介護職で同僚と合わない時はどうする?関係がつらい理由と無理しない対処法を解説

介護施設の中庭で少し距離を置いて周囲を見つめる職員と、奥で自然に会話する同僚たちが描かれた、職場での人間関係の距離感を表すイラスト 7-1.上司・同僚

介護職として働いていると、仕事内容そのものよりも、同僚との関係につらさを感じることがあります。

「考え方がまったく合わない」「話しかけても冷たい」「一緒の勤務になるだけで緊張する」と悩みながら働いている人も少なくありません。

介護現場では、職員同士の連携が利用者さんの安全や生活に直結します。そのため、合わない相手とも関わらなければならず、距離を置くだけでは解決できないこともあります。

ただし、同僚と気が合わないことと、介護職に向いていないことは別の問題です。相手との付き合い方を見直したり、上司へ相談したりすることで、負担を減らせる場合があります。

この記事では、介護職で同僚と合わないと感じる理由、関係を悪化させない接し方、相談するときのポイント、今の職場を続けるか判断する基準を解説します。

この記事でわかること

・介護職で同僚と合わないと感じやすい理由
・気が合わないことと職場トラブルの違い
・合わない同僚と無理なく働くための接し方
・上司へ相談するときの伝え方
・我慢を続けない方がよい職場の特徴
・異動や転職を考えるときの判断基準

  1. 介護職で同僚と合わないと感じるのは珍しくない
    1. 介護に対する考え方が違う
    2. 仕事の速さや優先順位が合わない
    3. 年齢や経験年数による価値観の差がある
    4. 少人数で距離を取りにくい
  2. 「性格が合わない」と「我慢してはいけない問題」を分けて考える
    1. 性格や会話の相性が合わない場合
    2. 業務上の連携が取れない場合
    3. 無視や悪口などが続いている場合
    4. 利用者さんへの不適切な対応がある場合
  3. 合わない同僚と関係を悪化させずに働く方法
    1. 会話を業務上必要な内容に絞る
    2. 相手の行動を決めつけない
    3. 指摘するときは利用者さんと業務を主語にする
    4. 二人だけで解決しようとしすぎない
  4. 上司へ相談するときは「相手が嫌い」だけで終わらせない
    1. 起きたことを具体的に整理する
    2. 自分の希望も伝える
    3. 相談後の変化を確認する
    4. 感情的な場面ではその場を離れる
  5. 無理を続けない方がよい職場のサイン
    1. 相談しても「どこでもある」と片づけられる
    2. 特定の職員だけが強い権限を持っている
    3. 心身への影響が強くなっている
    4. 利用者さんへの対応にも影響が出ている
  6. 同僚と合わないことを理由に転職してもよいのか
    1. 相手一人の問題か職場全体の問題かを考える
    2. 転職先では人間関係だけでなく仕組みを見る
    3. 面接や見学で職員同士の様子を確認する
    4. 転職は逃げではなく環境を選び直す方法
  7. まとめ

介護職で同僚と合わないと感じるのは珍しくない

介護職は、異なる年齢や経歴、介護観を持つ職員が一緒に働く仕事です。

同じ利用者さんを支援していても、声かけの方法、仕事の優先順位、記録の書き方などに違いが出ます。仕事に対する考え方が違えば、「この人とは合わない」と感じる場面が増えることもあります。

まずは、同僚と合わない理由を整理してみましょう。

介護に対する考え方が違う

介護職には、それぞれが大切にしている介護観があります。

たとえば、利用者さん自身の動作を待つことを重視する職員もいれば、業務を時間内に終わらせることを優先する職員もいます。

どちらか一方が必ず間違っているとは限りません。しかし、自分と異なる対応を目にすると、次のような不満を感じることがあります。

・利用者さんへの声かけが強い
・介助を急ぎすぎているように見える
・仕事が遅く、周囲への負担が増えている
・業務効率ばかりを優先している
・利用者さんの希望を聞きすぎて予定が遅れている

このような違いが積み重なると、相手の仕事全体を否定的に見るようになりやすいです。

ただし、利用者さんの安全や尊厳に関わる対応については、個人の相性だけで片づけてはいけません。対応に不安を感じた場合は、自己判断で注意するのではなく、リーダーや上司に確認することが大切です。

仕事の速さや優先順位が合わない

介護現場では、決められた時間内に多くの業務を進める必要があります。

排泄介助、食事介助、入浴介助、服薬確認、記録、申し送りなどが重なると、職員同士の動き方が合わないだけで負担を感じることがあります。

たとえば、次のような違いです。

違いが出やすい場面感じやすい不満
ナースコールへの対応「いつも自分ばかり対応している」
記録を入力する時間「忙しい時間に記録を始めている」
休憩に入る順番「周囲を見ずに休憩へ行く」
介助の進め方「急ぎすぎる」「時間をかけすぎる」
残っている業務への対応「自分の担当以外を手伝わない」

相手に悪気がなくても、自分の負担が増えていると感じれば、関係は悪くなりやすくなります。

一方で、相手も自分に対して同じような不満を持っている可能性があります。感情だけで判断せず、業務分担や優先順位が明確になっているかを確認する必要があります。

年齢や経験年数による価値観の差がある

介護現場では、未経験で入った若い職員と、長年働いているベテラン職員が同じチームになることがあります。

経験年数が長い職員は、過去の経験をもとに素早く判断できる反面、新しい方法を受け入れにくいことがあります。未経験者や経験の浅い職員は、研修で学んだ方法を大切にする一方で、現場の状況に合わせた判断が難しい場合があります。

その結果、次のようなすれ違いが起きます。

・「前からこの方法でやっている」と言われる
・質問すると面倒そうな反応をされる
・若い職員の意見を聞いてもらえない
・新しい職員から従来の方法を否定されたと感じる
・経験者と未経験者で仕事量に差がある

経験年数の違いそのものが問題なのではありません。相手の立場や経験を尊重せず、一方的に否定する関係になっていることが問題です。

少人数で距離を取りにくい

介護施設では、同じフロアやユニットの職員と長時間一緒に働くことがあります。

一般的な職場であれば、気の合わない人と必要以上に関わらずに済むこともあります。しかし介護職では、移乗介助を二人で行ったり、休憩を交代したり、申し送りをしたりするため、完全に関係を避けるのは困難です。

夜勤では少人数になるため、苦手な同僚と二人だけで勤務することもあります。

覚えておきたいこと

合わない相手と距離を取れないからといって、無理に仲良くなる必要はありません。
介護職に必要なのは、親しい関係ではなく、利用者さんの安全を守るために必要な連携ができる関係です。

「性格が合わない」と「我慢してはいけない問題」を分けて考える

同僚への違和感をすべて人間関係の相性として処理すると、深刻な問題を見逃す可能性があります。

一方で、単に性格が合わないだけなのに相手を悪い人だと決めつけると、関係がさらに悪化します。

何が起きているのかを、具体的な行動で整理してみましょう。

性格や会話の相性が合わない場合

話し方や性格が合わないこと自体は、どの職場でも起こります。

たとえば、次のような違いです。

・会話が少なく、反応が冷たく感じる
・細かいことを何度も確認する
・雑談が多く、仕事に集中しにくい
・はっきり意見を言うため怖く感じる
・慎重すぎて仕事が進まない
・冗談の感覚が合わない

この場合、無理に相手を変えようとするよりも、業務に必要なやり取りへ絞った方が負担を減らせます。

相手が無口だからといって、自分を嫌っているとは限りません。忙しさや緊張から、返事が短くなっている可能性もあります。

苦手意識が強くなると、相手のすべての行動を悪く受け取りやすくなります。まずは「事実」と「自分が感じたこと」を分けて考えてみましょう。

業務上の連携が取れない場合

性格が合わなくても、必要な報告や協力ができていれば、業務を続けられることがあります。

しかし、次のような状態は相性だけの問題ではありません。

・利用者さんの状態変化を申し送らない
・依頼した業務を理由なく放置する
・介助中に必要な協力を拒否する
・服薬や食事量などの重要情報を共有しない
・質問しても必要な方法を教えない
・職員によって指示内容を変える

利用者さんの安全に影響する可能性があるため、個人間だけで抱え込まないことが重要です。

相手を責めるのではなく、いつ、どの業務で、どの情報が共有されなかったのかを記録し、上司へ相談しましょう。

相談が必要な目安

「嫌な人だから相談する」のではなく、業務や利用者さんへの影響を基準に考えます。
申し送り不足や介助方法の不統一によって事故の危険がある場合は、早めの共有が必要です。

無視や悪口などが続いている場合

挨拶をしても繰り返し無視される、必要な情報を自分だけ伝えてもらえない、他の職員の前で悪口を言われるといった行為が続く場合は注意が必要です。

一度だけ返事がなかったのであれば、聞こえていなかった可能性もあります。しかし、対象が自分だけであり、意図的な行為が継続している場合は、職場の人間関係における問題として相談した方がよいでしょう。

特に、次のような状況は我慢を続けないことが大切です。

・自分だけ申し送りから外される
・必要な物品の場所を教えてもらえない
・失敗を必要以上に言いふらされる
・他の職員に話しかけないよう働きかけられる
・人格を否定する言葉を繰り返し言われる
・退職するよう遠回しに迫られる

こうした状況では、本人同士で話し合うことで悪化する可能性もあります。日時、場所、発言、周囲にいた職員などを記録し、上司や施設の相談窓口へ伝える方法があります。

利用者さんへの不適切な対応がある場合

同僚と合わないと感じる原因が、利用者さんへの対応にあることもあります。

怒鳴る、乱暴に介助する、本人の前で悪口を言うなどの行為を見た場合は、「考え方の違い」で済ませてはいけません。

ただし、その場で感情的に相手を責めると、状況の確認が難しくなることがあります。利用者さんに差し迫った危険がある場合は安全確保を優先し、その後で上司、看護師、管理者などへ報告します。

自分だけで虐待かどうかを判断しようとせず、職場の報告手順に沿って対応してください。

合わない同僚と関係を悪化させずに働く方法

同僚と合わないとき、無理に相手を好きになる必要はありません。

目指したいのは、親しい関係ではなく、仕事に必要な連携を安定して取れる状態です。

感情的な負担を減らしながら働くために、接し方を調整してみましょう。

会話を業務上必要な内容に絞る

苦手な相手と雑談を続けようとすると、必要以上に疲れてしまうことがあります。

無理に距離を縮めるのではなく、報告・連絡・相談を中心に、簡潔で分かりやすい会話を意識しましょう。

たとえば、次のように伝えます。

・「○○さんの食事量は半分でした」
・「15時ごろから右膝の痛みを訴えています」
・「排泄介助がまだなので、記録後に対応します」
・「この移乗方法で合っているか確認をお願いします」
・「私はこちらを対応するので、○○をお願いできますか」

主語や期限が曖昧だと、相手によって受け取り方が変わります。「誰が、何を、いつ行うか」を具体的にすると、不要な衝突を減らしやすくなります。

挨拶や返事は続けながら、個人的な話題へ無理に入らない距離感でも問題ありません。

相手の行動を決めつけない

同僚から短い返事をされたとき、「嫌われている」「怒っている」と決めつけてしまうことがあります。

しかし、実際には次のような理由かもしれません。

・ナースコールが続いて焦っている
・利用者さんの体調変化が気になっている
・別の業務について考えている
・体調が悪い
・もともと返事が簡潔な性格である

もちろん、つらい対応を我慢する必要はありません。ただし、相手の意図を想像だけで判断すると、こちらも緊張した態度になり、関係が悪化しやすくなります。

「冷たくされた」と感じたときは、「返事が短かった」という事実と、「嫌われている気がした」という感情を分けてみましょう。

指摘するときは利用者さんと業務を主語にする

相手の対応に意見を伝える必要があるときは、「あなたのやり方は間違っている」と言わないようにします。

人物を主語にすると、相手は責められたと感じやすくなります。利用者さんの状態や業務上の確認を主語にすると、話し合いやすくなります。

たとえば、次のように言い換えます。

避けたい伝え方伝え方の例
「いつも報告してくれませんよね」「状態変化が分かるように、対応後に共有してもらえると助かります」
「介助が雑です」「○○さんが不安そうだったので、声をかけてから動かす方法で統一しませんか」
「仕事が遅いです」「この後の入浴に間に合うよう、役割を分けてもよいですか」
「自分ばかり大変です」「ナースコール対応が重なっているので、一部お願いできますか」

利用者さんの介助方法について意見が分かれた場合は、個人間で結論を出さず、リーダーや看護師などに確認しましょう。

二人だけで解決しようとしすぎない

「自分たちの問題だから」と考え、苦手な相手と二人だけで何度も話し合おうとすると、関係が悪化することがあります。

すでに感情的な対立がある場合は、話の内容よりも言い方や表情が気になり、冷静な話し合いが難しくなります。

次のような場合は、第三者に入ってもらう方が安全です。

・過去に話し合っても改善しなかった
・相手が強い口調になりやすい
・こちらが緊張して意見を言えない
・事実関係について認識が異なる
・利用者さんの安全に関わる
・勤務調整や業務分担の変更が必要になる

無理のない関係づくり

□ 挨拶と返事は一定にする
□ 報告は具体的な事実を伝える
□ 必要のない雑談には無理に入らない
□ 介助方法の違いは上司に確認する
□ 相手の感情を推測だけで決めつけない
□ 二人で難しい問題は第三者へつなぐ

上司へ相談するときは「相手が嫌い」だけで終わらせない

同僚との関係について相談したくても、「悪口だと思われそう」「自分が我慢すべきかもしれない」と迷う人もいます。

しかし、関係の悪化によって報告ができない、勤務中に強い緊張が続く、利用者さんへの対応に影響が出ている場合は、相談する理由があります。

相談するときは、相手の性格ではなく、具体的な行動と業務への影響を伝えましょう。

起きたことを具体的に整理する

相談前に、次の内容を整理しておくと伝わりやすくなります。

・いつ起きたか
・どの場所で起きたか
・どのような言葉や行動があったか
・その場に誰がいたか
・業務や利用者さんにどのような影響が出たか
・これまで自分がどのように対応したか
・どのような支援を希望しているか

たとえば、「○○さんが怖いです」だけでは、上司も対応方法を決めにくくなります。

「7月10日の遅番で、○○さんの食事量について確認したところ、『自分で見れば分かる』と言われ、必要な情報を確認できませんでした。同じことが今月3回あり、申し送りに不安があります」と伝えると、問題が具体的になります。

相談内容をメモにまとめておくと、緊張しても説明しやすくなります。

自分の希望も伝える

上司へ相談するときは、相手を注意してほしいという要望だけでなく、自分がどう働きたいかも伝えましょう。

考えられる希望には、次のようなものがあります。

・業務分担を明確にしてほしい
・申し送り方法を統一してほしい
・二人だけの夜勤を一時的に避けてほしい
・話し合いに第三者として同席してほしい
・別のフロアへの異動を検討してほしい
・介助方法をチーム全体で確認してほしい

すべての希望が通るとは限りません。しかし、具体的な希望があれば、上司も調整方法を考えやすくなります。

上司への相談例

「○○さんとの勤務で、必要な申し送りを受けられないことが続いています。
相性だけの問題として我慢していましたが、利用者さんの状態把握に影響することが心配です。
個人同士での解決が難しいため、申し送りの方法や役割分担について相談させてください」

相談後の変化を確認する

一度相談しただけですぐに状況が改善するとは限りません。

上司から相手へ注意があったとしても、一時的に態度が変わるだけの場合があります。相談後も、どのような変化があったかを確認しましょう。

・必要な情報共有が行われるようになったか
・無視や強い言い方が減ったか
・業務分担が明確になったか
・同じ勤務での緊張が軽くなったか
・利用者さんへの影響が減ったか

改善が見られない場合は、再度相談します。「前回相談した内容が現在も続いている」と伝え、次の対応を確認してください。

直属の上司へ相談しにくい場合や、上司自身が問題に関わっている場合は、施設長、人事担当者、法人の相談窓口など、別の相談先を検討します。

感情的な場面ではその場を離れる

勤務中に強い口調で責められたり、言い争いになりそうになったりした場合は、その場ですべてを解決しようとしないことも大切です。

ただし、介助中に突然その場を離れると利用者さんの安全に影響します。まず安全を確保し、必要であれば近くの職員へ交代を依頼します。

その後で、「今は冷静に話せないため、リーダーを交えて確認したいです」と伝える方法があります。

相手の言葉に反応して強く言い返すと、後から双方に問題があったと判断される可能性があります。つらいときほど、第三者がいる場所で話すことを意識しましょう。

無理を続けない方がよい職場のサイン

同僚と合わなくても、相談や業務調整によって働きやすくなる職場はあります。

一方で、問題を相談しても放置される、職員同士の攻撃的な関係が当たり前になっている職場では、自分だけが努力しても改善しにくいことがあります。

次のような状態が続いている場合は、異動や転職も含めて考えてよいでしょう。

相談しても「どこでもある」と片づけられる

人間関係の悩みは多くの職場で起こります。しかし、どこでも起こることと、放置してよいことは同じではありません。

次のような返答だけで対応が終わる職場には注意が必要です。

・「あの人は昔からああいう性格だから」
・「あなたが合わせるしかない」
・「介護現場ではよくあること」
・「気にしすぎではないか」
・「忙しいから仕方がない」

相談内容を確認せず、具体的な対応を考えてもらえない場合、今後も同じ問題が繰り返される可能性があります。

特に、利用者さんの安全に関わる申し送り不足や、不適切な介助について相談しても対応がない場合は、職場全体の管理体制に問題があるかもしれません。

特定の職員だけが強い権限を持っている

役職者ではないベテラン職員が、実質的に職場のルールを決めているケースがあります。

その人に気に入られなければ希望休が通りにくい、勤務中に必要な情報をもらえない、他の職員も逆らえないといった状態では、健全な連携が難しくなります。

経験豊富な職員の意見を尊重することは大切です。しかし、管理者が問題行動を把握しても注意できない状態は別です。

新人が短期間で次々と辞めている場合や、職員が一人の顔色を見ながら働いている場合は、職場見学や面接だけでは分からない問題があることも考えられます。

心身への影響が強くなっている

同僚と合わない状態が続くと、勤務時間外にも仕事のことを考えるようになることがあります。

次のような変化が出ている場合は、我慢を続けないことが大切です。

・出勤前に動悸や吐き気がある
・相手と同じ勤務の日に眠れない
・休日も仕事のことが頭から離れない
・食欲が大きく変化した
・仕事中に集中できずミスが増えた
・自分には価値がないと考えるようになった
・涙が止まらないことがある

体調不良が続く場合は、勤務先への相談だけでなく、必要に応じて医療機関などの専門家へ相談してください。

有給休暇や休職制度を利用して、一度職場から距離を取る方法もあります。限界まで働いてから判断しようとすると、回復に時間がかかる場合があります。

利用者さんへの対応にも影響が出ている

同僚への不満や緊張が強くなると、利用者さんへの対応にも余裕がなくなることがあります。

たとえば、相手との勤務を早く終わらせたい気持ちから介助を急ぐ、報告しにくいため小さな状態変化を抱え込むといった状況です。

これは、自分の介護技術が不足しているというより、職場環境によって適切な判断が難しくなっている可能性があります。

環境を見直す目安

□ 相談しても具体的な対応がない
□ 必要な申し送りが行われない状態が続いている
□ 特定の職員による無視や悪口が放置されている
□ 出勤前や勤務中に強い体調不良が出る
□ 利用者さんへの対応に集中できない
□ 異動を希望しても理由なく拒否される
□ 退職者が多く、常に人手不足である

複数の項目に当てはまり、相談しても改善しない場合は、今の職場だけにこだわる必要はありません。

同僚と合わないことを理由に転職してもよいのか

人間関係を理由に転職すると、「次の職場でも同じことが起こるのではないか」と不安になることがあります。

確かに、どの職場にも考え方の違う人はいます。しかし、違いを調整できる職場と、問題を放置する職場では働きやすさが大きく異なります。

転職する場合は、単に嫌な人から離れるだけでなく、自分が働きやすい条件を整理しましょう。

相手一人の問題か職場全体の問題かを考える

異動や転職を決める前に、問題の範囲を整理します。

特定の同僚一人との関係だけが問題であり、上司が対応してくれる場合は、勤務調整や部署異動で解決する可能性があります。

一方で、次のような場合は職場全体の問題かもしれません。

・複数の職員が新人を無視する
・悪口や陰口が日常的にある
・管理者も強い職員に従っている
・介助方法が職員ごとに異なり、確認しても統一されない
・質問すると責められる
・問題が起きるたびに退職者へ責任を押しつける

職場全体の雰囲気や管理体制に問題がある場合は、部署が変わっても同じ悩みが続く可能性があります。

転職先では人間関係だけでなく仕組みを見る

求人票に「アットホームな職場」「職員同士の仲がよい」と書かれていても、実際の関係までは分かりません。

人間関係は入職後に変化するため、「仲がよいか」だけで判断するのではなく、問題が起きたときに調整できる仕組みがあるかを確認しましょう。

確認したいこと見るポイント
新人教育指導担当者が決まっているか
介助方法手順書やマニュアルがあるか
情報共有申し送りや記録の方法が統一されているか
相談体制誰に相談すればよいか明確か
配置変更異動や勤務調整を相談できるか
職員の定着短期間で退職する人が多くないか

教育体制や業務ルールが整っている職場では、職員同士の考え方が違っても調整しやすくなります。

面接や見学で職員同士の様子を確認する

職場見学では、利用者さんへの対応だけでなく、職員同士の関わり方も確認します。

見るポイントは次のとおりです。

・職員同士で挨拶をしているか
・質問した職員に対して冷たい反応をしていないか
・忙しい職員を周囲が手伝っているか
・利用者さんの前で職員の悪口を言っていないか
・管理者が現場の状況を把握しているか
・新人らしい職員が孤立していないか

一度の見学だけですべてを判断することはできません。それでも、職員が常に険しい表情をしている、見学者の前でも強い口調が目立つといった職場は慎重に検討した方がよいでしょう。

面接で確認したい質問

「職員間で介助方法について意見が違った場合、どのように確認していますか?」
「新人が仕事や人間関係で困ったときの相談先を教えてください」
「入職後の指導担当者は決まっていますか?」
「職員の配置変更や異動を相談することは可能ですか?」
「最近入職した方は、どのくらいの期間で独り立ちしていますか?」

転職は逃げではなく環境を選び直す方法

同僚と合わないことだけで辞めるのは甘えではないかと考える人もいます。

しかし、必要な相談をしても改善せず、心身や利用者さんへの対応に影響が出ているのであれば、環境を変えることには理由があります。

大切なのは、感情が強くなった日に勢いで退職するのではなく、次の職場で何を重視するかを整理することです。

・少人数のユニットを避けたい
・教育担当者がいる職場を選びたい
・申し送り方法が明確な職場がよい
・夜勤の組み合わせを相談できる職場がよい
・管理者が現場に関わっている施設がよい
・職場見学ができる求人を選びたい

現在の職場で感じたつらさは、次の職場を選ぶための判断材料になります。

まとめ

介護職で同僚と合わないと感じることは珍しくありません。

介護に対する考え方、仕事の速さ、優先順位、経験年数などが違えば、同じ業務をしていてもすれ違いが起こります。

ただし、無理に仲良くする必要はありません。挨拶や報告を一定にし、業務に必要な連携を取れる関係を目指すことが現実的です。

一方で、無視や悪口、情報共有の拒否、不適切な介助が続いている場合は、単なる相性の問題ではありません。具体的な出来事と業務への影響を整理し、上司や管理者へ相談しましょう。

この記事のまとめ

・介護職では介護観や仕事の進め方の違いから、同僚と合わないことがある
・気が合わなくても、必要な連携が取れていれば無理に親しくなる必要はない
・相手の性格ではなく、具体的な行動と業務への影響を整理することが大切
・無視や情報共有の拒否が続く場合は、一人で抱え込まず上司へ相談する
・相談しても改善せず、心身や利用者さんへの対応に影響する場合は環境を見直す
・転職先では人間関係の良さだけでなく、教育体制や相談の仕組みを確認する

同僚と合わないからといって、介護職そのものが合わないとは限りません。

特定の人との関係がつらいのか、部署の仕組みに問題があるのか、職場全体の雰囲気が合わないのかを分けて考えてみましょう。

自分だけが我慢し続けるのではなく、相談、勤務調整、異動、転職などを含めて、利用者さんにも自分にも無理のない働き方を選ぶことが大切です。

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