介護職として働いている人、またはこれから介護職を目指す人の中には、「手取り20万は現実的に可能なのか」「介護職の給料で生活できるのか」「どんな働き方をすれば収入を上げられるのか」と気になっている人も多いです。
介護職は未経験から始めやすい一方で、給料や手取りに不安を感じやすい仕事でもあります。求人票には「月給25万円」「処遇改善手当あり」「夜勤手当あり」と書かれていても、実際に振り込まれる手取り額は税金や社会保険料が引かれた後の金額です。
この記事では、介護職で手取り20万を目指すために必要な月収の目安、手取りが変わる理由、収入を上げやすい働き方、転職前に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・介護職で手取り20万は可能なのか
・手取り20万に必要な月収の目安
・額面と手取りの違い
・手取り20万に届きやすい働き方
・収入を上げるために見直したい手当
・転職前に確認すべき給与条件
介護職で手取り20万は可能?まずは現実的なラインを知ろう
手取り20万は介護職でも十分に目指せる金額
介護職で手取り20万を目指すことは、決して不可能ではありません。
ただし、未経験で入職してすぐに誰でも手取り20万に届くというより、夜勤の有無、資格、手当、地域、施設形態、経験年数によって到達しやすさが変わります。
特に、夜勤がある入居系施設で正社員として働く場合は、夜勤手当や処遇改善手当が加わるため、手取り20万に近づきやすくなります。一方で、日勤のみのデイサービスやパート勤務では、同じ介護職でも手取り20万に届くまで時間がかかることがあります。
厚生労働省の令和6年度調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所における月給・常勤の介護職員の平均給与額は、令和6年9月時点で338,200円とされています。ただし、この金額は基本給・手当・一時金を含めた平均給与額であり、毎月の手取り額そのものではありません。
先に知っておきたいこと
介護職で手取り20万は可能です。
ただし、求人票の月給だけで判断せず、夜勤手当・処遇改善手当・資格手当・控除額まで含めて確認することが大切です。
「月給20万」と「手取り20万」はまったく違う
介護職の給料を考えるときに注意したいのが、月給20万と手取り20万は別物という点です。
月給20万円と書かれている場合、そこから健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税などが引かれます。そのため、額面20万円の求人であれば、実際の手取りはおおよそ16万〜17万円台になることもあります。
手取り20万を目指すなら、求人票の月給は20万円では足りないことが多いです。一般的には、額面で25万〜27万円前後がひとつの目安になります。
もちろん、控除額は年齢、扶養家族の有無、住んでいる地域、社会保険の加入状況、前年の所得などによって変わります。40歳以上の場合は介護保険料も加わるため、同じ月給でも手取りが少し変わります。協会けんぽの保険料額表も都道府県ごとに分かれており、保険料は地域によって違いがあります。(共済会ケンプ)
平均給与だけを見て安心しすぎない
介護職の平均給与を見ると、「思ったより高い」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、平均給与には注意が必要です。厚生労働省の調査に出ている平均給与額には、基本給だけでなく手当や一時金の月割分も含まれています。令和6年9月の介護職員の平均給与額338,200円の内訳は、基本給192,660円、手当97,980円、一時金47,560円とされています。
つまり、平均給与額が高く見えても、毎月必ずその金額が口座に振り込まれるとは限りません。賞与や一時金を月割りした金額が含まれている場合、実際の毎月の手取りとはズレが出ます。
また、平均には勤続年数が長い人、介護福祉士の資格を持っている人、夜勤をしている人、役職についている人も含まれます。未経験で入職したばかりの人が、いきなり平均と同じ給与になるとは限らない点も理解しておきましょう。
注意
「介護職の平均給与が高いから大丈夫」と考えるのではなく、
自分が応募する求人で、実際に毎月いくら支給され、いくら引かれるのかを確認することが大切です。
手取り20万に必要な月収目安
額面25万〜27万円前後がひとつの目安
介護職で手取り20万を目指す場合、目安としては額面25万〜27万円前後を見ておくと考えやすいです。
たとえば、月給25万円の場合、社会保険料や税金が引かれて手取りが20万円前後になることがあります。ただし、住民税が高い人、40歳以上で介護保険料がある人、扶養状況が違う人などは手取りが変わります。
反対に、月給24万円でも控除が少なければ手取り20万に近づく場合がありますし、月給26万円でも控除が多ければ手取り20万を少し下回ることもあります。
そのため、手取り20万を目指すときは、「額面25万円以上あるか」だけでなく「何が引かれるか」も確認する必要があります。
給与から引かれる所得税については、国税庁が源泉徴収税額表を公開しており、給与から社会保険料等を差し引いた後の金額をもとに税額が決まります。(国税庁)
月収別の手取り目安
以下は、正社員として社会保険に加入している場合の大まかな手取り目安です。地域、年齢、扶養、住民税、保険料率によって変わるため、あくまで参考として見てください。
| 額面月収 | 手取りの目安 | 手取り20万への届きやすさ |
|---|---|---|
| 22万円 | 約17万〜18万円台 | まだ届きにくい |
| 23万円 | 約18万〜19万円台 | 条件によっては近づく |
| 24万円 | 約18.5万〜19.8万円前後 | あと少しのライン |
| 25万円 | 約19.5万〜20.8万円前後 | 手取り20万に届く可能性あり |
| 26万円 | 約20万〜21.5万円前後 | 比較的届きやすい |
| 27万円 | 約21万〜22万円台 | 手取り20万を超えやすい |
| 28万円 | 約21.5万〜23万円前後 | 余裕が出やすい |
この表を見ると、介護職で手取り20万を狙うなら、月給25万円以上がひとつの目安になります。
ただし、求人票に「月給25万円」と書かれていても、そこに夜勤手当が含まれているのか、処遇改善手当が含まれているのか、固定残業代が含まれているのかで意味が変わります。
たとえば、同じ月給25万円でも、以下のように中身が違うことがあります。
| 求人の見え方 | 実際に確認したいこと |
|---|---|
| 月給25万円以上 | 夜勤手当込みかどうか |
| 月給25万〜30万円 | 下限額で入職する可能性が高いか |
| 処遇改善手当あり | 毎月支給か、一時金支給か |
| 夜勤手当あり | 1回あたりの金額と月回数 |
| 固定残業代含む | 何時間分の残業代か |
求人票の金額だけを見ると高く感じても、実際には夜勤を月5回した場合のモデル給与だった、ということもあります。応募前に細かく確認しておきましょう。
住民税が引かれ始めると手取りが下がることがある
転職したばかりの人や新卒・未経験で介護職を始めた人は、最初の数か月の手取りが思ったより多く感じることがあります。
これは、住民税がまだ給与から引かれていない時期があるためです。住民税は前年の所得をもとに決まるため、働き始めたタイミングや転職時期によって、給与天引きの開始時期が変わることがあります。
そのため、入職直後に手取り20万あったとしても、翌年から住民税が引かれて手取りが下がる場合があります。
生活費を考えるときは、最初の手取りだけで判断せず、住民税が引かれた後も手取り20万を維持できるかを見ておくと安心です。
夜勤回数によって手取りは大きく変わる
介護職で手取り20万を目指すうえで、夜勤の有無はかなり大きなポイントです。
夜勤手当は施設によって差がありますが、1回あたり5,000円〜8,000円程度、場合によってはそれ以上支給される職場もあります。月4回夜勤に入れば、夜勤手当だけで2万〜3万円以上変わることもあります。
たとえば、基本給や手当だけでは手取り18万円台の人でも、夜勤を月4〜5回行うことで手取り20万に届く場合があります。
ただし、夜勤は収入を上げやすい反面、生活リズムや体力面への負担もあります。収入だけで夜勤回数を増やすと、疲労がたまり、仕事を続けること自体がつらくなることもあります。
確認ポイント
手取り20万を目指すために夜勤を増やす場合は、
「夜勤手当の金額」だけでなく、夜勤人数、休憩時間、仮眠の有無、明け後の休み方も確認しましょう。
介護職で手取り20万に届きやすい働き方
入居系施設の正社員は手取り20万に近づきやすい
介護職で手取り20万を目指すなら、入居系施設の正社員は比較的現実的な選択肢になります。
入居系施設とは、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、グループホームなど、利用者さんが生活している施設のことです。これらの施設では早番、日勤、遅番、夜勤などのシフトがあり、夜勤手当がつくため、日勤のみの職場より月収が上がりやすい傾向があります。
厚生労働省の調査でも、サービス種類によって平均給与額に差があり、介護老人福祉施設は361,860円、介護老人保健施設は352,900円、通所介護は294,440円、認知症対応型共同生活介護は302,010円などとされています。これは手取り額ではありませんが、施設形態によって給与水準に違いがあることがわかります。
もちろん、給与が高い施設ほど必ず働きやすいとは限りません。身体介助の量、夜勤の負担、人員配置、記録業務、看取り対応の有無なども変わります。
手取り20万を目指す場合でも、給料だけでなく仕事内容とのバランスを見ることが大切です。
日勤のみの職場は手取り20万まで時間がかかることがある
デイサービスや訪問介護の一部、日勤のみの施設では、夜勤手当がつかないため、手取り20万に届くまで時間がかかることがあります。
日勤のみの働き方は、生活リズムを整えやすい、家庭と両立しやすい、夜勤の負担がないというメリットがあります。その一方で、夜勤手当がない分、月収は入居系施設より低くなることがあります。
特に未経験で介護職を始める場合、最初は基本給が低めに設定されていることもあります。処遇改善手当や資格手当が少ない職場では、手取り20万に届きにくい場合もあります。
ただし、日勤のみでも以下のような条件があれば、収入アップを目指せることがあります。
・介護福祉士などの資格手当がある
・処遇改善手当が毎月しっかり支給される
・生活相談員や管理者候補を目指せる
・送迎手当や役職手当がある
・法人全体の給与水準が高い
日勤のみを希望する人は、月給だけでなく、将来的にどのように昇給できるかも確認しておきましょう。
介護福祉士の資格があると手当がつきやすい
介護職で手取り20万を安定して目指すなら、資格の有無も大きなポイントです。
未経験・無資格から介護職を始めることは可能ですが、資格があると資格手当がついたり、任される業務の幅が広がったり、転職時に評価されやすくなったりします。
特に介護福祉士は、介護職の国家資格です。職場によっては、毎月5,000円〜2万円程度の資格手当がつくこともあります。金額は法人によって異なりますが、毎月の手当として支給される場合、手取りにも影響します。
厚生労働省の調査でも、保有資格別の平均給与額に差があり、介護福祉士の平均給与額は350,050円、資格なしは290,620円とされています。これも手取り額ではありませんが、資格や経験が給与に影響しやすいことがわかります。
収入アップの考え方
すぐに手取り20万へ届かない場合でも、
初任者研修、実務者研修、介護福祉士と段階的に資格を取ることで、収入を上げる道を作りやすくなります。
勤続年数や役職で手取りが上がる場合もある
介護職の給料は、入職時の月給だけで決まるわけではありません。
長く働くことで昇給したり、リーダー、主任、サービス提供責任者、生活相談員、管理者などの役割についたりすると、役職手当がつく場合があります。
ただし、介護職の昇給額は職場によって差があります。毎年しっかり昇給する法人もあれば、何年働いてもほとんど給料が変わらない職場もあります。
手取り20万を目指すなら、入職時だけでなく、3年後、5年後にどのくらい収入が上がる可能性があるかも確認しておきたいところです。
面接では、次のように聞いてみるとよいでしょう。
面接で聞きたい質問
「昇給は年に何回ありますか?」
「介護福祉士を取得した場合、資格手当はありますか?」
「リーダー職や役職についた場合の手当はありますか?」
「未経験で入職した方は、どのくらいの期間で夜勤に入ることが多いですか?」
聞きにくいと感じるかもしれませんが、給与条件は働き続けるうえで大切な情報です。遠慮しすぎず、丁寧に確認しましょう。
手取り20万に届かないときに見直したい給与明細のポイント
基本給が低すぎないか確認する
介護職で手取り20万に届かないと感じるときは、まず給与明細の基本給を確認しましょう。
月給の総額だけを見ると悪くないように見えても、基本給が低く、手当で月給を高く見せている求人もあります。基本給が低いと、賞与や退職金、残業代の計算に影響することがあります。
たとえば、月給25万円でも、基本給が17万円で各種手当が8万円という場合と、基本給が22万円で手当が3万円という場合では、将来的な安定感が違うことがあります。
もちろん、手当が多いこと自体が悪いわけではありません。処遇改善手当や夜勤手当、資格手当がしっかり支給される職場は、収入面で助かることも多いです。
ただし、基本給があまりにも低い場合は、賞与や昇給の仕組みを確認することが大切です。
処遇改善手当がどのように支給されているか見る
介護職の収入を考えるうえで、処遇改善手当はとても重要です。
処遇改善手当は、介護職員の処遇改善を目的とした加算に基づいて支給されるものです。ただし、支給方法は職場によって違います。
毎月の給与に含めて支給される職場もあれば、賞与や一時金としてまとめて支給される職場もあります。また、常勤・非常勤、資格、経験年数、勤務時間などによって金額が変わることもあります。
給与明細を見るときは、次の点を確認しましょう。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 処遇改善手当 | 毎月支給か、一時金か |
| 特定処遇改善手当 | 介護福祉士や経験年数で変わるか |
| ベースアップ等支援分 | 基本給に反映されているか |
| 支給対象 | 常勤だけか、パートも対象か |
| 金額の変動 | 月によって増減するか |
処遇改善手当があるからといって、必ず毎月同じ金額が支給されるとは限りません。求人票に「処遇改善手当あり」と書かれている場合は、毎月いくら支給されるのか、変動するのかを確認しておくと安心です。
夜勤手当が相場より低くないか確認する
夜勤をしているのに手取り20万に届かない場合は、夜勤手当の金額も確認しましょう。
夜勤手当は職場によって差があります。1回あたりの金額だけでなく、夜勤の勤務時間、休憩時間、夜勤者の人数、利用者さんの状態によって負担感も変わります。
たとえば、夜勤手当が1回4,000円の職場と、1回8,000円の職場では、月5回夜勤をした場合、月2万円の差が出ます。年間で考えると24万円の差になります。
ただし、夜勤手当が高い職場は、その分忙しかったり、人員が少なかったりする可能性もあります。金額だけで判断せず、夜勤の体制も確認しましょう。
夜勤あり求人で確認したいこと
□ 夜勤手当は1回いくらか
□ 月の夜勤回数は平均何回か
□ 夜勤は何人体制か
□ 休憩や仮眠は取れるか
□ 夜勤開始前に同行はあるか
□ 緊急時に看護師や管理者へ連絡できる体制はあるか
夜勤は収入を上げやすい働き方ですが、無理をしすぎると体調や生活リズムに影響します。収入と負担のバランスを見て判断しましょう。
残業代が正しく出ているか確認する
介護職では、申し送り、記録、急な対応、委員会、会議などで残業が発生することがあります。
残業があるのに手取りが増えていない場合は、残業代が正しく支給されているか確認しましょう。求人票に固定残業代が含まれている場合は、何時間分の残業代なのか、それを超えた分が支給されるのかを見る必要があります。
また、介護現場では「少しだけだから」とサービス残業のようになってしまうケースもあります。しかし、記録や申し送り、業務上必要な準備や片付けが勤務時間として扱われるかどうかは、職場のルールを確認する必要があります。
疑問がある場合は、感情的に伝えるのではなく、給与明細やシフト、勤務記録を見ながら、上司や事務担当に確認しましょう。
確認のしかた
「給与明細の残業時間について確認したいのですが、勤務記録の時間と照らし合わせてもよろしいでしょうか?」
このように、まずは確認という形で聞くと、角が立ちにくくなります。
収入を上げるために現実的にできること
初任者研修・実務者研修・介護福祉士を順番に目指す
介護職で収入を上げたい場合、資格取得は現実的な方法のひとつです。
未経験で介護職を始める場合、最初は無資格でも働ける職場があります。ただ、身体介護の基本を学ぶためにも、介護職員初任者研修を取得しておくと安心です。
その後、実務者研修を修了し、実務経験を積むことで介護福祉士を目指せます。介護福祉士を取得すると、資格手当がつくだけでなく、転職時の選択肢も広がりやすくなります。
資格を取ることで、すぐに大きく手取りが増えるとは限りません。しかし、毎月の資格手当、昇給、役職への道、転職時の評価を考えると、長期的には収入アップにつながりやすいです。
資格取得の目安
□ 未経験・無資格なら初任者研修から考える
□ 介護福祉士を目指すなら実務者研修が必要になる
□ 資格手当の金額は職場ごとに確認する
□ 受講費用の補助制度があるか確認する
□ 資格取得後に昇給するか確認する
資格は「取れば必ず手取り20万になる」というものではありませんが、収入を上げる土台にはなります。
夜勤回数を増やす前に体力面を確認する
手取り20万を目指すために、夜勤回数を増やす方法もあります。
夜勤手当が1回7,000円であれば、月4回で28,000円です。これだけで手取り20万に届く人もいます。介護職で収入を上げたい人にとって、夜勤は大きな収入源になります。
ただし、夜勤を増やすと生活リズムが崩れやすくなります。眠りが浅くなる、疲れが取れない、休日も寝て終わる、体調を崩しやすくなるなど、人によって負担は違います。
収入を上げるために夜勤を増やす場合は、いきなり無理をせず、月の回数や勤務間隔を見ながら調整しましょう。
特に未経験者は、介助技術や記録、緊急時対応に慣れる前から夜勤を多く入れると不安が強くなりやすいです。夜勤開始時期や同行回数は、入職前に確認しておくことが大切です。
今の職場で昇給できる可能性を確認する
手取り20万に届かないからといって、すぐに転職だけを考える必要はありません。
まずは、今の職場で昇給できる可能性があるかを確認しましょう。資格取得、夜勤開始、リーダー業務、委員会担当、勤続年数などで給料が上がる制度があるかもしれません。
確認したいのは、次のような点です。
・次回の昇給時期
・資格取得後の手当
・夜勤開始後の月収目安
・リーダー手当や役職手当
・処遇改善手当の支給基準
・賞与の支給実績
ただし、何年働いても昇給がほとんどない、資格を取っても手当が少ない、夜勤をしても手取りが大きく変わらないという職場もあります。
その場合は、今の職場で頑張り続けるより、条件のよい職場を探した方が収入アップにつながることもあります。
転職で手取り20万を目指すなら条件を整理する
介護職は職場によって給料差が出やすい仕事です。
同じ地域、同じ介護職でも、法人によって基本給、夜勤手当、処遇改善手当、資格手当、賞与、退職金が違います。そのため、今の職場で手取り20万に届かない場合でも、転職によって条件が改善する可能性があります。
ただし、手取りだけで転職先を選ぶのは危険です。給与が高くても、人員不足が深刻だったり、夜勤回数が多すぎたり、教育体制が弱かったりすると、長く続けるのが難しくなることがあります。
転職で手取り20万を目指すなら、次のように条件を整理しておきましょう。
| 重視する条件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 月収 | 夜勤込みか、基本給のみか |
| 手当 | 資格手当・処遇改善手当・夜勤手当 |
| 夜勤 | 回数、人数体制、仮眠、緊急時対応 |
| 賞与 | 前年度実績、支給月数、基本給ベースか |
| 教育体制 | 同行期間、研修、質問しやすさ |
| 働きやすさ | 残業、人員配置、有休の取りやすさ |
転職前の考え方
手取り20万は大切な目標です。
ただし、手取り20万のために心身を削りすぎる職場を選ぶと、結果的に続けにくくなります。
手取り20万の求人を見るときの注意点
「月給25万円以上」の中身を必ず確認する
求人票で「月給25万円以上」と書かれていると、手取り20万に届きそうに見えます。
しかし、その25万円に何が含まれているかを確認しないと、入職後に「思っていたより手取りが少ない」と感じることがあります。
確認したいのは、以下の点です。
応募前チェックリスト
□ 月給に夜勤手当は含まれているか
□ 夜勤は月何回で計算されているか
□ 処遇改善手当は毎月支給か
□ 資格手当はいくらか
□ 固定残業代は含まれているか
□ 賞与は基本給ベースか
□ 試用期間中の給料は変わるか
□ 交通費は別途支給か
特に「月給25万〜30万円」のように幅がある求人では、未経験者は下限額からスタートすることが多いです。上限額だけを見て期待しすぎないようにしましょう。
モデル給与は自分に当てはまるとは限らない
求人票には「月収例28万円」「年収例400万円」などが書かれていることがあります。
このようなモデル給与は参考になりますが、自分が入職したときに同じ金額になるとは限りません。モデル給与には、介護福祉士、夜勤5回、残業あり、経験者、リーダー手当込みなどの条件が含まれていることがあります。
未経験、無資格、夜勤なしで入職する場合、モデル給与より低くなる可能性があります。
面接では、モデル給与ではなく、自分の条件での月収目安を聞くことが大切です。
面接で聞きたい質問
「未経験で入職した場合、最初の月給はどのくらいになりますか?」
「夜勤に入る前と入った後で、月収はどのくらい変わりますか?」
「処遇改善手当は毎月の給与に含まれますか?」
「介護福祉士を取得した場合、資格手当はいくらですか?」
聞きづらい場合でも、入職後のミスマッチを防ぐためには大切な確認です。
手取りが高くても負担が大きすぎる職場には注意する
手取り20万を超える求人は魅力的です。
しかし、手取りが高い理由が、夜勤回数の多さ、残業の多さ、人員不足、重度の利用者さんが多いことによる業務負担である場合もあります。
もちろん、忙しい職場がすべて悪いわけではありません。経験を積みたい人、収入を重視したい人には合う場合もあります。
ただ、未経験者や体力面に不安がある人が、給料だけで忙しすぎる職場を選ぶと、仕事に慣れる前に疲れ切ってしまうことがあります。
見学できる場合は、次の点を見ておきましょう。
・職員が急ぎすぎていないか
・質問しやすそうな雰囲気があるか
・利用者さんへの声かけが丁寧か
・記録や申し送りの時間が確保されているか
・夜勤や残業について説明があるか
・新人への教育体制があるか
手取り20万は大切ですが、続けられる環境かどうかも同じくらい重要です。
生活費から逆算して必要な手取りを考える
手取り20万を目指す前に、自分の生活費から必要な手取りを考えてみることも大切です。
一人暮らし、実家暮らし、家族を扶養している人、車を持っている人では、必要な手取り額が違います。手取り20万あれば十分と感じる人もいれば、家賃や車の維持費、家族の支出があり、まだ足りないと感じる人もいます。
まずは、毎月の固定費を整理してみましょう。
| 支出項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 家賃・住宅ローン | 毎月必ず出る金額 |
| 光熱費・通信費 | 季節で変動する費用 |
| 食費 | 外食やコンビニ利用も含める |
| 車関係 | ガソリン、保険、車検、駐車場 |
| 保険・医療費 | 毎月または定期的な支出 |
| 貯金 | 毎月いくら残したいか |
手取り20万を目標にするのは悪いことではありません。ただし、本当に必要なのが手取り20万なのか、手取り22万なのか、または生活費を見直せば手取り19万でも可能なのかは、人によって違います。
収入を上げることと同時に、支出のバランスも見ておきましょう。
介護職で手取り20万を目指すときの考え方
すぐに届かなくても焦りすぎない
未経験から介護職を始めた場合、最初から手取り20万に届かないこともあります。
特に無資格、日勤のみ、夜勤なし、入職直後の場合は、手取りが少なく感じるかもしれません。しかし、介護職は経験や資格、夜勤、職場選びによって収入が変わりやすい仕事です。
最初の手取りだけで「介護職は生活できない」と決めつけるのではなく、今後どのように収入が上がる可能性があるかを確認してみましょう。
たとえば、以下のような道があります。
・夜勤に入れるようになる
・初任者研修を取得する
・実務者研修を修了する
・介護福祉士を取得する
・資格手当がつく職場へ転職する
・入居系施設へ働き方を変える
・リーダーや役職を目指す
ただし、職場に昇給の仕組みがない場合は、努力しても収入が上がりにくいことがあります。その場合は、自分を責めるのではなく、職場環境を見直すことも必要です。
収入アップと働きやすさの両方を見る
手取り20万を目指すときに大切なのは、収入だけを見ないことです。
介護職は利用者さんの生活を支える仕事であり、身体介助、排泄介助、入浴介助、移乗介助、記録、申し送りなど、体力面・精神面の負担があります。収入を上げるために夜勤や残業を増やすほど、疲労もたまりやすくなります。
もちろん、収入は大切です。生活のために手取り20万が必要な人もいます。給料が低すぎる職場で無理を続ける必要はありません。
ただ、手取り20万を超えても、休みが取れない、常に人手不足、質問できない、ミスを責められる、体調を崩すような職場では、長く働くのが難しくなります。
手取り20万を目指すことと、無理なく続けられる職場を選ぶことは、セットで考える必要があります。
自分の希望条件に優先順位をつける
介護職で収入を上げたいと思ったときは、自分が何を優先したいのかを整理しましょう。
すべての条件を満たす職場はなかなかありません。給料が高い職場は夜勤や身体介助が多いことがありますし、日勤のみで働きやすい職場は月収が低めになることがあります。
自分にとって何が大切かを決めると、職場選びで迷いにくくなります。
条件整理チェック
□ 手取り20万以上を最優先にしたい
□ 夜勤は月4回までならできる
□ 日勤のみを優先したい
□ 介護福祉士を目指せる職場がよい
□ 人間関係や教育体制を重視したい
□ 残業が少ない職場を選びたい
□ 家から通いやすい職場がよい
手取り20万は大切な目標ですが、自分の体力や生活リズムに合わない働き方を選ぶと、続けることがつらくなる場合があります。
収入、仕事内容、人間関係、通勤、夜勤、将来性を合わせて考えましょう。
まとめ:介護職で手取り20万は可能だが、月収と働き方の確認が大切
介護職で手取り20万を目指すことは可能です。
ただし、手取り20万に届くかどうかは、月給だけでなく、夜勤手当、処遇改善手当、資格手当、社会保険料、税金、住民税、年齢、扶養状況などによって変わります。
目安としては、額面25万〜27万円前後がひとつのラインになります。夜勤ありの正社員、資格手当がある職場、処遇改善手当がしっかり支給される職場では、手取り20万に近づきやすくなります。
一方で、日勤のみ、無資格、未経験、パート勤務の場合は、すぐに手取り20万へ届かないこともあります。その場合でも、資格取得や働き方の見直し、職場選びによって収入を上げられる可能性はあります。
この記事のまとめ
・介護職で手取り20万は十分に目指せる
・手取り20万には額面25万〜27万円前後がひとつの目安
・月給20万と手取り20万は違う
・夜勤手当、処遇改善手当、資格手当で収入は変わる
・求人票の月給だけで判断しないことが大切
・収入アップと働きやすさのバランスを見て職場を選ぶ
手取り20万を目指すことは、生活を安定させるうえで大切な目標です。
ただし、給料だけで職場を選ぶと、体力面や人間関係で無理が出ることもあります。求人票の金額だけで判断せず、手当の中身、夜勤体制、教育体制、昇給の仕組みまで確認しながら、自分に合った働き方を選んでいきましょう。


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