介護職で残業が多い理由とは?つらい職場の特徴と見直すべきポイントを解説

介護施設の事務スペースに積み重なる記録書類を主役に、奥へ続く廊下が業務量の多さと忙しい職場環境を感じさせるイラスト 6-3.残業

介護職として働いていると、「なかなか定時で帰れない」「記録や申し送りが終わらない」「人手不足で残業が当たり前になっている」と感じることがあります。

介護の現場は、利用者さんの生活を支える仕事であるため、予定通りに進まない場面も少なくありません。急な対応や事故、体調変化、ナースコール、職員の欠勤などによって、残業が発生することもあります。

ただし、毎日のように残業が多い状態が続いている場合は、「介護職だから仕方ない」と片づけず、職場の体制や働き方を見直すことも大切です。

この記事でわかること

・介護職で残業が多いと言われる主な理由
・残業が増えやすい職場の特徴
・介護職の残業がつらくなりやすい場面
・残業が多い職場で確認したいポイント
・無理を続けないための相談方法
・転職や職場選びで見直すべき条件

  1. 介護職で残業が多いと感じやすい場面
    1. 定時前に急な対応が入ることがある
    2. 記録や申し送りが勤務時間内に終わらない
    3. 人手不足で一人あたりの業務が増えている
    4. 新人や未経験者ほど時間がかかりやすい
  2. 残業が多い介護現場にありがちな職場の特徴
    1. 業務量に対して職員数が足りていない
    2. 「残ってやるのが当たり前」という雰囲気がある
    3. 管理者やリーダーが現場の残業を把握していない
    4. サービス残業が見過ごされている
  3. 介護職の残業がつらいと感じる理由
    1. 体力的な疲れが抜けにくくなる
    2. 夜勤や早番・遅番と残業が重なると生活リズムが崩れやすい
    3. 家庭やプライベートとの両立が難しくなる
    4. 精神的に「終わりが見えない」と感じやすい
  4. 残業が多い職場でまず確認したいこと
    1. 残業の原因が一時的なものか慢性的なものか
    2. 残業代が正しく出ているか
    3. 業務分担に偏りがないか
    4. 休憩が取れているか
  5. 残業がつらいときの現実的な対処法
    1. まずは残業の内容を記録してみる
    2. 上司には「困っている業務」を具体的に伝える
    3. 自分で抱え込まず、優先順位を確認する
    4. 体調に影響が出ているなら早めに相談する
  6. 転職や職場選びで残業を見直すポイント
    1. 求人票の「残業少なめ」だけで判断しない
    2. 面接で残業について聞くときの質問例
    3. 職場見学では職員の動きと表情を見る
    4. 施設形態によって残業の出方が違う
  7. 残業が多い介護職を続けるか見直すかの判断基準
    1. 改善の余地がある職場かどうかを見る
    2. 介護職そのものが嫌なのか、今の職場が合わないのか分けて考える
    3. 無理を続ける前に働き方を変える選択肢もある
    4. 辞める前に確認しておきたいこと
  8. まとめ

介護職で残業が多いと感じやすい場面

定時前に急な対応が入ることがある

介護職の残業が多い理由の一つは、利用者さんの状態や生活リズムに左右されやすい仕事だからです。

たとえば、退勤時間の直前に利用者さんの転倒リスクが高まったり、排泄介助が必要になったり、体調不良の訴えがあったりすることがあります。介護の仕事は「時間になったから終わり」と区切りにくい場面があります。

特に入所施設では、夕方から夜にかけて食事介助、服薬確認、排泄介助、就寝介助、申し送りなどが重なりやすく、少しの遅れがそのまま残業につながることがあります。

もちろん、すべての急な対応を避けることはできません。しかし、毎回同じ時間帯に業務が押している場合は、個人の努力だけでなく、業務量や人員配置に無理がないかを考える必要があります。

記録や申し送りが勤務時間内に終わらない

介護職では、利用者さんの様子や介助内容、体調変化、事故やヒヤリハットなどを記録する必要があります。

この記録業務が勤務時間内にできず、介助が終わった後にまとめて書く状態になると、残業が増えやすくなります。

特に以下のような職場では、記録残業が発生しやすいです。

・記録を書く時間がシフトに組み込まれていない
・職員数が少なく、常に現場対応に追われる
・紙記録と電子記録が混在している
・申し送り内容が多く、整理されていない
・新人が記録に慣れるまで十分な指導を受けられない

記録は利用者さんの安全や職員間の情報共有に関わる大切な業務です。そのため、「早く帰りたいから適当に書く」というわけにはいきません。

ただ、記録が毎日勤務後にしかできない職場は、仕組みとして見直す余地があります。

確認したい視点

介護記録は「勤務外にやるもの」ではなく、基本的には業務時間内に行う仕事です。
記録時間が確保されていない場合は、個人の能力不足だけでなく、職場全体の業務設計にも原因があるかもしれません。

人手不足で一人あたりの業務が増えている

介護職の残業が多い背景には、人手不足の影響もあります。

職員の人数が足りないと、1人が担当する利用者さんの人数が増えます。すると、通常業務だけでも時間がかかり、予定通りに休憩が取れなかったり、記録が後回しになったりします。

また、誰かが急に休んだ場合、本来なら複数人で分担する業務を少人数で回さなければならないこともあります。

一時的な欠勤や繁忙期で残業が増えることはありますが、常に人手不足が続いている職場では、職員の疲労が積み重なりやすくなります。

介護職はチームで支える仕事です。人員不足を個人の頑張りだけで補い続ける働き方は、長く続けにくいと考えておきましょう。

新人や未経験者ほど時間がかかりやすい

未経験から介護職を始めたばかりの時期は、業務に慣れていないため、どうしても一つひとつに時間がかかります。

排泄介助、更衣介助、移乗介助、記録、申し送りなどは、最初からスムーズにできるものではありません。利用者さんごとの注意点を覚える必要もあるため、焦りや不安を感じる人も多いです。

ただし、新人のうちは時間がかかるのが自然です。問題なのは、十分な指導やフォローがないまま、「遅い」「早くして」と責められ続ける環境です。

未経験者の場合は、残業の多さだけでなく、教えてもらえる環境があるか、質問しやすい雰囲気があるかも大切な判断材料になります。

残業が多い介護現場にありがちな職場の特徴

業務量に対して職員数が足りていない

残業が多い職場では、そもそも業務量と職員数のバランスが合っていないことがあります。

たとえば、入浴介助、排泄介助、食事介助、レクリエーション、記録、清掃、洗濯、物品補充、家族対応など、介護職が担当する仕事は幅広いです。

本来であれば時間内に分担して行うべき業務でも、職員が少ないと一人ひとりの負担が大きくなります。

残業が増えやすい状態起こりやすいこと
職員数が少ない介助が終わらず記録が後回しになる
欠勤が多い休みの職員の分まで業務を抱える
業務分担が曖昧特定の人に仕事が偏る
新人指導の余裕がない教える側も教わる側も残業しやすい
雑務が多い本来の介護業務以外で時間を取られる

もちろん、介護現場では予定外の出来事もあります。しかし、毎日同じように時間が足りないなら、職員個人の努力ではなく、職場の仕組みを見直す必要があります。

「残ってやるのが当たり前」という雰囲気がある

介護職の残業がつらくなる理由の一つに、職場の雰囲気があります。

たとえば、定時で帰ろうとすると気まずい空気になる、先輩が残っているから帰りにくい、残業を断ると協調性がないと思われる、といった職場です。

このような環境では、必要な残業かどうかに関係なく、なんとなく残ることが習慣になってしまうことがあります。

特に新人や転職直後の人は、「自分だけ帰っていいのかな」「嫌われたくない」と感じやすいです。その結果、本来は帰れる日でも残ってしまい、疲れが抜けにくくなります。

注意したい職場の空気

「みんな残っているから」「昔からそうだから」という理由だけで残業が続いている場合は注意が必要です。
介護職として責任を持つことと、無理な働き方を続けることは同じではありません。

管理者やリーダーが現場の残業を把握していない

残業が多い職場では、管理者やリーダーが実際の業務量を十分に把握していない場合もあります。

現場では毎日忙しくて残業しているのに、上司からは「なぜ時間内に終わらないの?」と言われることもあります。これでは、職員側が追い詰められてしまいます。

本来であれば、残業が多い場合には以下のような確認が必要です。

・どの時間帯に業務が集中しているのか
・誰に業務が偏っているのか
・記録時間は確保できているのか
・急な対応が多い利用者さんへの体制は十分か
・残業の理由が毎回同じではないか

残業の原因を確認せず、職員の能力ややる気の問題だけにされる職場では、根本的な改善が進みにくいです。

サービス残業が見過ごされている

介護職で注意したいのが、サービス残業です。

たとえば、タイムカードを切った後に記録を書く、勤務開始前に情報収集や準備をする、休憩時間中にナースコール対応をする、といった状態が続いている場合は注意が必要です。

残業が発生した場合は、原則として適切に申請し、残業代が支払われる必要があります。細かな判断は職場のルールや雇用契約にも関わるため、疑問がある場合は上司や事務担当、必要に応じて労働相談窓口などに確認しましょう。

大切なのは、「介護職だからサービス残業は仕方ない」と思い込まないことです。

介護職の残業がつらいと感じる理由

体力的な疲れが抜けにくくなる

介護職は身体を使う場面が多い仕事です。

移乗介助、入浴介助、排泄介助、立ち上がり介助、歩行介助など、勤務中は常に動いていることもあります。そのうえで残業が続くと、体力的な疲れが抜けにくくなります。

特に、腰や肩に負担がかかる業務が多い職場では、疲労が蓄積しやすいです。疲れた状態で介助を続けると、自分の体を痛めるだけでなく、利用者さんの安全にも影響する可能性があります。

介護職は、頑張れば頑張るほど評価されるように感じることもあります。しかし、身体を壊してしまうと働き続けることが難しくなります。

無理を感じたら、早めに上司へ相談し、業務量や担当内容を確認することが大切です。

夜勤や早番・遅番と残業が重なると生活リズムが崩れやすい

介護職はシフト勤務が多く、早番、日勤、遅番、夜勤などが組み合わさることがあります。

そこに残業が重なると、睡眠時間や食事の時間が乱れやすくなります。特に夜勤明けや遅番後の残業は、身体への負担を感じやすいです。

たとえば、遅番で帰宅が遅くなり、翌日が早番になるようなシフトでは、十分に休めないまま次の勤務に入ることがあります。

もちろん、シフトの組み方は施設や事業所によって違います。ただ、残業が多い職場では、勤務間の休息が取りにくくなり、疲れが慢性化しやすい点に注意が必要です。

無理を感じやすい組み合わせ

・遅番後の長い残業
・夜勤明けの会議や記録残業
・早番前日の退勤時間が遅い
・休日出勤と残業が続く
・休憩が取れないまま残業に入る

こうした状態が続く場合は、「自分の体力がないから」と責めるよりも、シフトや職場体制に無理がないか確認しましょう。

家庭やプライベートとの両立が難しくなる

残業が多いと、家庭やプライベートへの影響も出てきます。

家難しくなる

残業が多いと、家庭やプライベートへの影事、育児、介護、通院、趣味、勉強、休息など、仕事以外にも大切な時間があります。定時で帰れる前提で予定を立てていても、残業が続くと生活全体が崩れやすくなります。

特に子育て中の人や、家族の介護をしている人にとって、急な残業は大きな負担になります。

介護職は人の生活を支える仕事ですが、働く側の生活が犠牲になりすぎると長続きしません。

「自分だけ我慢すればいい」と考えすぎず、勤務時間や残業の多さが生活に合っているかを見直すことも大切です。

精神的に「終わりが見えない」と感じやすい

残業が多い職場では、精神的な負担も大きくなります。

「今日も帰れないかもしれない」「また記録が残る」「どうせ定時では終わらない」と感じるようになると、出勤前から気持ちが重くなることがあります。

また、残業しているのに評価されない、残業代が出ない、改善される気配がないという状況では、仕事への不満も強くなります。

介護職の仕事自体が嫌いではなくても、残業の多さによって「もう辞めたい」と感じる人もいます。

その場合は、介護職そのものが合わないと決めつける前に、今の職場の働き方が合っていない可能性も考えてみましょう。

残業が多い職場でまず確認したいこと

残業の原因が一時的なものか慢性的なものか

介護職で残業が多いと感じたら、まずは残業の原因を整理してみましょう。

一時的な人員不足や感染症対応、行事前、利用者さんの急な状態変化などで残業が増えることはあります。こうした場合は、一定期間を過ぎると落ち着く可能性もあります。

一方で、毎月のように残業が多い、特定の時間帯に必ず業務が終わらない、何年も改善されていないという場合は、慢性的な問題かもしれません。

確認すること見るポイント
残業の頻度毎日なのか、特定の日だけなのか
残業の時間30分程度か、1〜2時間以上続くのか
残業の理由急な対応か、通常業務が終わらないのか
残業する人全員なのか、特定の人に偏っているのか
改善の動き上司が把握し、対策しているか

残業の原因が見えると、相談の仕方も変わります。ただ「つらいです」と伝えるよりも、「記録時間が確保できず、毎回30分ほど残っています」と具体的に伝えた方が、上司も状況を把握しやすくなります。

残業代が正しく出ているか

残業が多い場合は、残業代が適切に支払われているかも確認しましょう。

介護職は責任感の強い人が多いため、「少しだけだから」「みんな申請していないから」と遠慮してしまうことがあります。

しかし、業務として必要な残業であれば、申請することはおかしなことではありません。むしろ、残業の実態を記録しないままにすると、職場側も業務量の問題を把握しにくくなります。

確認したいのは、以下のような点です。

・残業申請のルールが明確か
・タイムカードと実際の勤務時間に差がないか
・記録や申し送りの時間も業務として扱われているか
・休憩中の対応が勤務扱いになっているか
・残業代の計算方法を説明してもらえるか

不明点がある場合は、給与明細や就業規則、雇用契約書を確認しましょう。判断に迷う場合は、職場の事務担当や外部の相談窓口に確認することも選択肢です。

業務分担に偏りがないか

残業が多い職場では、業務が特定の人に偏っていることがあります。

たとえば、経験者だけに難しい利用者さんの対応が集中している、新人が雑務を多く任されている、リーダーが記録や家族対応を抱え込みすぎている、といった状態です。

業務分担に偏りがあると、一部の職員だけが残業し続けることになります。

介護現場では、利用者さんごとの対応に慣れている職員が担当する方が安全な場合もあります。ただし、それが続きすぎると負担が偏り、職員の疲弊につながります。

見直したいポイント

・毎回同じ人だけが残っていないか
・新人に説明なく雑務が集中していないか
・リーダー業務が一人に偏っていないか
・記録や申し送りの担当が明確か
・忙しい時間帯の応援体制があるか

自分だけが残業していると感じる場合は、感情的に伝えるのではなく、「どの業務が勤務時間内に終わっていないか」を整理して相談すると話しやすくなります。

休憩が取れているか

残業が多い職場では、休憩も十分に取れていないことがあります。

休憩が取れないまま働き続け、その後さらに残業する状態は、心身への負担が大きくなります。

介護現場では、利用者さんの対応が重なって休憩がずれることもあります。しかし、休憩が毎回取れない、休憩中も呼び出される、実質的に休めていないという場合は注意が必要です。

休憩は、ただ体を休めるだけではありません。集中力を保ち、安全に介助するためにも必要な時間です。

残業が多いときほど、「休憩が取れているか」も合わせて確認しましょう。

残業がつらいときの現実的な対処法

まずは残業の内容を記録してみる

残業が多くてつらいと感じたら、まずは自分の残業内容を簡単に記録してみましょう。

何時まで残ったのか、何の業務で残ったのか、なぜ勤務時間内に終わらなかったのかをメモしておくと、相談するときに役立ちます。

たとえば、以下のように整理できます。

・18:00退勤予定だったが、記録が終わらず18:40退勤
・入浴介助が押して、午後の記録時間が取れなかった
・急な排泄介助が重なり、申し送り準備が遅れた
・欠勤者がいて、フロア対応が一人少なかった
・新人指導をしながら通常業務を行い、記録が後回しになった

このように具体的に記録しておくと、「自分の段取りが悪いだけなのか」「業務量が多すぎるのか」を見分けやすくなります。

また、残業代の確認にもつながります。

上司には「困っている業務」を具体的に伝える

残業について相談するときは、「残業が多くてつらいです」だけではなく、何に困っているのかを具体的に伝えることが大切です。

たとえば、次のような伝え方があります。

相談するときの伝え方

「最近、遅番のときに就寝介助と記録が重なり、退勤時間を過ぎることが増えています。記録を書く時間をどこで確保すればよいか相談したいです。」

「入浴介助の日は午後の業務が押して、毎回30分ほど残業になっています。業務分担を一度確認していただくことはできますか?」

「新人対応と通常業務が重なると、記録が勤務時間内に終わりません。優先順位のつけ方を教えていただきたいです。」

ポイントは、誰かを責める言い方ではなく、業務を安全に進めるために相談する姿勢で伝えることです。

介護の現場では、感情的な不満として伝えるよりも、利用者さんの安全や業務改善と結びつけて話した方が受け止めてもらいやすくなります。

自分で抱え込まず、優先順位を確認する

介護職は、目の前の仕事を全部自分で終わらせようとしてしまう人も多いです。

しかし、忙しい現場では、すべてを完璧に一人で抱え込むと残業が増えやすくなります。

特に未経験者や新人のうちは、何を優先すべきか判断に迷うことがあります。利用者さんの安全に関わる業務、時間が決まっている業務、後で対応できる業務を分けることが大切です。

ただし、優先順位は自己判断だけで決めないようにしましょう。介助や体調変化に関わる内容は、上司、先輩、看護師などに確認することが必要です。

優先順位で迷ったとき

・利用者さんの安全に関わることはすぐ確認する
・服薬、食事、排泄、転倒リスクなどは後回しにしない
・記録が遅れる場合は先に報告する
・一人で判断せず、リーダーに相談する
・「何からやればよいですか」と具体的に聞く

「聞くこと」は迷惑ではありません。むしろ、確認しながら動くことは介護現場では大切な姿勢です。

体調に影響が出ているなら早めに相談する

残業が多い状態が続き、体調に影響が出ている場合は早めに相談しましょう。

たとえば、以下のような状態が続く場合は注意が必要です。

・疲れが取れない
・出勤前に強い憂うつ感がある
・眠れない、または寝ても疲れが残る
・腰痛や肩の痛みが悪化している
・ミスが増えている
・食欲が落ちている
・休日も仕事のことばかり考えてしまう

介護職は、利用者さんを支える仕事です。しかし、自分の健康を大きく削ってまで続ける必要はありません。

体調不良がある場合は、職場の上司だけでなく、必要に応じて医療機関や専門の相談先にもつなげましょう。

転職や職場選びで残業を見直すポイント

求人票の「残業少なめ」だけで判断しない

転職を考えるとき、「残業少なめ」「月平均残業時間〇時間」と書かれた求人を見ることがあります。

もちろん参考にはなりますが、それだけで安心するのは注意が必要です。求人票の数字だけでは、実際の働き方までは見えにくいからです。

たとえば、月平均残業時間が少なく見えても、部署やフロアによって差がある場合があります。また、残業申請しにくい雰囲気がある職場では、実態が数字に表れにくいこともあります。

応募前や面接時には、残業の有無だけでなく、なぜ残業が発生するのか、残業した場合の扱いはどうなるのかまで確認しましょう。

面接で残業について聞くときの質問例

残業について面接で聞くのは、悪いことではありません。

ただし、「残業はしたくありません」とだけ伝えると、働く意欲が低いと誤解されることがあります。聞き方を工夫し、業務理解のために確認する形にすると自然です。

面接で聞きたい質問

「月の残業時間は平均でどのくらいありますか?」
「残業が発生しやすい業務や時間帯はありますか?」
「記録は勤務時間内に行う時間がありますか?」
「残業申請のルールについて教えていただけますか?」
「急な欠勤が出た場合のフォロー体制はありますか?」
「未経験者の場合、慣れるまで業務量は調整されますか?」

質問するときは、「長く働きたいので、働き方を事前に確認したい」という姿勢で伝えるとよいでしょう。

残業について曖昧にしか答えてもらえない場合や、「みんな頑張っているから」と精神論で返される場合は、慎重に判断した方が安心です。

職場見学では職員の動きと表情を見る

残業が多い職場かどうかは、求人票や面接だけではわかりにくいことがあります。

可能であれば、職場見学をさせてもらいましょう。見学では、設備のきれいさだけでなく、職員の動きや雰囲気も見ることが大切です。

職場見学チェックリスト

□ 職員が常に小走りで動いていないか
□ 利用者さんへの声かけが雑になっていないか
□ 職員同士が質問し合える雰囲気か
□ 記録を書くスペースや時間がありそうか
□ フロアに職員が極端に少なくないか
□ 休憩中の職員がきちんと休めていそうか
□ 管理者やリーダーが現場を把握していそうか

忙しい職場がすべて悪いわけではありません。介護現場はどこでも一定の忙しさがあります。

ただし、職員に余裕がまったくなく、声かけも荒く、質問しづらそうな雰囲気がある場合は注意しましょう。

施設形態によって残業の出方が違う

介護職の残業は、施設形態によっても傾向が異なります。

入所施設では、早番・遅番・夜勤の引き継ぎや、食事・排泄・就寝介助の時間帯に業務が集中しやすいです。デイサービスでは、送迎時間やレクリエーション、記録、片づけなどで残業が発生することがあります。訪問介護では、移動時間や利用者さん宅での急な対応が影響する場合があります。

働く場所残業が発生しやすい場面
特養・老健・有料老人ホーム食事介助、就寝介助、記録、申し送り
グループホーム少人数対応、調理、記録、急な利用者対応
デイサービス送迎、片づけ、記録、翌日の準備
訪問介護移動、予定変更、記録、報告
小規模多機能通い・泊まり・訪問の切り替え対応

どの職場にも残業が発生する可能性はあります。大切なのは、残業の有無だけでなく、残業が発生したときに適切に管理されているかです。

残業が多い介護職を続けるか見直すかの判断基準

改善の余地がある職場かどうかを見る

残業が多くても、すぐに辞めるべきとは限りません。

一時的な人手不足や繁忙期であれば、相談や業務調整によって改善する可能性もあります。また、上司が現場の状況を聞いてくれたり、シフトや業務分担を見直してくれたりする職場なら、働き続けながら改善を待てる場合もあります。

一方で、何度相談しても変わらない、残業代が出ない、体調不良を伝えても取り合ってもらえないという場合は、慎重に考える必要があります。

判断ポイント

・残業の原因を上司が把握しているか
・相談したときに改善策を考えてくれるか
・残業代が適切に支払われているか
・業務分担の見直しがあるか
・体調への配慮があるか
・新人や未経験者を放置していないか

「忙しいけれど相談できる職場」と「忙しさを個人の責任にする職場」では、働きやすさが大きく違います。

介護職そのものが嫌なのか、今の職場が合わないのか分けて考える

残業が多いと、介護職そのものが嫌になってしまうことがあります。

しかし、実際には「介護の仕事が嫌」なのではなく、「今の職場の働き方が合っていない」だけの場合もあります。

たとえば、利用者さんと関わることは嫌いではない、介助の仕事にはやりがいを感じる、でも残業や人手不足がつらいという場合は、職場を変えることで働きやすくなる可能性があります。

介護職には、入所施設、デイサービス、訪問介護、グループホーム、サ高住、夜勤なしの職場、パート勤務など、さまざまな働き方があります。

今の職場だけを基準に、「自分は介護に向いていない」と決めつけないようにしましょう。

無理を続ける前に働き方を変える選択肢もある

残業が多く、心身への負担が大きい場合は、働き方を変えることも選択肢です。

たとえば、以下のような見直し方があります。

・夜勤ありから日勤のみへ変える
・正社員からパートへ切り替える
・入所施設からデイサービスへ移る
・人員体制が整った施設へ転職する
・通勤時間が短い職場を選ぶ
・記録システムが整った職場を探す
・残業代や休憩管理が明確な法人を選ぶ

働き方を変えることは、逃げではありません。長く介護職を続けるための調整でもあります。

特に、残業の多さで体調を崩している場合は、「もう少し我慢すれば慣れる」と考えすぎないことが大切です。

辞める前に確認しておきたいこと

退職や転職を考える前に、確認できることもあります。

すぐに辞めると決める前に、次の点を整理してみましょう。

辞める前の整理リスト

□ 残業が多い理由を具体的に説明できる
□ 上司やリーダーに相談したことがある
□ 残業代の支払い状況を確認した
□ 業務分担やシフト変更の余地を聞いた
□ 体調への影響を自分で把握している
□ 他の職場の求人条件を比較した
□ 介護職を続けたい気持ちがあるか考えた

相談しても改善が見込めない場合や、心身への負担が大きい場合は、転職を考えてもよいでしょう。

大切なのは、限界まで我慢してから動くのではなく、余力があるうちに情報を集めることです。

まとめ

介護職で残業が多いと感じる理由には、人手不足、記録業務、急な利用者対応、業務分担の偏り、職場の雰囲気など、さまざまな要因があります。

介護の仕事は利用者さんの生活を支えるため、予定通りに進まないこともあります。しかし、毎日のように残業が続く場合や、サービス残業が当たり前になっている場合は、仕方ないと我慢し続ける必要はありません。

まずは、残業の原因を整理し、上司に具体的に相談してみることが大切です。それでも改善されない場合は、職場や働き方を見直すことも現実的な選択肢になります。

この記事のまとめ

・介護職の残業が多い理由は、急な対応や記録、人手不足などが関係している
・残業が毎日続く場合は、個人の努力だけでなく職場体制を確認することが大切
・記録残業やサービス残業が当たり前になっている職場は注意が必要
・残業がつらいときは、業務内容や残業時間を記録して具体的に相談する
・求人票だけでなく、面接や職場見学で残業の実態を確認する
・今の職場が合わないだけで、介護職そのものが向いていないとは限らない

介護職は大変な面もありますが、職場によって働きやすさは大きく変わります。

残業が多くてつらいと感じているなら、自分を責める前に、今の働き方が本当に無理なく続けられるものかを見直してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました