介護職の残業時間はどれくらい?多い職場の特徴と確認すべきポイントを解説

介護施設の事務スペースに積み重なる記録書類と壁掛け時計、奥で続く介助の様子が、残業時間の実態を考える職場環境を表したイラスト 6-3.残業

介護職で働くことを考えたとき、気になることの一つが残業時間がどれくらいあるのかではないでしょうか。

求人票には「残業ほぼなし」「月平均残業少なめ」と書かれていても、実際の現場では記録、申し送り、急な対応、人手不足などで勤務時間を過ぎてしまうことがあります。

特に未経験の人は、介護職の仕事内容だけでなく、残業が多い職場なのか、自分の生活と両立できるのかも気になるはずです。

この記事では、介護職の残業時間の目安、多くなりやすい職場の特徴、求人や面接で確認すべきポイントを解説します。

この記事でわかること

・介護職の残業時間の目安
・残業が発生しやすい介護現場の場面
・残業時間が多い職場に見られる特徴
・求人票の「残業少なめ」を見るときの注意点
・面接や職場見学で確認したい質問
・残業がつらいと感じたときの見直し方

  1. 介護職の残業時間はどれくらいが目安なのか
    1. 平均だけを見ると少なく見えることもある
    2. 月5時間以内なら少なめ、月20時間を超えると負担を感じやすい
    3. 施設形態や役職によって残業時間は変わる
    4. 「残業なし」と「残業できない」は意味が違う
  2. 介護職で残業が発生しやすい場面
    1. 記録が勤務時間内に終わらない
    2. 申し送りや引き継ぎが長引く
    3. 急な対応や利用者さんの変化がある
    4. 人手不足で業務が後ろ倒しになる
  3. 残業時間が多い介護職場に見られる特徴
    1. 退勤間際に仕事が集中している
    2. 記録時間がシフトに組み込まれていない
    3. 「みんな残っているから帰りにくい」雰囲気がある
    4. リーダーや正社員に負担が偏っている
  4. 求人票で残業時間を見るときの注意点
    1. 「月平均残業時間」の数字だけで判断しない
    2. 固定残業代がある場合は内容を確認する
    3. 「残業ほぼなし」の理由を聞く
    4. 職場見学では退勤前の雰囲気を見る
  5. 面接で確認したい残業時間の質問
    1. 直接「残業は多いですか」と聞いてもよい
    2. 未経験者は「独り立ちまでの残業」も確認する
    3. 残業代の申請ルールは具体的に聞く
    4. 生活との両立が必要なら最初に伝える
  6. 残業時間がつらいと感じたときの見直し方
    1. まずは自分の残業内容を書き出す
    2. 仕事が遅いだけだと自分を責めすぎない
    3. 上司に相談するときは具体的に伝える
    4. 無理が続くなら職場を変える選択肢もある
  7. 介護職の残業時間は「量」と「中身」を見て判断しよう
    1. 残業が少ない職場は仕組みが整っている
    2. 残業時間が同じでも負担感は違う
    3. 未経験者は残業が少ないだけでなく教えてもらえる職場を選ぶ
    4. 介護職を続けるなら働き方を定期的に見直す
  8. まとめ

介護職の残業時間はどれくらいが目安なのか

平均だけを見ると少なく見えることもある

介護職の残業時間は、施設形態や人員配置、勤務体制によって大きく変わります。

公益財団法人介護労働安定センターの令和6年度「介護労働実態調査」では、労働者調査における1週間の平均残業時間は1.7時間、「残業なし」は56.6%とされています。職位別では、管理職や主任・リーダーなどのまとめ役の残業時間が長くなる傾向も示されています。

この数字だけを見ると、介護職の残業はそれほど多くないように感じるかもしれません。

ただし、これはあくまで調査上の平均です。実際には、ほとんど残業がない職場もあれば、毎日のように30分〜1時間以上残る職場もあります。

また、残業として申請されていない時間、いわゆるサービス残業がある場合、実感としての負担と数字が一致しないこともあります。

押さえておきたい点

介護職の残業時間は、平均だけで判断しないことが大切です。
「月何時間か」だけでなく、残業が発生する理由と、残業代がきちんと出るかまで確認しましょう。

月5時間以内なら少なめ、月20時間を超えると負担を感じやすい

介護職の残業時間は、月に数時間程度であれば「少なめ」と感じる人が多いです。

たとえば、月5時間以内であれば、1日あたりにすると数分〜15分程度の残業です。記録や申し送りで少し残る日がある、という程度なら生活への影響は比較的小さいかもしれません。

一方で、月20時間を超えてくると、勤務後の疲れが抜けにくくなったり、家事や育児、睡眠時間に影響が出たりしやすくなります。

介護職は身体を使う仕事でもあるため、残業時間が長くなると、単に「時間が長い」だけでなく、体力面の負担も大きくなります。

目安としては、次のように考えるとわかりやすいです。

月の残業時間現場でのイメージ注意したいこと
0〜5時間程度残業は少なめ記録や申し送りで少し残る程度
5〜15時間程度職場によってはよくある範囲日によって負担を感じることがある
15〜30時間程度多いと感じやすい人手不足や業務量を確認したい
30時間以上かなり負担が大きい心身への影響や残業代の扱いを確認する

もちろん、残業時間の感じ方は人によって違います。

夜勤ありの正社員、日勤のみのパート、子育て中の人、ダブルワークをしている人では、同じ残業時間でも負担の大きさが変わります。

施設形態や役職によって残業時間は変わる

介護職といっても、働く場所によって残業の出方は違います。

特養や有料老人ホーム、老健などの入所施設では、食事介助、排泄介助、入浴介助、記録、申し送りなどが時間ごとに組まれています。急な体調変化や転倒対応があると、予定通りに業務が終わらないことがあります。

デイサービスでは、送迎の遅れ、レクリエーション準備、記録、翌日の準備などで残業が発生することがあります。特に送迎ルートが広い職場では、道路状況によって勤務終了時間がずれやすくなります。

訪問介護では、利用者宅の移動時間、サービス提供記録、予定外の対応などが残業につながることがあります。ただし、シフトや登録ヘルパーの働き方によっても大きく異なります。

また、一般職よりも主任、リーダー、管理者に近い立場になるほど、シフト作成、家族対応、会議、スタッフ指導などが増え、残業時間が長くなることがあります。

「残業なし」と「残業できない」は意味が違う

求人票に「残業なし」と書かれている場合でも、必ずしも働きやすいとは限りません。

本当に業務が整理されていて残業がない職場もあります。一方で、「残業は認めないが、時間内に終わらない分は自分で何とかしてほしい」という雰囲気の職場もあります。

この場合、休憩時間に記録を書いたり、勤務開始前に準備をしたり、退勤後に少し残って片づけをしたりすることがあります。

問題は、働いた時間がきちんと労働時間として扱われているかです。

厚生労働省は、法定労働時間を原則1日8時間・1週40時間以内とし、時間外・休日労働には36協定の締結が必要で、法定労働時間を超えた分には割増賃金が支払われると説明しています。

「残業が少ない」と「残業を申請しにくい」はまったく違います。求人を見るときは、その違いに注意しましょう。

介護職で残業が発生しやすい場面

記録が勤務時間内に終わらない

介護職の残業で多いのが、記録業務です。

介護記録、排泄記録、食事量、水分量、入浴記録、事故報告書、ヒヤリハット報告書など、現場では多くの記録があります。

利用者さんの状態を正確に残すことは、介護の安全やチーム連携に欠かせません。そのため、記録そのものは大切な業務です。

しかし、日中の介助が立て込んでいると、記録を書く時間が後回しになります。結果として、勤務終了後にまとめて記録を書くことになり、残業時間が増えてしまいます。

特に未経験のうちは、何を書けばよいか迷いやすく、記録に時間がかかることがあります。

ただし、これは慣れだけの問題とは限りません。記録システムが使いにくい、記録項目が多すぎる、記録時間がシフト内に確保されていない職場では、経験者でも残業になりやすいです。

申し送りや引き継ぎが長引く

介護職では、早番、日勤、遅番、夜勤など、勤務者が入れ替わりながら利用者さんを支えます。

そのため、申し送りや引き継ぎはとても重要です。

たとえば、次のような内容は共有が必要です。

・食事量や水分摂取量の変化
・排泄状況
・転倒リスクやふらつき
・皮膚トラブル
・不穏や介助拒否の様子
・家族からの連絡
・看護師や相談員への報告事項

ただし、申し送りの内容が整理されていないと、必要以上に時間がかかります。

また、勤務終了直前に利用者さんの対応が重なり、申し送りが遅れて始まることもあります。

「大事なことを伝えなければ」という気持ちがある一方で、毎回のように申し送りが長引く職場では、残業が積み重なりやすくなります。

ポイント

申し送りで残業が増える職場は、個人の話し方だけでなく、申し送りのルールや記録の共有方法に課題がある場合もあります。

急な対応や利用者さんの変化がある

介護現場では、予定通りに進まないことがよくあります。

利用者さんの体調変化、転倒、発熱、嘔吐、急な不穏、ナースコールの集中などがあると、通常業務が止まることがあります。

このような対応は、残業を避けるために無理やり省略できるものではありません。

特に入所施設では、夕食前後、就寝介助の時間帯、夜勤への引き継ぎ前などに対応が重なると、勤務終了時間を過ぎることがあります。

また、事故やヒヤリハットがあった場合は、報告書や家族・看護師・上司への報告が必要になることもあります。

このような残業は、介護職の仕事の性質上、完全にゼロにするのは難しい面があります。

ただし、急な対応が毎日のように起きている場合は、利用者さんの状態に対して人員配置や業務分担が合っていない可能性もあります。

人手不足で業務が後ろ倒しになる

介護職の残業時間が増える大きな原因の一つが人手不足です。

本来は複数人で行うはずの入浴介助、排泄介助、食事介助、見守り、記録などを少ない人数で回していると、一つひとつの業務が後ろ倒しになります。

たとえば、入浴介助が長引くと、その後の記録やフロア対応が遅れます。排泄介助が重なると、食事準備や片づけが遅れます。

その結果、勤務時間内に終わらない業務が残り、退勤後に片づけや記録をする流れになりやすいです。

人手不足の職場では、職員同士も余裕がなくなりがちです。質問しにくい、相談しづらい、ミスを責められやすい雰囲気になることもあります。

残業時間だけでなく、人員不足が慢性化していないかを見ることが大切です。

残業時間が多い介護職場に見られる特徴

退勤間際に仕事が集中している

残業が多い職場では、勤務終了前に仕事が集中しやすい傾向があります。

たとえば、日勤の終わりに記録、申し送り、片づけ、翌日の準備、利用者対応が一気に重なる職場です。

業務の流れが整理されていないと、毎日同じ時間帯にバタバタします。

特に夕方は、食事準備、トイレ誘導、帰宅願望、不穏、家族対応などが重なることがあります。ここに記録や申し送りが加わると、定時で帰るのが難しくなります。

もちろん、介護現場では突発的な対応もあります。

しかし、毎回同じ時間に残業が発生しているなら、突発対応ではなく、業務設計に問題がある可能性があります。

記録時間がシフトに組み込まれていない

記録は介護職の大事な仕事です。

それにもかかわらず、記録を書く時間がシフト上にまったく確保されていない職場では、残業が発生しやすくなります。

「空いた時間に書いてください」と言われても、現場ではなかなか空き時間がありません。

利用者さんの見守り、ナースコール、トイレ誘導、食事介助、入浴介助などが続くと、記録に集中する時間を取れないことがあります。

記録時間を確保する工夫がある職場では、次のような対策がされています。

・記録担当の時間を決めている
・タブレットやスマホでその場入力できる
・申し送りと記録の重複を減らしている
・記録の書き方を統一している
・新人には記録例を共有している

反対に、記録のルールが曖昧で、職員ごとに書き方が違う職場では、確認や修正にも時間がかかります。

未経験者が残業を減らすには、本人の努力だけでなく、記録しやすい仕組みがあるかも重要です。

「みんな残っているから帰りにくい」雰囲気がある

残業時間が多い職場では、業務量だけでなく雰囲気も影響します。

自分の仕事が終わっていても、先輩が残っていると帰りにくい。定時で帰ろうとすると、冷たい目で見られる。こうした空気があると、残業が当たり前になりやすいです。

介護職はチームで働く仕事なので、周囲への配慮は大切です。

ただし、必要な業務が終わっているのに、雰囲気だけで残る状態が続くのは健全とはいえません。

特に未経験者は、「先輩より先に帰っていいのかな」と不安になりやすいです。

そのため、職場側が「終わった人から帰る」「残る必要がある場合はリーダーが指示する」など、ルールを明確にしているかが大切です。

注意したい職場の空気

・定時で帰る人が悪く見られる
・残業申請をすると嫌な顔をされる
・休憩中に記録を書くのが普通になっている
・新人が早く来て準備するのが暗黙のルールになっている
・「介護職だから仕方ない」で片づけられる

このような雰囲気がある職場では、残業時間が数字に表れにくい場合もあります。

リーダーや正社員に負担が偏っている

介護職の残業は、全員に同じように発生するとは限りません。

正社員、リーダー、夜勤者、経験者に負担が偏ることがあります。

たとえば、急な欠勤が出たときに正社員が残る。新人のフォローをリーダーがすべて担当する。家族対応や事故報告を一部の職員だけが行う。こうした状態が続くと、特定の人だけ残業時間が増えます。

未経験で入職する場合、最初から大きな残業を任されることは少ないかもしれません。

しかし、慣れて正社員として中心的な役割を担うようになると、シフト調整、委員会、会議、後輩指導などが増える場合があります。

そのため、求人を見るときは「今の残業時間」だけでなく、将来的に役割が増えたときの負担も考えておくと安心です。

求人票で残業時間を見るときの注意点

「月平均残業時間」の数字だけで判断しない

求人票には「月平均残業時間」が書かれていることがあります。

これは参考になりますが、数字だけで安心するのは注意が必要です。

たとえば、月平均5時間と書かれていても、人によっては0時間、リーダーは20時間というように差がある場合があります。

また、繁忙期や人手不足の時期だけ残業が増える職場もあります。

見るべきなのは、平均時間だけではありません。

求人票で見る項目確認したいこと
月平均残業時間誰の平均か、職種別か
残業代何分単位で支給されるか
固定残業代基本給に含まれていないか
勤務時間早番・遅番・夜勤の終了時間
休憩時間実際に取れる雰囲気か
業務内容記録や会議が時間内に入っているか

求人票の残業時間は、応募前の参考材料です。

本当に確認したいことは、面接や職場見学で聞く必要があります。

固定残業代がある場合は内容を確認する

求人によっては、固定残業代が含まれている場合があります。

固定残業代とは、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含める仕組みです。

固定残業代があること自体がすぐに悪いわけではありません。ただし、内容を確認しないまま入職すると、「思ったより基本給が低かった」「残業しても追加で出ないと思っていた」などの誤解につながることがあります。

確認したいのは、次の点です。

・固定残業代が何時間分なのか
・基本給と固定残業代が分けて記載されているか
・固定時間を超えた分は追加支給されるか
・実際の残業時間が固定時間より大幅に少ないか多いか
・夜勤手当や資格手当とは別に扱われているか

給与欄を見るときは、総額だけでなく内訳を見ることが大切です。

特に介護職では、夜勤手当、資格手当、処遇改善手当、固定残業代などが混ざると、実際の基本給がわかりにくくなることがあります。

「残業ほぼなし」の理由を聞く

求人票に「残業ほぼなし」と書かれている場合は、その理由を確認しましょう。

本当に働きやすい職場では、残業が少ない理由を具体的に説明できます。

たとえば、次のような理由です。

・記録時間をシフト内に確保している
・ICT記録を導入している
・業務分担が明確になっている
・申し送りを短時間で行う仕組みがある
・残業が必要な場合はリーダーが判断する
・職員数に余裕を持たせている

一方で、「うちは残業しない方針です」だけで具体的な説明がない場合は注意が必要です。

残業しない方針でも、業務量が減っていなければ、どこかに負担が出ます。

休憩時間に仕事をしている、早く出勤して準備している、退勤後に記録をしているなど、見えにくい負担がないか確認しましょう。

職場見学では退勤前の雰囲気を見る

職場見学ができる場合は、できれば夕方や勤務交代の時間帯の雰囲気を見ると参考になります。

残業が多い職場は、退勤前の時間に慌ただしさが出やすいです。

もちろん、見学の時間だけで職場全体を判断することはできません。それでも、職員の表情、声かけ、申し送りの様子、記録の仕方などから見えることはあります。

見学で見たいポイントは次のとおりです。

職場見学で見たいポイント

□ 職員が走り回るように動いていないか
□ 記録を勤務中に書けているか
□ 申し送りが整理されているか
□ 職員同士が質問しやすそうか
□ 利用者さんへの声かけが雑になっていないか
□ 退勤時間が近い職員が帰れそうな雰囲気か

残業時間が多い職場では、職員に余裕がなくなり、利用者さんへの対応にも影響が出ることがあります。

働きやすさだけでなく、介護の質を見る意味でも、現場の雰囲気は大切です。

面接で確認したい残業時間の質問

直接「残業は多いですか」と聞いてもよい

面接で残業時間について聞くのは失礼ではありません。

介護職はシフト制で生活リズムに影響しやすい仕事です。残業時間を確認することは、働き方を考えるうえで自然なことです。

ただし、聞き方には少し工夫するとよいです。

「残業はありますか?」だけだと、「あります」「少ないです」で終わってしまうことがあります。

具体的には、次のように聞くと確認しやすいです。

面接で聞きたい質問

「月の平均残業時間はどれくらいですか?」
「残業が発生しやすいのは、どの業務のときですか?」
「記録は勤務時間内に書く時間がありますか?」
「残業が必要な場合は、誰が判断しますか?」
「残業代は何分単位で申請できますか?」

このように聞くと、残業の有無だけでなく、職場の管理体制も見えやすくなります。

未経験者は「独り立ちまでの残業」も確認する

未経験で介護職を始める場合は、入職直後の残業についても確認しておきましょう。

新人のうちは、仕事を覚えるために時間がかかります。記録、申し送り、介助の準備、物品の場所など、慣れるまでは一つひとつ確認が必要です。

そのため、最初のうちは少し時間がかかること自体は自然です。

ただし、「新人だから早く来て覚えて」「勤務後に残って記録を練習して」という雰囲気が強すぎる職場は注意が必要です。

未経験者が確認したいのは、次のような内容です。

・最初はどの業務から担当するか
・同行期間はどれくらいあるか
・記録の書き方を教えてもらえるか
・独り立ちまでの目安はあるか
・わからないことを勤務中に質問できるか
・新人が残業になりやすい業務は何か

未経験者にとって大切なのは、残業時間がゼロかどうかだけではありません。

わからないことを確認しながら働ける環境かが重要です。

残業代の申請ルールは具体的に聞く

残業時間を確認するときは、残業代の申請ルールも聞いておきましょう。

介護職では、勤務時間を少し過ぎることがあっても、「このくらいは申請しない」という空気がある職場もあります。

しかし、業務として行っている時間であれば、労働時間として扱われるべきです。

確認したいポイントは次のとおりです。

確認内容聞き方の例
申請単位「残業代は何分単位で申請できますか?」
承認者「残業が必要な場合は誰に報告しますか?」
記録業務「退勤後の記録は残業扱いになりますか?」
会議・委員会「勤務時間外の会議は手当や残業扱いになりますか?」
前残業「勤務開始前の準備が必要な場合はありますか?」

残業代について聞いたときに、説明が曖昧だったり、嫌な顔をされたりする場合は注意が必要です。

働く側にとって、給与や労働時間の確認は大切なことです。

生活との両立が必要なら最初に伝える

家庭、育児、介護、通院、ダブルワークなどがある人は、残業できる範囲を事前に考えておきましょう。

「残業は一切できません」と伝える必要がある場合もありますし、「月数時間なら可能」「急な残業は難しいが、事前にわかれば対応できる」という人もいるでしょう。

大切なのは、入職後に無理が出ないようにすることです。

介護職はシフトで動くため、急な欠勤や人手不足があると協力を求められることがあります。

ただし、毎回無理をしていると、長く続けるのが難しくなります。

面接では、次のように伝えると角が立ちにくいです。

伝え方の例

「家庭の都合があり、急な長時間残業は難しいです。ただ、事前にわかる範囲であれば相談しながら対応したいと考えています。」

「長く働きたいので、残業時間の目安を事前に確認させていただきたいです。」

残業できるかどうかだけでなく、無理なく続けられる働き方を相談する姿勢が大切です。

残業時間がつらいと感じたときの見直し方

まずは自分の残業内容を書き出す

今の職場で残業時間がつらいと感じている場合は、まず何に時間がかかっているのか整理してみましょう。

ただ「残業が多い」と感じているだけでは、改善点が見えにくいからです。

たとえば、次のように分けて考えます。

・記録で残っている
・申し送りが長引いている
・入浴介助が押している
・利用者対応が勤務終了前に重なる
・人手不足で片づけが残る
・会議や委員会が勤務後にある
・新人指導やフォローで残る

残業の理由が見えると、相談もしやすくなります。

「毎日30分残っています」だけでなく、「記録を書く時間が取れず、退勤後に30分ほど残っています」と伝えた方が、上司も改善を考えやすくなります。

残業を見直すメモ

□ 何時から何時まで残ったか
□ 何の業務で残ったか
□ 指示された残業か、自分の判断か
□ 残業申請できたか
□ 同じ業務で何回も残っているか

記録を残しておくことで、自分の負担を客観的に見やすくなります。

仕事が遅いだけだと自分を責めすぎない

未経験者や新人は、残業が続くと「自分の仕事が遅いからだ」と思ってしまうことがあります。

もちろん、慣れてくることで早くなる業務はあります。

記録の書き方、物品の場所、利用者さんごとの介助方法、申し送りのまとめ方などは、経験とともに身についていきます。

しかし、すべてを自分のせいにする必要はありません。

人手不足、業務量の多さ、教育不足、記録時間の不足、職場の雰囲気など、個人では解決できない原因もあります。

特に、次のような状態なら、本人の努力だけでは限界があります。

・毎日ほとんどの職員が残業している
・記録を書く時間がシフトにない
・休憩時間も仕事をしている
・残業申請しにくい雰囲気がある
・新人に十分な説明がないまま業務を任せている
・定時で帰る人が責められる

介護職として成長する努力は大切です。

ただし、合わない職場環境まで自分の責任にしないことも大切です。

上司に相談するときは具体的に伝える

残業がつらいときは、まず直属の上司やリーダーに相談しましょう。

相談するときは、感情だけで伝えるよりも、具体的な状況を整理して伝えるとよいです。

たとえば、次のような伝え方です。

相談の例

「最近、記録を書く時間が取れず、退勤後に30分ほど残る日が続いています。日中のどの時間に記録を進めるとよいか、業務の組み方を相談させてください。」

「申し送り前に排泄介助が重なることが多く、定時を過ぎてしまいます。役割分担を見直せる部分があるか確認したいです。」

このように伝えると、「残業が嫌です」だけではなく、改善したい内容が伝わります。

職場によっては、記録時間を調整してくれたり、業務分担を見直してくれたりすることがあります。

一方で、相談しても改善されない、残業を申請しづらい、体調に影響が出ている場合は、働き方そのものを見直す必要があります。

無理が続くなら職場を変える選択肢もある

残業時間が多く、心身に影響が出ている場合は、無理に続ける必要はありません。

介護職は職場によって働き方が大きく変わります。

同じ介護職でも、施設形態、利用者さんの介護度、人員配置、記録システム、シフト体制、管理者の考え方によって残業時間は違います。

残業がつらい場合は、次のような働き方を検討することもできます。

・日勤のみの職場に変える
・デイサービスなど勤務時間が比較的決まりやすい職場を探す
・パート勤務に切り替える
・夜勤なしの正社員求人を探す
・記録システムや業務分担が整った施設を選ぶ
・人員配置や残業代の扱いが明確な職場を選ぶ

もちろん、転職すれば必ず残業がなくなるわけではありません。

だからこそ、次の職場を選ぶときは、求人票だけでなく、面接や見学で残業時間の実態を確認することが大切です。

転職前に確認したいこと

□ 月平均残業時間だけでなく、残業理由を聞いたか
□ 記録時間が勤務内にあるか確認したか
□ 残業代の申請ルールを聞いたか
□ 人手不足が慢性化していないか見たか
□ 定時で帰りやすい雰囲気か確認したか
□ 自分の生活と両立できる勤務時間か考えたか

残業時間が原因で介護職そのものを嫌になっている人もいるかもしれません。

しかし、合わなかったのは介護職全体ではなく、今の職場の働き方だったという場合もあります。

介護職の残業時間は「量」と「中身」を見て判断しよう

残業が少ない職場は仕組みが整っている

介護職で残業が少ない職場には、いくつか共通点があります。

それは、職員の根性や気合いだけに頼っていないことです。

業務分担、記録時間、申し送り方法、残業申請のルールなどが整っている職場では、残業が増えにくくなります。

たとえば、記録をこまめに入力できる仕組みがある、申し送り内容が整理されている、入浴介助の人数が確保されている、急な対応が起きたときにリーダーが調整するなどです。

介護現場では、突発的な対応を完全になくすことはできません。

それでも、日常的な業務が整理されていれば、残業時間は抑えやすくなります。

職場選びでは、「残業が少ない」と書かれているかだけでなく、残業を少なくする仕組みがあるかを見ましょう。

残業時間が同じでも負担感は違う

同じ月10時間の残業でも、負担の感じ方は違います。

たとえば、事前に予定された会議で月10時間残る場合と、毎日突然30分ずつ残る場合では、生活への影響が変わります。

また、残業代がきちんと出る職場と、申請しにくい職場でも納得感は違います。

残業時間を見るときは、次のように「中身」も確認しましょう。

見るポイント負担が大きくなりやすい状態
発生タイミング毎日突然残ることが多い
残業理由人手不足や記録遅れが慢性化している
申請しやすさ残業代を申請しにくい
業務内容体力的に重い業務が勤務後に残る
改善姿勢相談しても見直されない

残業時間が多少あっても、理由が明確で、残業代が出て、改善する姿勢がある職場なら、納得して働けることもあります。

反対に、残業時間が短く見えても、休憩中や勤務前後に仕事をしているなら注意が必要です。

未経験者は残業が少ないだけでなく教えてもらえる職場を選ぶ

未経験者が介護職を選ぶときは、残業時間の少なさだけで職場を決めない方がよいです。

もちろん、残業が少ないことは大切です。

しかし、それ以上に大切なのは、教育体制や質問しやすさです。

未経験者は、最初から効率よく動けなくて当然です。利用者さんごとの介助方法、記録の書き方、声かけ、移乗介助、排泄介助、入浴介助など、覚えることがたくさんあります。

このとき、質問しやすい職場であれば、少しずつ慣れていけます。

一方で、人手不足で教える余裕がない職場では、わからないまま業務を抱え込み、残業が増えやすくなります。

未経験者は、次の点を特に確認しましょう。

未経験者の応募前チェック

□ 同行期間があるか
□ 最初に担当する業務が決まっているか
□ 記録の書き方を教えてもらえるか
□ 介助方法を確認できる先輩がいるか
□ 夜勤開始時期が早すぎないか
□ 残業が発生したときの相談先が明確か

残業時間を減らすためにも、最初にきちんと教えてもらえる環境は大切です。

介護職を続けるなら働き方を定期的に見直す

介護職は、人の生活を支えるやりがいのある仕事です。

一方で、身体的にも精神的にも負担がかかる場面があります。残業時間が増えると、その負担はさらに大きくなります。

最初は大丈夫だと思っていても、夜勤、シフト変更、人手不足、家庭の事情などが重なると、働き方が合わなくなることもあります。

だからこそ、定期的に自分の状態を見直すことが大切です。

・疲れが取れにくくなっていないか
・睡眠時間が削られていないか
・残業が当たり前になっていないか
・休みの日まで仕事の疲れを引きずっていないか
・残業代がきちんと支払われているか
・相談しても改善されない状態が続いていないか

介護職を長く続けるには、我慢だけでは限界があります。

自分の体調や生活を守りながら働ける職場を選ぶことも、介護職として続けていくために大切な判断です。

まとめ

介護職の残業時間は、平均だけを見ると少なく見えることもあります。

しかし、実際の残業時間は、施設形態、人員配置、記録業務、申し送り、急な対応、職場の雰囲気によって大きく変わります。

月5時間以内なら少なめと感じる人が多い一方で、月20時間を超えると生活や体調への影響を感じやすくなります。月30時間以上の残業が続く場合は、かなり負担が大きい働き方と考えてよいでしょう。

求人票を見るときは、「残業ほぼなし」「月平均残業少なめ」という言葉だけで判断しないことが大切です。

記録時間は勤務内にあるのか、残業代は何分単位で出るのか、残業が発生しやすい業務は何か、職場見学で職員が定時に帰れそうかなど、具体的に確認しましょう。

この記事のまとめ

・介護職の残業時間は職場によって差が大きい
・平均時間だけでなく、残業の理由と中身を見ることが大切
・記録、申し送り、急な対応、人手不足で残業が増えやすい
・求人票の「残業少なめ」は面接や見学で具体的に確認する
・未経験者は残業時間だけでなく、教育体制や質問しやすさも見る
・残業がつらい場合は、自分を責めすぎず働き方を見直してよい

介護職の残業時間は、ゼロでなければ悪いというものではありません。

大切なのは、残業が必要な理由が明確で、働いた時間がきちんと扱われ、無理なく続けられる環境かどうかです。

今の職場で残業がつらいと感じているなら、まずは残業の原因を整理し、上司に相談してみましょう。

それでも改善が難しい場合は、別の施設形態や働き方を検討することも選択肢です。

介護職は職場によって働きやすさが大きく変わります。残業時間の数字だけでなく、自分の生活と体調を守れる働き方かどうかを確認しながら、無理のない職場を選んでいきましょう。

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