介護職として働くなら、できれば給料の高い施設を選びたいと考える人は多いです。
同じ介護職でも、特養、有料老人ホーム、老健、デイサービス、グループホームなど、働く施設によって月給や手当のつき方は変わります。
ただし、給料が高い施設=必ず働きやすい職場とは限りません。夜勤の有無、身体介護の量、職員配置、残業、教育体制なども合わせて見ないと、入職後に「思っていた働き方と違った」と感じることがあります。
この記事では、介護職の給料が施設でどれくらい違うのか、職場別の収入差が生まれる理由、給料だけで失敗しない施設選びのポイントを解説します。
この記事でわかること
・介護職の給料が施設によって違う理由
・特養、老健、有料老人ホーム、デイサービスなどの収入差
・給料が高くなりやすい施設の特徴
・給料だけで職場を選ぶときの注意点
・求人票で確認したい手当や夜勤条件
・自分に合う施設を選ぶための判断ポイント
介護職の給料は施設によって違う
同じ介護職でも施設形態で月給に差が出る
介護職の給料は、どの施設で働くかによって差が出ます。
介護の仕事といっても、入居施設、通所施設、訪問介護では、働き方が大きく違います。夜勤がある施設もあれば、日勤中心の施設もあります。身体介護が多い職場もあれば、送迎やレクリエーション、見守りが中心になりやすい職場もあります。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所における介護職員の平均給与額について、サービス種類別のデータが示されています。たとえば月給・常勤の介護職員では、全体平均が338,200円、介護老人福祉施設が361,860円、介護老人保健施設が352,900円、通所介護事業所が294,440円などとなっています。
ここでいう平均給与額は、基本給だけではありません。基本給に手当、一時金の一部を含めた金額です。つまり、求人票の「基本給」だけを見ても、実際の収入は判断しにくいということです。
確認しておきたいこと
介護職の給料を見るときは、基本給だけでなく、夜勤手当、資格手当、処遇改善手当、賞与、残業代まで含めて確認することが大切です。
給料が高い施設には理由がある
介護職の給料が施設によって違う背景には、仕事内容や勤務条件の違いがあります。
たとえば、入居施設では24時間体制で利用者さんを支えるため、夜勤があります。夜勤に入れば夜勤手当がつくため、月収は上がりやすくなります。一方で、生活リズムが崩れやすく、体力的な負担も大きくなります。
また、特養や老健のように介護度が高い利用者さんが多い施設では、排泄介助、入浴介助、移乗介助、食事介助などの身体介護が多くなりやすいです。その分、現場経験は積みやすいですが、未経験者にとっては慣れるまで負担を感じる場面もあります。
反対に、デイサービスのような通所系の施設は、夜勤がないことが多く、生活リズムを整えやすい働き方がしやすいです。ただし、夜勤手当がない分、入居施設より月給が低く見えることがあります。
つまり、介護職の給料差は、単に「施設が良い・悪い」で決まるものではありません。仕事内容、勤務時間、夜勤、手当、介護度、法人の方針が組み合わさって決まると考えるとわかりやすいです。
平均給与と自分の手取りは同じではない
施設別の平均給与を見るときに注意したいのは、平均給与と自分の手取りは違うという点です。
平均給与には、手当や一時金が含まれている場合があります。また、常勤者の平均であれば、経験年数が長い人、資格を持っている人、役職についている人も含まれます。そのため、未経験で入職したばかりの人が、いきなり平均と同じ給料になるとは限りません。
実際に受け取る手取りは、額面の給料から社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税などが引かれた金額です。求人票で月給が高く見えても、手取りでは思ったより少なく感じることもあります。
特に未経験者は、最初から夜勤に入らない場合があります。夜勤が始まるまで夜勤手当がつかないため、入職直後の給料は求人票のモデル月収より低くなることがあります。
| 見る項目 | 注意したいポイント |
|---|---|
| 基本給 | 賞与や昇給の計算に影響しやすい |
| 夜勤手当 | 回数によって月収が大きく変わる |
| 処遇改善手当 | 毎月支給か一時金支給か確認する |
| 資格手当 | 初任者研修、実務者研修、介護福祉士で差がある |
| 賞与 | 年何回、何か月分、基本給ベースかを見る |
| 残業代 | 固定残業代の有無や実際の残業時間を確認する |
給料を比べるときは、月給の数字だけでなく、自分が入職した直後に実際いくら受け取れそうかを考えることが大切です。
施設別に見る介護職の給料の特徴
特養は給料が高めになりやすいが身体介護も多い
特養は、介護老人福祉施設とも呼ばれます。要介護度の高い利用者さんが多く生活している入居施設です。
特養では、食事、排泄、入浴、移乗、更衣、口腔ケア、見守り、記録など、生活全体を支える介護が中心になります。24時間体制の施設なので、正社員や常勤職員は夜勤に入ることが多いです。
夜勤手当がつくこと、身体介護の量が多いこと、介護職員としての専門性が求められることから、介護職の給料は比較的高めになりやすい傾向があります。厚生労働省の調査でも、月給・常勤の介護職員における介護老人福祉施設の平均給与額は361,860円と示されています。
ただし、未経験者にとっては、最初から覚えることが多い職場でもあります。利用者さんの介護度が高い場合、移乗介助や排泄介助で不安を感じることもあります。自己判断で介助を進めるのではなく、先輩職員や看護師に確認しながら慣れていく姿勢が必要です。
特養は、給料を重視しながら介護技術も身につけたい人に向いています。一方で、体力面に不安が強い人や、夜勤が難しい人は、勤務条件をよく確認してから選んだ方が安心です。
老健は医療職との連携が多く、学べることも多い
老健は、介護老人保健施設のことです。病院から在宅復帰を目指す利用者さんや、リハビリを必要とする利用者さんが入所する施設です。
老健では、介護職だけでなく、看護師、リハビリ職、医師、管理栄養士、相談員など、多職種と関わる場面が多くあります。介護職は日常生活の支援をしながら、リハビリや医療的な視点にも触れることになります。
給料面では、夜勤がある施設が多く、入居系施設として収入は比較的安定しやすいです。厚生労働省の調査では、月給・常勤の介護職員における介護老人保健施設の平均給与額は352,900円とされています。
老健で働くメリットは、医療職と連携しながら介護を学べることです。利用者さんの状態変化、リハビリの目的、退所支援などを通して、介護の視野を広げやすい職場といえます。
ただし、医療的な判断が必要な場面では、介護職だけで判断してはいけません。体調変化、転倒リスク、食事量の変化、服薬に関することなどは、必ず看護師や上司に報告・相談することが大切です。
有料老人ホームは施設によって差が大きい
有料老人ホームは、施設によって仕事内容や給料に差が出やすい職場です。
介護付き有料老人ホームでは、食事、排泄、入浴、移乗、服薬確認の補助、生活支援、レクリエーションなど、入居者さんの生活全体を支えます。夜勤がある職場も多く、手当込みで月収が上がることがあります。
一方で、住宅型有料老人ホームでは、訪問介護サービスと組み合わせて支援する形になることもあります。同じ「有料老人ホーム」でも、介護職がどこまで業務を担当するのかは施設によって違います。
有料老人ホームは、民間企業が運営していることも多く、法人の方針によって給与制度が変わりやすいです。基本給はそれほど高くなくても、夜勤手当や資格手当が手厚い施設もあります。反対に、月給は高く見えても、固定残業代が含まれていたり、夜勤回数が多かったりすることもあります。
求人票で見たいポイント
有料老人ホームを選ぶときは、「介護付き」か「住宅型」か、夜勤回数、看護師の配置、入居者さんの介護度、職員体制を確認しておきましょう。
有料老人ホームは、接遇や生活支援の丁寧さを求められる場面もあります。介護技術だけでなく、言葉づかい、家族対応、施設の雰囲気に合うかどうかも見ておくと安心です。
デイサービスは日勤中心で働きやすいが月収は低めになりやすい
デイサービスは、利用者さんが日中に通ってくる施設です。食事、入浴、排泄、レクリエーション、機能訓練の補助、送迎などを行います。
デイサービスの大きな特徴は、夜勤がない職場が多いことです。日曜休みの事業所もあり、生活リズムを整えやすい働き方がしやすいです。子育て中の人、夜勤が難しい人、体調面で不規則勤務を避けたい人には選びやすい職場といえます。
一方で、夜勤手当がないため、入居施設に比べると月給は低くなりやすいです。厚生労働省の調査でも、月給・常勤の介護職員における通所介護事業所の平均給与額は294,440円で、入居系施設より低めの水準となっています。
ただし、デイサービスが楽という意味ではありません。送迎、入浴介助、レクリエーション、利用者さん同士の関係調整、限られた時間内での記録など、独特の忙しさがあります。
特に未経験者は、レクリエーションや人前で話すことに苦手意識を持つ場合もあります。身体介護だけでなく、コミュニケーション力や段取り力が求められる職場です。
給料差を作るのは施設名だけではない
夜勤の有無で月収は大きく変わる
介護職の給料を考えるうえで、夜勤の有無は大きなポイントです。
入居施設では、夜勤手当が月収に加わります。たとえば1回5,000円の夜勤手当で月5回入れば、それだけで25,000円の差になります。1回8,000円なら月5回で40,000円です。
そのため、同じ基本給でも、夜勤に入るかどうかで手取りの印象はかなり変わります。求人票に「月給25万円以上」と書かれていても、その中に夜勤5回分が含まれている場合があります。
未経験者の場合、入職してすぐに夜勤へ入るとは限りません。最初は日勤で業務を覚え、早番、遅番に慣れてから夜勤に入る流れが多いです。夜勤開始まで数か月かかる職場もあります。
注意
求人票のモデル月収に夜勤手当が含まれている場合、入職直後の給料はその金額より低くなることがあります。面接で「夜勤はいつ頃から入りますか」と確認しておきましょう。
夜勤は収入を増やしやすい働き方ですが、体力的な負担もあります。給料だけで夜勤回数を増やすのではなく、自分の睡眠、体調、生活リズムも考えて判断することが大切です。
処遇改善手当の支給方法で差が出る
介護職の給料には、処遇改善手当が関係します。
処遇改善に関する加算は、介護職員などの賃金改善を目的とした制度です。令和6年度の介護報酬改定では、従来の処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算が「介護職員等処遇改善加算」に一本化されています。厚生労働省は、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへつながるよう加算率の引き上げを行うと説明しています。(厚生労働省)
ただし、処遇改善手当の支給方法は職場によって違います。
毎月の手当に含めて支給する施設もあれば、賞与や一時金としてまとめて支給する施設もあります。基本給に組み込む施設もあれば、別手当として支給する施設もあります。
そのため、求人票で「処遇改善手当あり」と書かれていても、毎月いくら支給されるのか、賞与に含まれるのか、勤務開始直後から対象になるのかを確認する必要があります。
| 処遇改善手当の見方 | 確認する内容 |
|---|---|
| 毎月支給 | 月給にいくら含まれるか |
| 一時金支給 | 年何回、どの時期に支給されるか |
| 賞与に含む | 賞与額と別にわかるか |
| 基本給に反映 | 昇給や賞与計算に影響するか |
| 支給条件あり | 勤務日数、雇用形態、資格で変わるか |
処遇改善手当は、介護職の収入に関わる大切な部分です。入職前に聞きにくいと感じるかもしれませんが、給料に直結するため確認して問題ありません。
資格手当と経験年数でも差がつく
介護職の給料は、資格の有無でも変わります。
未経験・無資格で始められる職場もありますが、初任者研修、実務者研修、介護福祉士を取得すると、資格手当がつく職場があります。特に介護福祉士は国家資格のため、資格手当や昇給、役職へのステップにつながる場合があります。
ただし、資格手当の金額は職場によって違います。介護福祉士で月5,000円の施設もあれば、月10,000円以上つく施設もあります。初任者研修や実務者研修では手当が少ない、または対象外という職場もあります。
経験年数も給料に影響します。介護職は、利用者さんの状態を見て対応する力、事故を防ぐ観察力、記録や申し送りの正確さ、家族対応など、経験によって身につく力が多い仕事です。長く働くことで昇給や役職につながることもあります。
ただし、長く勤めれば必ず大きく給料が上がるとは限りません。昇給制度が弱い職場では、何年働いても収入があまり変わらないこともあります。
見落としやすい確認点
月給だけでなく、昇給の有無、資格手当の金額、介護福祉士取得後の待遇、リーダー職や主任への道があるかも確認しておきましょう。
法人の規模や地域でも収入は変わる
介護職の給料は、施設形態だけでなく、法人の規模や地域にも左右されます。
同じ特養でも、社会福祉法人が運営している施設、医療法人が運営している施設、民間企業が運営している施設では、給与制度や賞与の考え方が違います。法人内に複数施設がある場合、異動やキャリアアップの道があることもあります。
地域差もあります。都市部では求人の月給が高めに見えることがありますが、生活費も高くなりやすいです。地方では月給が低く見えても、家賃や生活費を含めると働きやすい場合もあります。
また、人手不足が強い地域では、求人の給与条件が上がることもあります。反対に、求人が少ない地域では、選べる施設が限られることもあります。
介護職の給料を比較するときは、全国平均だけでなく、自分が働きたい地域の求人を複数見比べることが大切です。
給料が高い施設を選ぶときの注意点
月給が高くても夜勤回数が多い場合がある
求人票で月給が高い施設を見ると、魅力的に感じます。
しかし、月給の内訳を見ないまま応募すると、入職後に負担を感じることがあります。特に注意したいのが、夜勤回数です。
モデル月収に夜勤手当が多く含まれている場合、夜勤回数が月5回、6回、場合によってはそれ以上を想定していることがあります。夜勤に慣れている人なら問題ない場合もありますが、未経験者にとっては大きな負担になることがあります。
夜勤は、利用者さんの睡眠状態、排泄介助、転倒リスク、ナースコール対応、急変時の連絡など、日勤とは違う緊張感があります。職員数が少ない時間帯のため、判断に迷う場面も出てきます。
未経験から夜勤に入る場合は、同行夜勤があるか、独り立ちまでの基準があるか、緊急時に相談できる体制があるかを確認しましょう。
夜勤前に確認したいこと
□ 夜勤は入職して何か月後から始まるか
□ 同行夜勤は何回あるか
□ 夜勤中の職員体制は何人か
□ 看護師への連絡体制はあるか
□ 急変時や転倒時のマニュアルはあるか
□ 夜勤明けと休みの組み方に無理がないか
給料を上げるために夜勤を選ぶのは自然なことです。ただし、夜勤に入るなら、安全に働ける体制があるかを見ておく必要があります。
基本給が低く手当で高く見える求人もある
介護職の求人では、月給が高く見えても、基本給が低く、手当で上乗せされている場合があります。
もちろん、手当が多いこと自体が悪いわけではありません。夜勤手当、資格手当、処遇改善手当、住宅手当、扶養手当などが整っている職場は、収入面で助かることもあります。
ただし、基本給が低いと、賞与や退職金の計算に影響することがあります。賞与が「基本給の〇か月分」で計算される場合、月給が高くても賞与が思ったより少ないことがあります。
また、手当の中には条件によって変動するものがあります。夜勤に入らなければ支給されない手当、資格がなければ対象外の手当、一定の勤務日数を満たさないと支給されない手当などがあります。
| 月給の見え方 | 注意点 |
|---|---|
| 基本給が高い | 賞与や昇給に反映されやすい場合がある |
| 手当込みで高い | 条件が変わると月収が下がる可能性がある |
| 夜勤込みで高い | 夜勤に入れない期間は収入が下がる |
| 固定残業代込み | 実際の残業時間と支給条件を確認する |
| 賞与が高い | 基本給ベースか、評価で変動するかを見る |
求人票では、月給の総額だけでなく、基本給と手当の内訳まで確認しましょう。
高収入でも人員不足が強い職場は負担が増えやすい
給料が高い施設の中には、人手不足が強く、職員を集めるために給与条件を高めに設定している職場もあります。
給料が高いことは魅力ですが、職員が定着しにくい理由がある場合もあります。たとえば、残業が多い、休憩が取りにくい、教育体制が弱い、職員同士の雰囲気が悪い、急なシフト変更が多いなどです。
介護職はチームで働く仕事です。人員が足りない状態が続くと、利用者さんへの対応が急ぎがちになり、事故やヒヤリハットのリスクも高くなります。新人が質問しにくい雰囲気だと、覚える前に自信をなくしてしまうこともあります。
給料が高い求人を見つけたら、「なぜこの条件なのか」を冷静に見た方が安心です。面接や職場見学で、職員の表情、声かけ、フロアの落ち着き、記録や申し送りの様子を確認しましょう。
職場見学で見るポイント
・職員が利用者さんに急ぎすぎた対応をしていないか
・新人が質問しやすそうな雰囲気か
・ナースコールやセンサー対応に追われすぎていないか
・休憩が取れていそうか
・職員同士の言葉づかいが荒くないか
・見学者への説明が丁寧か
給料は大事ですが、長く働くなら職場環境も同じくらい大事です。
未経験者は教育体制を給料以上に見た方がいい
未経験から介護職を始める場合、最初に大切なのは高い給料だけではありません。
もちろん生活のために収入は必要です。しかし、教育体制がない職場でいきなり現場に入ると、仕事を覚える前に不安が大きくなってしまいます。排泄介助、入浴介助、移乗介助、記録、申し送りなどは、実際に教わりながら少しずつ身につけるものです。
特に身体介護は、利用者さんの安全と尊厳に関わります。自己流で行うと、転倒や皮膚トラブル、痛み、不快感につながることがあります。未経験者は、必ず先輩職員に確認しながら進める必要があります。
教育体制がある職場では、最初に見学、同行、簡単な業務、部分的な介助、独り立ちという流れで進めてくれることがあります。質問しやすい環境であれば、未経験でも安心して成長しやすくなります。
未経験者が重視したい条件
□ 入職後の研修がある
□ 同行期間が決まっている
□ いきなり一人で介助を任されない
□ 夜勤開始までに十分な日勤経験がある
□ 記録や申し送りも教えてもらえる
□ わからないことを聞ける職員がいる
未経験者にとっては、最初の職場で「介護職は怖い」と感じるか、「確認しながら覚えれば大丈夫」と感じるかが大きく分かれます。給料だけでなく、育ててもらえる環境かどうかを見ておきましょう。
自分に合う施設を給料面から選ぶポイント
収入重視なら夜勤ありの入居施設が候補になる
介護職で収入を重視するなら、夜勤ありの入居施設が候補になります。
特養、老健、有料老人ホーム、グループホーム、小規模多機能型居宅介護などは、夜勤がある職場が多いです。夜勤手当がつくことで、日勤のみより月収を上げやすくなります。
ただし、施設によって夜勤の負担は違います。利用者さんの人数、介護度、夜間のコール頻度、職員体制、看護師のオンコール体制などによって、働きやすさは大きく変わります。
収入重視で施設を選ぶ場合は、次のように考えると失敗しにくくなります。
| 重視すること | 向いている可能性がある施設 |
|---|---|
| 月収を上げたい | 特養、老健、有料老人ホーム |
| 介護技術を身につけたい | 特養、老健 |
| 医療職と連携したい | 老健、介護医療院 |
| 少人数ケアに関わりたい | グループホーム、小規模多機能 |
| 接遇や生活支援も大事にしたい | 有料老人ホーム |
| 日勤中心で働きたい | デイサービス、デイケア |
給料を上げたい場合でも、「夜勤ができるか」「身体介護に慣れていけるか」「長く続けられる勤務リズムか」を合わせて考えることが大切です。
生活リズム重視なら日勤中心の施設も選択肢になる
給料だけでなく、生活リズムを重視したい人には、日勤中心の施設も向いています。
デイサービスやデイケアは、夜勤がないことが多く、生活時間を整えやすいです。家庭との両立、体調管理、睡眠リズムを大切にしたい人にとっては働きやすい場合があります。
ただし、日勤中心の施設は、夜勤手当がない分、月収が低くなりやすいです。そのため、給料面では資格手当、処遇改善手当、賞与、送迎手当、役職手当などを確認しておきましょう。
また、デイサービスでは送迎業務がある場合があります。運転が必要か、添乗のみか、車種は何か、送迎範囲はどれくらいかを確認しておくと安心です。
日勤中心の職場は、給料が少し低くても、体への負担や家庭との両立を考えると合っている人もいます。収入の高さだけでなく、自分が無理なく続けられる働き方かどうかを考えることが大切です。
未経験者は「高収入」より「段階的に覚えられるか」を見る
未経験者が施設を選ぶときは、最初から高収入だけを狙いすぎない方がよい場合があります。
高収入の職場は、夜勤、身体介護、忙しさ、即戦力を求められる場面が多いこともあります。未経験者歓迎と書かれていても、実際には人手不足で十分に教える余裕がない職場もあります。
もちろん、未経験でもしっかり育ててくれる高待遇の施設もあります。大事なのは、給料の高さだけで判断せず、教育体制や独り立ちまでの流れを確認することです。
面接では、次のように聞いてみると具体的に確認できます。
面接で聞きたい質問
「未経験の場合、最初はどの業務から始めますか?」
「入職後の同行期間はどれくらいありますか?」
「排泄介助や入浴介助は、どのように教えていただけますか?」
「夜勤は入職後どのくらいで始まりますか?」
「記録や申し送りの書き方も教えていただけますか?」
「資格取得支援制度はありますか?」
このような質問に対して、具体的に答えてくれる職場は、未経験者を受け入れる体制がある可能性が高いです。反対に、説明があいまいな場合は、入職後に困ることもあります。
将来の収入を考えるなら資格取得支援も見る
介護職で給料を上げていきたいなら、施設選びの段階で資格取得支援も見ておきましょう。
介護職は、未経験からでも始められますが、長く続けるなら資格が収入アップにつながります。初任者研修、実務者研修、介護福祉士と進むことで、できる業務や評価が広がります。
特に介護福祉士は、転職時にも評価されやすい資格です。資格手当がつくだけでなく、リーダー、サービス提供責任者、生活相談員、管理者などのキャリアにつながる場合もあります。
施設によっては、研修費用の補助、勤務扱いでの研修参加、シフト調整、受験対策などを支援してくれるところがあります。今の月給だけでなく、数年後に収入を上げやすい環境かどうかも確認しておきましょう。
将来の収入アップにつながる確認項目
□ 初任者研修や実務者研修の費用補助がある
□ 介護福祉士の資格手当がある
□ 資格取得のためのシフト配慮がある
□ リーダーや主任への昇格制度がある
□ 昇給の基準がある
□ 法人内で異動やキャリアチェンジができる
介護職の給料は、最初の施設だけで決まるものではありません。経験と資格を積み上げながら、働き方を選べるようにしていくことも大切です。
求人票と面接で確認したい給料の見方
月給欄は「内訳」まで見る
介護職の求人票を見るときは、月給欄の総額だけで判断しないようにしましょう。
たとえば「月給28万円」と書かれていても、基本給が18万円で、夜勤手当、処遇改善手当、資格手当、固定残業代を含んでいる場合があります。一方で、「月給23万円」と見えても、基本給が高く、賞与が安定している職場もあります。
求人票では、次の項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 基本給 | 低すぎないか、昇給対象か |
| 夜勤手当 | 1回いくらか、月何回想定か |
| 処遇改善手当 | 毎月支給か、一時金か |
| 資格手当 | どの資格が対象か |
| 固定残業代 | 何時間分含まれているか |
| 賞与 | 年何回、前年度実績はどうか |
| 昇給 | 年1回あるか、実績はあるか |
特に未経験者は、求人票のモデル月収が「介護福祉士・夜勤あり・経験者」を想定している場合があります。自分の条件ではいくらになるのかを確認しましょう。
手取りで考えると生活のイメージがしやすい
給料を見るときは、額面だけでなく手取りのイメージも大切です。
額面の月給からは、社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税などが引かれます。そのため、求人票の月給をそのまま使えるわけではありません。
未経験で入職する場合、最初は夜勤が少なかったり、資格手当がつかなかったりして、想定より手取りが低くなることがあります。生活費、家賃、車の維持費、通信費、食費などを考えたうえで、最低限必要な手取りを整理しておくと安心です。
応募前に整理したい生活費
□ 家賃や住宅ローン
□ 食費
□ 光熱費
□ 通信費
□ 車や交通費
□ 保険料
□ 子どもや家族に関わる支出
□ 貯金に回したい金額
生活に必要な手取りがわかると、どの施設なら無理なく働けるか判断しやすくなります。給料が少し低くても生活リズムが合う職場を選ぶのか、夜勤ありで収入を優先するのか、自分に合った選択がしやすくなります。
面接では聞き方を工夫すれば給料の確認はできる
給料のことを面接で聞くのは気が引ける人もいます。
しかし、入職後のミスマッチを防ぐためには、給料や手当の確認は必要です。聞き方を工夫すれば、失礼な印象にはなりにくいです。
たとえば、次のように聞くと自然です。
給料についての聞き方
「求人票に記載されている月給には、夜勤手当は何回分含まれていますか?」
「未経験で入職した場合、最初の数か月の給与イメージを教えていただけますか?」
「処遇改善手当は毎月支給でしょうか、それとも一時金でしょうか?」
「賞与は基本給をもとに計算されますか?」
「夜勤開始前と開始後で月収はどのくらい変わりますか?」
給料の質問ばかりにならないように、仕事内容や教育体制と合わせて聞くとよいです。働く意欲があるうえで、条件を確認していると伝わりやすくなります。
職場見学で給料に見合う働き方か確認する
求人票や面接だけでは、職場の忙しさまではわかりません。
できれば職場見学をして、実際の雰囲気を見ておきましょう。給料が高い施設でも、職員が常に走り回っている、声かけが荒い、利用者さんへの対応が雑、質問できる雰囲気がない場合は注意が必要です。
反対に、給与条件が平均的でも、職員が落ち着いて働いている、教育担当がいる、記録や申し送りが整理されている、利用者さんへの声かけが丁寧な施設は、長く働きやすい可能性があります。
介護職は、毎日の積み重ねが大切な仕事です。給料だけでなく、心身に無理が少ない環境かどうかを見ておきましょう。
応募前チェックリスト
□ 月給に含まれる手当の内訳を確認した
□ 夜勤回数と夜勤開始時期を聞いた
□ 処遇改善手当の支給方法を確認した
□ 基本給と賞与の関係を見た
□ 未経験者への教育体制を確認した
□ 職場見学で雰囲気を見た
□ 自分の生活に必要な手取りを整理した
□ 体力的に続けられる勤務形態か考えた
まとめ:介護職の給料は施設で差があるが、働きやすさも一緒に見ることが大切
介護職の給料は、施設によって差があります。
特養や老健、有料老人ホームなどの入居施設は、夜勤手当があるため月収が高くなりやすいです。一方で、身体介護の量が多かったり、生活リズムが不規則になったりすることがあります。
デイサービスなどの日勤中心の施設は、夜勤がない分、月収は低めになりやすいですが、生活リズムを整えやすい働き方がしやすいです。家庭や体調との両立を重視する人には合っている場合があります。
大切なのは、施設名だけで給料を判断しないことです。基本給、夜勤手当、処遇改善手当、資格手当、賞与、昇給、残業、教育体制を合わせて見る必要があります。
この記事のまとめ
・介護職の給料は施設形態によって差が出る
・入居施設は夜勤手当があるため月収が高くなりやすい
・デイサービスは日勤中心で働きやすいが月収は低めになりやすい
・給料を見るときは基本給と手当の内訳を確認する
・未経験者は高収入だけでなく教育体制も重視する
・自分の生活、体力、将来の資格取得まで考えて施設を選ぶことが大切
給料は、介護職を続けるうえでとても大切です。
ただし、給料が高くても、無理な夜勤や人手不足で心身が疲れきってしまえば、長く続けることは難しくなります。反対に、最初の給料が少し低くても、教育体制があり、資格取得や昇給を目指せる職場なら、将来的に収入を上げていける可能性があります。
介護職の施設選びでは、今の給料、働きやすさ、将来の伸びしろをセットで考えることが大切です。求人票だけで決めず、面接や職場見学で具体的に確認しながら、自分に合う職場を選んでいきましょう。


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