を準備する必要がある
退職後の面接では、「なぜ次の職場を決める前に退職したのか」と聞かれることがあります。
前の職場への不満だけを話すと、「同じ理由ですぐ辞めるのではないか」と受け取られる可能性があります。事実を隠す必要はありませんが、今後どのように働きたいかまで伝えることが大切です。
たとえば、人手不足が理由だった場合は、次のように整理できます。
「前職では欠員が続き、利用者様一人ひとりに落ち着いて関わることが難しい状況でした。退職後に働き方を見直し、今後は人員体制や教育体制を確認したうえで、長く働ける職場を選びたいと考えています」
体調を崩して退職した場合は、業務に影響する範囲で現在の状態や就業上の配慮を伝える必要があります。どこまで説明するべきか迷う場合は、医師や支援機関などへ相談しましょう。
在職中と退職後のどちらを選ぶか判断する基準
収入と貯蓄に不安があるなら在職中
生活費への不安が強い場合は、在職中の転職活動が向いています。
退職すると、給料だけでなく、勤務先で加入していた社会保険などについても手続きが必要になります。想定より支出が増えることもあるため、貯蓄が少ない状態での退職は慎重に判断しましょう。
特に、一人暮らし、住宅ローンがある、家族を扶養しているなど、毎月一定の収入が必要な人は、内定後に退職する方が安心です。
ただし、現在の職場で健康や安全が守られない場合は、経済面だけで働き続けることが適切とは限りません。公的な相談窓口や家族などへ早めに相談してください。
心身が限界に近いなら退職や休職を優先する
出勤前に強い動悸がする、眠れない、食事が取れない、仕事中の集中力が大きく落ちているなどの状態では、転職活動と勤務を同時に進めることが難しい場合があります。
介護現場では、利用者さんの移乗、服薬に関する確認、食事介助、見守りなど、安全に関わる業務があります。強い疲労や体調不良を抱えたまま勤務を続けると、自分だけでなく利用者さんの安全にも影響する可能性があります。
このような場合は、退職だけでなく、休職、有給休暇、勤務調整なども選択肢です。利用できる制度は職場によって異なるため、就業規則を確認し、上司や人事担当者へ相談しましょう。
無理を続けない方がよいサイン
□ 睡眠や食事に大きな変化が出ている
□ 休日も仕事のことが頭から離れない
□ 通勤や出勤前に強い不安を感じる
□ ミスが急に増えている
□ 介助中に集中できないことがある
□ 涙が止まらない、気持ちが大きく落ち込む
□ 身体の痛みや体調不良が続いている
これらに当てはまるからといって、必ず退職すべきとは限りません。しかし、自分だけで判断せず、医療機関や職場の相談先へつなげることが大切です。
転職理由が明確なら在職中でも動きやすい
「給料を上げたい」「夜勤回数を減らしたい」「通勤時間を短くしたい」など、転職理由が明確な人は、在職中でも求人を絞りやすい傾向があります。
反対に、「とにかく今の職場から離れたい」という気持ちだけで活動を始めると、次の職場で何を確認すべきか分からなくなります。
まずは、現在の不満を次のように分けてみましょう。
| 現在の不満 | 次の職場で確認する条件 |
|---|---|
| 夜勤が多い | 夜勤回数、夜勤免除の可否 |
| 残業が多い | 平均残業時間、記録方法 |
| 人間関係がつらい | 職場見学、離職状況、相談体制 |
| 教育がない | 研修内容、同行期間 |
| 給料が低い | 基本給、手当、昇給実績 |
| 身体的にきつい | 介助量、福祉用具、人員配置 |
転職理由を求人条件へ置き換えると、同じ失敗を繰り返しにくくなります。
今の職場で活動時間を確保できるか考える
在職中に転職したくても、毎日の残業が多い、休日出勤がある、希望休が取れないなど、活動時間をまったく確保できない場合があります。
その場合は、次の順番で対策を考えます。
- 休日や勤務後に無理なく活動できるか確認する
- 有給休暇や希望休を活用できるか考える
- 転職エージェントなどに日程調整を依頼する
- 雇用形態や勤務時間を一時的に見直せるか相談する
- どうしても難しければ、退職後の活動を検討する
「在職中が正しい」と決めつけて、睡眠時間を削って活動する必要はありません。
判断の目安
・生活費の不安が大きい人は在職中が向きやすい
・心身の回復が必要な人は退職後が向きやすい
・希望条件が明確な人は在職中でも進めやすい
・勤務が過密で活動時間を取れない人は退職後も選択肢
・どちらの場合も、勢いだけで決めず準備してから動く
後悔しない介護職の転職活動の進め方
最初に転職の目的と期限を決める
まず、「今の職場を辞めたい理由」と「次の職場で実現したいこと」を整理します。
転職理由には、人間関係、給料、夜勤、身体的負担、通勤時間など、複数の問題が混ざっていることがあります。すべての条件を改善できる求人を探そうとすると、応募先が見つからなくなる可能性があります。
優先順位は、次の3段階に分けると整理しやすくなります。
・絶対に譲れない条件
・できれば満たしたい条件
・なくても困らない条件
転職活動の期間も決めましょう。在職中なら「3か月程度を目安に探す」、退職後なら「生活費を確認しながら〇月までに決める」など、無理のない期限を設けます。
期限は焦るためではなく、活動を振り返るための目安です。条件に合わない職場へ入るくらいなら、方法や希望条件を見直す方がよい場合もあります。
求人票だけでなく職場見学で確認する
介護職の働きやすさは、求人票だけでは分かりません。「未経験歓迎」「アットホームな職場」「残業少なめ」と書かれていても、具体的な基準は事業所によって異なります。
可能であれば、応募前または面接時に職場見学を申し込みましょう。
見学では、次の点を確認します。
職場見学で見るポイント
□ 職員が利用者さんへ落ち着いて声をかけているか
□ ナースコールが長時間鳴り続けていないか
□ 職員同士で挨拶や情報共有をしているか
□ 廊下や居室が整理されているか
□ 福祉用具が適切に使われているか
□ 質問に対して具体的に説明してもらえるか
□ 見学中の職員が極端に疲れて見えないか
見学した時間帯だけで職場のすべてを判断することはできません。それでも、説明と現場の様子が大きく違わないかを確認する材料になります。
面接では働き方を具体的に質問する
面接は、採用されるためだけの場ではありません。応募者が職場を確認する場でもあります。
特に介護職の転職では、次の内容を質問しておくと、入職後のギャップを減らせます。
面接で確認したい質問
「入職後は、どのような業務から担当しますか?」
「独り立ちまでの研修や同行期間を教えていただけますか?」
「夜勤は入職後どのくらいで始まり、最初は何回同行しますか?」
「日勤帯と夜勤帯は、それぞれ何名体制ですか?」
「月の平均的な夜勤回数と残業時間を教えていただけますか?」
「記録は勤務時間内に終えられる体制でしょうか?」
「欠員補充と増員のどちらの募集でしょうか?」
質問したときに、具体的な回答があるかも確認しましょう。「入ってから考える」「人による」といった説明だけで終わる場合は、入職後の流れが整っていない可能性があります。
内定条件を確認してから退職を申し出る
在職中に内定を得た場合は、すぐに退職を申し出るのではなく、提示された条件を書面で確認します。
確認する主な項目は、次のとおりです。
・雇用形態と契約期間
・基本給と手当の内訳
・固定残業代の有無
・勤務時間と休憩時間
・休日とシフトのルール
・夜勤回数と夜勤手当
・試用期間中の条件
・勤務地と異動の範囲
・入職予定日
口頭で「月給は〇万円程度」と説明されても、実際には夜勤を一定回数行った場合の金額であることがあります。入職後に条件の違いが判明しないよう、分からない点は採用担当者へ確認しましょう。
退職日が確定していない場合は、応募先へ「現職との調整後に正式決定したい」と伝えます。入職日を無理に約束すると、現在の職場と転職先の両方に迷惑をかける可能性があります。
まとめ
介護職の転職活動は、生活面に大きな問題がなければ、在職中に始める方が収入を維持でき、求人を落ち着いて比較しやすくなります。
ただし、心身が限界に近い、勤務が過密で転職活動の時間を取れない、一定期間の休養が必要といった場合は、退職後に活動する方法もあります。
大切なのは、在職中と退職後のどちらが一般的かではなく、自分の健康と生活を守りながら、条件を確認できる方法を選ぶことです。
この記事のまとめ
・生活費に不安がある場合は、在職中の転職活動が向いている
・在職中なら収入を維持しながら複数の職場を比較できる
・心身が限界に近い場合は、退職や休養を優先する選択肢もある
・退職後に活動するなら、生活費や保険、税金などを事前に確認する
・求人票だけで判断せず、職場見学や面接で人員体制と教育体制を確認する
・内定後は労働条件を書面で確認してから退職手続きを進める
現在の職場がつらいと、できるだけ早く辞めたいと感じることがあります。しかし、急いで転職先を決めると、同じ悩みを抱える職場へ入ってしまうこともあります。
在職中に少しずつ求人を見る、退職前に生活費を計算する、職場見学で現場を確認するなど、できる準備から始めましょう。介護職は、施設形態や法人によって働き方が大きく異なります。今の職場が合わないからといって、介護の仕事そのものが合わないとは限りません。
一人で判断するのが難しい場合は、家族、信頼できる同僚、公的な相談窓口などへ相談しながら、自分にとって無理のない転職方法を選ぶことが大切です。


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