介護職の夜勤では、日中より職員の人数が少ない中で利用者さんを見守ります。
そのため、ナースコールが何度も鳴ると、「また呼ばれた」「対応が追いつかない」「急変だったらどうしよう」と不安になりやすいものです。
特に未経験者や夜勤に慣れていない人は、ナースコールの多さだけで「自分は夜勤に向いていないのでは」と感じることもあります。
ただ、ナースコールが多い夜勤は、介護職の能力だけで解決できる問題ではありません。利用者さんの状態、職場の人員体制、夜間のルール、看護師との連携、建物の構造など、さまざまな要素が関係します。
この記事では、介護職の夜勤でナースコールが多い時につらく感じる理由、落ち着いて対応するための考え方、職場で確認したいポイントを解説します。
この記事でわかること
・介護職の夜勤でナースコールが多い時につらくなる理由
・ナースコールが鳴った時に落ち着いて対応する流れ
・急ぐべきコールと確認しながら対応すべきコールの違い
・夜勤中に一人で抱え込まないための相談ポイント
・ナースコールが多すぎる職場で確認したいこと
・夜勤が合わないと感じた時の働き方の見直し方
夜勤でナースコールが多いとつらく感じるのは自然なこと
夜間は少人数で対応するため負担が大きくなりやすい
介護職の夜勤では、日中よりも職員数が少なくなります。
日中であれば、近くにほかの職員や看護師、リーダーがいて、すぐに相談できる場面も多いです。しかし夜勤では、フロアを少人数で見守ったり、施設によっては一人で担当したりすることもあります。
その状態でナースコールが何度も鳴ると、精神的な負担は大きくなります。
「今行っている介助を中断して向かうべきか」
「別の利用者さんの見守りも必要なのにどうしよう」
「このコールは急ぎなのか、少し待っても大丈夫なのか」
このような判断が続くため、夜勤のナースコールは単に回数が多いだけでなく、判断の連続がつらさにつながりやすいのです。
ナースコール対応が苦手だからつらいのではなく、夜勤という環境そのものが緊張しやすい時間帯だと考えておきましょう。
コールが重なると優先順位に迷いやすい
夜勤で特につらいのは、ナースコールが同時に複数鳴る時です。
一人の利用者さんのトイレ介助中に別の部屋からコールが鳴る。さらにセンサーも反応する。こうした状況では、慣れている介護職でも焦ります。
ナースコールには、すぐに対応が必要なものもあれば、少し状況確認をしてから対応できるものもあります。ただ、未経験者や夜勤に慣れていない人にとっては、その判断が難しいものです。
たとえば、次のような場面では迷いやすくなります。
・トイレ希望のコール
・体位変換や布団の調整希望
・不安や寂しさによるコール
・転倒リスクがある利用者さんからのコール
・体調不良を訴えるコール
・何度も同じ内容で鳴るコール
特に転倒リスクが高い人、認知症がある人、体調が不安定な人からのコールは、自己判断だけで済ませないことが大切です。
夜勤中の判断ポイント
ナースコールが重なった時は、「早く全部こなす」よりも、危険度の高いものから対応する意識が大切です。
判断に迷う場合は、夜勤リーダー、看護師、オンコール体制など、職場のルールに沿って確認しましょう。
「また鳴った」と感じる自分を責めなくていい
ナースコールが多い夜勤が続くと、利用者さんに対してイライラしてしまうことがあります。
「さっきも行ったのに」
「少しは寝てほしい」
「一晩中これが続くのか」
このように感じてしまい、あとから自己嫌悪になる人もいます。
もちろん、利用者さんにきつい態度を取ってよいわけではありません。ナースコールは利用者さんにとって、助けを求める大切な手段です。
ただし、介護職も人間です。休憩が取れない、仮眠ができない、記録も終わらない、ほかの業務も重なるという状況では、気持ちに余裕がなくなるのは自然なことです。
大切なのは、イライラした自分を責め続けることではなく、なぜ余裕がなくなっているのかを整理することです。
利用者さんの状態によるものなのか、夜勤者の人数が少なすぎるのか、コール対応のルールが曖昧なのか。原因によって、必要な対策は変わります。
ナースコールが多い夜に落ち着いて対応する基本の流れ
まずは「急変・転倒・離床リスク」を意識する
ナースコールが鳴った時、最初に意識したいのは「急ぎの可能性があるか」です。
夜勤では、眠気や疲れもあり、すべてのコールに同じ感覚で対応してしまいがちです。しかし、利用者さんの状態によっては、すぐに確認が必要な場合があります。
特に注意したいのは、次のようなコールです。
・息苦しさ、胸の痛み、強い痛みの訴え
・転倒した、動けないという訴え
・トイレに一人で行こうとしている可能性
・ベッドセンサーや離床センサーと同時に鳴っている
・普段あまり鳴らさない人からのコール
・いつもと違う声や様子がある
このような時は、「いつものコールだろう」と決めつけず、早めに確認することが大切です。
医療的な判断が必要な場合は、介護職だけで判断せず、看護師や夜間の連絡体制に従って報告しましょう。
すぐに行けない時は声かけや状況確認をする
ナースコールが鳴っても、すぐに部屋へ行けない場面はあります。
たとえば、別の利用者さんの排泄介助中、転倒リスクの高い人の対応中、緊急性のある場面などです。
そのような時は、可能であればインターホン越しに声をかけ、内容を確認します。
「どうされましたか?」
「今、別の方の対応中なので、少しお待ちいただけますか?」
「トイレですね。危ないので、職員が行くまでベッドで待っていてくださいね」
このように、短くても反応があるだけで、利用者さんの不安が少し落ち着くことがあります。
ただし、施設の設備によっては会話ができないナースコールもあります。その場合は、職場のルールに沿って対応する必要があります。
声かけのコツ
夜間のナースコールでは、長く説明するよりも、短く・落ち着いた声で・安全に関わることを優先して伝えるのがポイントです。
焦った声になると、利用者さんも不安になりやすいため、まず自分の声のトーンを整えましょう。
部屋に入ったら「用件」だけでなく全体を見る
ナースコール対応では、利用者さんの用件を確認するだけでなく、部屋全体の状況も見ることが大切です。
たとえば、「水が飲みたい」というコールでも、実際に訪室すると布団がずれて寒そうにしていたり、ベッド柵の位置が危なかったり、ポータブルトイレ周りが乱れていたりすることがあります。
夜勤中は、次のような点をさっと確認します。
・利用者さんの表情や呼吸の様子
・ベッド上の姿勢
・布団や衣類の乱れ
・ベッド柵やセンサーの状態
・床に物が落ちていないか
・ポータブルトイレや靴の位置
・失禁や汚染の有無
もちろん、毎回長時間かけて確認する必要はありません。ほかのコールが鳴っている時は、優先順位も必要です。
ただ、用件だけを済ませてすぐ退室すると、あとから転倒や不快感につながることもあります。短時間でも安全確認をセットにする意識を持つと、夜勤中の不安を減らしやすくなります。
対応後は記録や申し送りに残す
ナースコールが多い夜は、対応するだけで精一杯になり、記録や申し送りが後回しになりやすいです。
しかし、何度もコールが鳴る利用者さんについては、内容を残しておくことが大切です。
たとえば、次のような情報は申し送りに役立ちます。
| 記録したい内容 | 申し送りで役立つ理由 |
|---|---|
| コールの回数が多かった時間帯 | 眠れない時間や不安が出やすい時間がわかる |
| コールの内容 | トイレ、不安、痛み、体位調整など原因を整理できる |
| 対応後の様子 | 落ち着いたのか、再度コールがあったのか確認できる |
| いつもと違う様子 | 体調変化や認知症症状の変化に気づきやすい |
| 転倒リスクにつながる行動 | ケア方法や環境調整の見直しにつながる |
「ナースコールが多かった」だけでは、次の勤務者が状況をつかみにくいです。
「23時頃からトイレ希望のコールが3回あり、いずれも介助で対応。歩行時ふらつきあり」
「2時以降、不安の訴えでコールが複数回あり。声かけで一時落ち着くが再度あり」
このように、簡潔でも具体的に残すことで、日勤帯の職員や看護師が対策を考えやすくなります。
ナースコールが増えやすい理由を知っておく
トイレや排泄の不安で何度も鳴ることがある
夜勤中のナースコールで多い理由の一つが、トイレや排泄に関するものです。
高齢者施設では、夜間にトイレへ行きたい利用者さんがいます。排泄のタイミングは人によって違い、眠りが浅い人や不安が強い人は、何度もコールを押すことがあります。
また、失禁を気にして早めに呼ぶ人もいれば、尿意がはっきりしないまま「トイレに行きたい気がする」と訴える人もいます。
介護職側からすると、何度も同じ対応が続くため大変です。しかし、利用者さんにとって排泄は尊厳に関わる大切なことです。
対応する時は、急かす言い方ではなく、できるだけ落ち着いた声かけを心がけましょう。
ただし、夜間の頻回なトイレ希望には、転倒リスクや体調変化が関係している場合もあります。回数が急に増えた場合や、痛み、発熱、尿の異常などがある場合は、看護師や上司に報告が必要です。
認知症や不安感でコールが続く場合もある
認知症がある利用者さんの場合、夜間に不安が強くなり、ナースコールが増えることがあります。
「ここはどこ?」
「家に帰りたい」
「誰かいる?」
「眠れない」
「さっき呼んだのに来ていない」
このような訴えが続くと、介護職は疲弊しやすくなります。
夜は周囲が静かになり、照明も暗くなるため、利用者さんが不安を感じやすい時間帯です。昼夜逆転やせん妄のような状態が関係することもあります。
介護職だけで対応方法を抱え込むのではなく、日中の様子、服薬、睡眠状況、生活リズムなども含めてチームで確認することが大切です。
対応に迷う時の視点
ナースコールが多い利用者さんを「困った人」と見るのではなく、何か不安や不快感があるのかもしれないと考えると、対応の糸口が見つかりやすくなります。
ただし、介護職一人で解決しようとせず、職場全体で共有することが必要です。
環境が合わずに眠れないこともある
ナースコールが多い理由は、利用者さん本人の性格や認知症だけではありません。
環境が合わず、眠れないことでコールが増える場合もあります。
たとえば、次のようなことが影響します。
・部屋が暑い、寒い
・布団が重い、ずれている
・体の向きがつらい
・口が渇く
・周囲の音が気になる
・照明が暗すぎる、明るすぎる
・ポータブルトイレや必要物品が遠い
・ナースコールの位置がわかりにくい
利用者さん自身がうまく説明できない場合、「なんとなく不安」「眠れない」という形でコールが続くこともあります。
夜勤の介護職ができることには限界がありますが、体位、室温、寝具、物品の位置などを整えるだけで落ち着く場合もあります。
コールが多い人ほど、訪室時に環境を確認しておくと、同じコールの繰り返しを減らせることがあります。
体調変化のサインとして増えることもある
普段あまりナースコールを押さない利用者さんが、急に何度も押すようになった場合は注意が必要です。
「眠れない」
「落ち着かない」
「何か変」
「トイレに行きたい」
「体が痛い」
このような訴えの裏に、発熱、脱水、便秘、尿路感染、痛み、呼吸苦、血圧変動などが隠れていることもあります。
もちろん、介護職が医療的な診断をすることはできません。だからこそ、「いつもと違う」と感じた時は、観察した事実を看護師や上司に報告することが大切です。
報告する時は、主観だけでなく、具体的な変化を伝えます。
・いつからコールが増えたか
・何を訴えているか
・顔色や呼吸はどうか
・発汗や痛みの訴えはあるか
・食事や水分、排泄の状況はどうか
・バイタル測定の指示がある職場なら数値はどうか
夜勤中の不安を減らすためにも、「変だと思ったら早めに共有する」姿勢を持っておきましょう。
ナースコール対応で介護職が疲れすぎないための工夫
すべてを完璧にこなそうとしない
夜勤中にナースコールが多いと、すべてにすぐ対応できない自分を責めてしまうことがあります。
しかし、介護職一人で複数の利用者さんを見ている以上、すべてのコールに同時対応することはできません。
大切なのは、完璧にこなすことではなく、危険度を見ながら対応することです。
・転倒につながる可能性がある
・体調不良の訴えがある
・普段と様子が違う
・介助なしで動くと危険
・センサー反応と重なっている
このような場合は優先度が高くなります。
一方で、すぐに命に関わる可能性が低い内容でも、放置してよいわけではありません。声かけを入れる、順番を伝える、対応後に状態を整えるなど、できる範囲で安全と安心を保つことが大切です。
「よく鳴る人」のパターンを把握する
ナースコールが多い利用者さんには、ある程度パターンがある場合があります。
たとえば、次のような傾向です。
| コールの傾向 | 考えられる背景 | 対応のヒント |
|---|---|---|
| 消灯直後に多い | 不安、寝つきにくさ | 寝る前の声かけや環境調整 |
| 深夜にトイレ希望が多い | 排泄リズム、眠りの浅さ | 就寝前の排泄誘導や申し送り |
| 明け方に増える | 起床時間の勘違い、不安 | 時間を伝え、安心できる声かけ |
| 体位調整の希望が多い | 痛み、寝苦しさ | クッションや寝具の確認 |
| 何度も同じ訴えがある | 認知症、不安感 | 対応方法をチームで統一 |
パターンがわかると、「また鳴った」と受け止めるだけでなく、「この時間帯は不安が出やすいのかもしれない」と考えやすくなります。
これは介護職個人の努力だけではなく、日勤帯を含めたチームでの情報共有が重要です。
先回りできるケアを無理のない範囲で行う
ナースコールが多い夜勤では、先回りのケアが役立つことがあります。
たとえば、就寝前にトイレ誘導を行う、布団やクッションの位置を整える、水分やティッシュの位置を確認する、ナースコールを手の届く場所に置くなどです。
こうした小さな準備で、夜間のコールが少し減ることもあります。
ただし、先回りしすぎて介護職の負担が増えすぎるのはよくありません。
夜勤は巡視、排泄介助、体位変換、記録、清掃、朝の準備など、ナースコール以外の業務もあります。すべてを先回りしようとすると、休憩も取れなくなります。
無理なくできる先回りケア
□ 就寝前にトイレ希望の有無を確認する
□ ナースコールを手元に置く
□ 眼鏡、補聴器、ティッシュなど必要物品を整える
□ 布団や室温を確認する
□ 転倒しやすい物が床にないか見る
□ 不安が強い人には短く声をかけてから退室する
先回りの目的は、介護職が楽をすることだけではありません。利用者さんが安全に過ごしやすくなることにもつながります。
イライラした時は一呼吸置いてから入室する
ナースコールが何度も鳴ると、どうしても表情や声に疲れが出ることがあります。
しかし、利用者さんの部屋に入る時に強い口調になってしまうと、相手の不安が増え、さらにコールが増えることもあります。
入室前にできるだけ一呼吸置き、声のトーンを整えましょう。
「どうしましたか」
「大丈夫ですよ、確認しますね」
「危ないので、動かず待っていてくださいね」
このように短く伝えるだけでも、雰囲気は変わります。
もちろん、毎回理想通りに対応できるわけではありません。疲れが限界に近い時は、気持ちだけで乗り切ろうとせず、リーダーや上司に相談することも必要です。
ナースコール対応でつらいと感じるのは、介護職として弱いからではありません。疲れがたまる前に周囲へ共有することも、夜勤を続けるための大切なスキルです。
一人で抱え込まないために職場で確認したいこと
夜勤中の連絡ルールを確認しておく
ナースコールが多い夜に不安が強くなる原因の一つは、「どこまで自分で判断すればよいのかわからない」ことです。
特に夜勤に入り始めたばかりの人は、看護師への連絡基準、上司への報告基準、救急対応の流れなどを事前に確認しておく必要があります。
確認しておきたい内容は、次の通りです。
・体調不良の訴えがあった時の報告先
・転倒や転落があった時の対応手順
・発熱や嘔吐、痛みの訴えがある時の流れ
・夜間オンコールの使い方
・救急要請が必要な時の判断手順
・家族連絡が必要な場合のルール
・記録や事故報告書の書き方
これらが曖昧なまま夜勤に入ると、ナースコールのたびに不安が大きくなります。
夜勤前に確認したい質問
「夜間に体調不良の訴えがあった場合、誰に連絡すればよいですか?」
「ナースコールが重なった時の優先順位は、職場として決まっていますか?」
「転倒リスクが高い利用者さんの夜間対応で注意する点はありますか?」
「急変時のマニュアルはどこで確認できますか?」
聞くことは恥ずかしいことではありません。むしろ、確認せずに自己判断する方が危険につながる場合があります。
ナースコールが多い利用者さんの情報を共有する
ナースコールが多い利用者さんについては、夜勤者だけで抱え込まないことが大切です。
夜だけ見ると「何度も呼ぶ人」に見えるかもしれませんが、日中の様子と合わせて見ると原因が見えてくることがあります。
たとえば、日中に昼寝が多い、夕方から不穏になりやすい、排便が出ていない、家族面会後に不安が強くなる、服薬変更があったなどです。
夜勤中の様子を申し送り、日勤帯でも確認してもらうことで、対応方法を検討しやすくなります。
介護職だけでなく、看護師、ケアマネジャー、生活相談員、リハビリ職などが関わることで、環境調整やケアプランの見直しにつながる場合もあります。
「夜勤の自分がうまく対応できない」と考えるのではなく、利用者さんの夜間の状態をチームに伝える役割と考えると、気持ちが少し軽くなります。
対応方法が職員によって違うとコールが増えることもある
ナースコール対応では、職員ごとに対応が違いすぎると、利用者さんが混乱することがあります。
ある職員はすぐに対応する。別の職員は長く待たせる。ある職員はトイレに連れて行く。別の職員は「さっき行ったから」と断る。
このように対応がバラバラだと、利用者さんの不安が強くなったり、何度も確認するためにコールが増えたりすることがあります。
もちろん、すべての対応を完全に同じにすることはできません。夜勤の状況や利用者さんの体調によって判断は変わります。
ただ、基本的な方針は共有しておくと安心です。
・トイレ希望が頻回な時の対応
・不安によるコールへの声かけ
・センサー反応時の優先順位
・体位変換のタイミング
・眠れない時の対応
・看護師へ報告する基準
対応方法を統一することで、介護職の負担だけでなく、利用者さんの不安も減らしやすくなります。
夜勤の人員体制そのものに無理がないか見る
どれだけ工夫しても、ナースコールの多さに対して夜勤者の人数が明らかに足りない場合もあります。
たとえば、転倒リスクが高い利用者さんが多い、認知症で夜間不穏になりやすい人が多い、重度介助の人が多い、看取り対応や急変リスクがある人がいる。こうした状況で夜勤者が少なすぎると、個人の努力だけでは限界があります。
ナースコールが多い職場で確認したいのは、次のような点です。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 夜勤者の人数 | 利用者数や介護度に対して無理がないか |
| 看護師の体制 | 常駐かオンコールか、連絡しやすいか |
| 休憩・仮眠 | 実際に取れているか、形だけになっていないか |
| センサーや設備 | コール対応を助ける環境があるか |
| 教育体制 | 新人夜勤に同行や振り返りがあるか |
| 申し送り | 夜間の困りごとが共有されているか |
「自分が頑張れば何とかなる」と考え続けると、心身の疲れがたまりやすくなります。
夜勤体制に無理がある場合は、上司に相談する、夜勤回数を見直す、働き方を変えるなどの選択も必要です。
ナースコールが多い夜勤が続く時の働き方の見直し方
夜勤がつらい原因を分けて考える
介護職の夜勤でナースコールが多いと、「夜勤が無理」「介護職が向いていない」と一気に考えてしまうことがあります。
しかし、つらさの原因は一つではありません。
次のように分けて考えると、自分に必要な対策が見えやすくなります。
・ナースコールの回数が多すぎる
・急変や転倒への不安が強い
・一人夜勤が怖い
・休憩や仮眠が取れない
・夜勤明けに疲れが抜けない
・職場に相談しづらい
・教育が不十分なまま夜勤に入っている
・夜勤回数が多く生活リズムが崩れている
同じ「夜勤がつらい」でも、原因によって対策は違います。
ナースコール対応の不安であれば、同行夜勤や対応手順の確認で軽くなることがあります。一方で、人員不足や休憩が取れないことが原因なら、個人の努力だけでは改善しにくいです。
夜勤回数や担当フロアを相談する
ナースコールが多い夜勤が続いている場合は、夜勤回数や担当フロアについて相談できるか確認してみましょう。
特に未経験者や夜勤に入ったばかりの人が、いきなり負担の大きいフロアを担当すると、精神的に追い込まれやすくなります。
相談する時は、「つらいです」だけでなく、具体的に伝えると状況が共有されやすくなります。
たとえば、次のような伝え方です。
相談例
「夜勤中にナースコールが重なると、優先順位の判断に不安があります。対応の流れをもう一度確認させていただけますか?」
「〇〇様の夜間コールが多く、転倒リスクもあり不安です。対応方法を統一したいので相談したいです。」
「夜勤明けの疲れが強く、体調面が心配です。夜勤回数について相談できますか?」
感情だけで伝えるのではなく、困っている場面と相談したい内容をセットにすると、上司も対応を考えやすくなります。
職場選びでは夜勤の実態を確認する
これから介護職に応募する人や転職を考えている人は、求人票の条件だけで夜勤を判断しないようにしましょう。
求人票には「夜勤あり」「夜勤手当あり」と書かれていても、実際の負担は職場によって大きく違います。
確認したいのは、夜勤手当の金額だけではありません。
・夜勤は月に何回あるか
・夜勤は何人体制か
・一人夜勤か複数夜勤か
・看護師は夜間常駐かオンコールか
・休憩や仮眠は実際に取れるか
・ナースコールが多い時間帯はあるか
・未経験者はいつから夜勤に入るか
・同行夜勤は何回あるか
・急変時や転倒時のマニュアルはあるか
面接で聞きにくいと感じる人もいますが、夜勤の実態は働きやすさに大きく関わります。
応募前チェックリスト
□ 未経験者の夜勤開始時期が明確か
□ 同行夜勤や研修があるか
□ 夜勤中に相談できる相手がいるか
□ ナースコールが多い利用者さんへの対応方針があるか
□ 休憩・仮眠が実際に取れる体制か
□ 急変時の連絡ルールが整っているか
□ 夜勤回数が生活リズムに合っているか
「夜勤手当が高いから」という理由だけで選ぶと、ナースコールや急変対応の負担で後悔することもあります。
夜勤なしの働き方も選択肢に入れてよい
介護職を続けたいけれど、夜勤のナースコールがどうしてもつらいという人もいます。
その場合、夜勤を続けられない自分を責める必要はありません。介護職には、夜勤なしの働き方もあります。
たとえば、デイサービス、訪問介護の日中帯、日勤のみの施設求人、パート勤務などです。職場によっては、正社員でも夜勤なしの募集がある場合もあります。
もちろん、夜勤なしにすると収入が下がることもあります。夜勤手当がなくなるため、月給や年収への影響は確認が必要です。
それでも、体調を崩したり、強い不安を抱えたまま働き続けたりするより、自分に合う働き方を探す方が長く続けやすい場合もあります。
介護職は、夜勤ができる人だけの仕事ではありません。自分の体調や生活に合う働き方を選ぶことも、介護を続けるための大切な判断です。
まとめ:ナースコールが多い夜勤は一人で抱え込まず、対応の流れと職場体制を確認しよう
ナースコールの多さは個人の努力だけでは解決しにくい
介護職の夜勤でナースコールが多いと、心身ともに疲れやすくなります。
少人数で対応する夜勤では、コールが重なるだけでも焦ります。さらに、転倒リスクや体調不良の可能性があると、判断の負担も大きくなります。
そのため、ナースコールが多い夜勤をつらいと感じるのは自然なことです。
大切なのは、「自分が弱いから」「向いていないから」と決めつけることではありません。利用者さんの状態、夜勤体制、連絡ルール、教育体制などを含めて考える必要があります。
落ち着いて対応するには優先順位と共有が大切
ナースコールが鳴った時は、すべてを同じ緊急度で考えるのではなく、危険度を意識することが大切です。
特に、転倒リスク、急変の可能性、普段と違う様子がある場合は早めの確認が必要です。
一方で、すぐに行けない時は声かけをする、対応後に記録へ残す、申し送りで共有するなど、チームで対応できる形にしていくことも重要です。
夜勤中の判断に迷う場面は、介護職だけで抱え込まず、看護師や上司、夜勤リーダーに確認しましょう。
夜勤が合わない時は働き方を見直してもよい
ナースコールが多い夜勤が続き、休憩も取れず、体調や気持ちに限界を感じている場合は、働き方を見直すことも必要です。
夜勤回数の相談、担当フロアの変更、同行夜勤の追加、対応方法の共有などで改善する場合もあります。
それでも難しい場合は、夜勤なしの介護職や日勤中心の職場を選ぶ方法もあります。
介護職として働き続けるためには、無理を重ねるだけでなく、自分に合う環境を選ぶことも大切です。
この記事のまとめ
・介護職の夜勤でナースコールが多いとつらく感じるのは自然なこと
・ナースコール対応では、転倒リスクや急変の可能性を優先して考える
・何度も鳴るコールには、不安、排泄、環境、体調変化などの背景がある
・対応内容は記録や申し送りで共有し、一人で抱え込まない
・夜勤中の連絡ルールや看護師への報告基準を確認しておくことが大切
・夜勤が合わない場合は、夜勤回数や働き方を見直してもよい


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