介護士として働いていると、「毎月きちんと働いているのに手取りが少ない」「この給料では生活できないかもしれない」と感じることがあります。
介護の仕事は、早番・遅番・夜勤・土日勤務があり、身体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。それなのに、家賃、食費、光熱費、車の維持費、通信費などを払うと、手元に残るお金が少なく、不安になる人も少なくありません。
ただし、介護士の給料で生活できるかどうかは、給料の額面だけでは判断できません。手取り額、夜勤の有無、賞与、処遇改善手当、資格手当、家賃、扶養の有無、勤務先の給与制度によって大きく変わります。
この記事では、介護士の給料で生活できないと感じる理由、手取りが少なくなりやすい仕組み、そして収入を上げるために現実的に見直せるポイントを解説します。
この記事でわかること
・介護士の給料で生活できないと感じやすい理由
・額面と手取りの違いで見落としやすいポイント
・手取りが少ない職場にありがちな特徴
・今の職場で収入を上げるために確認したいこと
・転職で給料を上げるときに見るべき求人条件
・生活が厳しいときに無理を続けすぎない判断基準
介護士の給料で生活できないと感じるのはなぜか
額面より手取りが少なく感じやすい
求人票では「月給23万円」「月給25万円」などと書かれていても、実際に口座へ振り込まれる金額はそこから社会保険料や税金が引かれたあとの金額です。
そのため、額面だけを見て入職すると、初めて給料明細を見たときに**「思ったより少ない」**と感じることがあります。
介護士の給料で生活できないと感じる人の多くは、月給そのものよりも、実際の手取りと生活費の差に悩んでいます。
たとえば、額面が24万円あっても、手取りはおおよそ19万円前後になることがあります。そこから家賃、食費、光熱費、スマホ代、車のローン、保険料などを払うと、自由に使えるお金はかなり限られます。
特に一人暮らしの場合は、家賃と固定費の割合が大きくなりやすく、毎月しっかり働いていても貯金まで回らないことがあります。
介護の仕事量と給料のバランスに不満を感じやすい
介護職は、利用者さんの生活を支える仕事です。
食事介助、排泄介助、入浴介助、移乗介助、見守り、記録、申し送り、レクリエーション、清掃、洗濯、家族対応など、現場では多くの業務があります。
さらに、施設によっては人手不足の中で勤務することもあり、1人あたりの負担が大きくなる場合もあります。
そのため、手取り額だけを見ると、**「これだけ動いて、この給料なのか」**と感じてしまうことがあります。
これは甘えではありません。仕事の責任や身体的負担に対して、給料が見合っていないと感じるのは自然なことです。
ただし、介護職の給料は職場によって差があります。同じ介護士でも、夜勤回数、資格、施設形態、法人規模、賞与、各種手当によって年収は変わります。
平均給与と自分の手取りは別物として見る
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している施設・事業所の月給・常勤介護職員について、令和6年9月の平均給与額は338,200円、平均基本給等は253,810円とされています。なお、この平均給与額には基本給、手当、一時金などが含まれています。
この数字だけを見ると、「介護士でもそれなりにもらえるのでは」と感じるかもしれません。
しかし、ここで注意したいのは、平均給与額には賞与等にあたる一時金や各種手当が含まれている点です。実際の毎月の手取りとは違います。
また、平均はあくまで平均です。勤続年数が長い人、介護福祉士を持っている人、夜勤をしている人、役職についている人も含まれます。
そのため、未経験で入職したばかりの人や、日勤のみの介護士、パート勤務の人が同じ金額になるとは限りません。
確認しておきたい視点
介護士の給料を見るときは、平均給与だけで判断しないことが大切です。
自分の生活に関係するのは、毎月の手取り・賞与・夜勤手当・資格手当・処遇改善手当の実際の支給額です。
手取りが少なくなりやすい介護士の給料の仕組み
基本給が低く、手当で月給を作っている職場がある
介護士の給料で注意したいのは、月給の中身です。
求人票に「月給25万円」と書かれていても、その内訳を見ると、基本給が低く、夜勤手当、資格手当、処遇改善手当、固定手当などで金額が上がっていることがあります。
もちろん、手当があること自体は悪いことではありません。
ただし、基本給が低いと、賞与や退職金、昇給に影響する場合があります。賞与が「基本給の〇か月分」で計算される職場では、月給が高く見えても、賞与が思ったより少ないこともあります。
たとえば、同じ月給25万円でも、内訳によって印象は変わります。
| 月給の内訳 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 基本給が高い | 賞与や昇給に反映されやすい場合がある |
| 夜勤手当が多い | 夜勤を減らすと収入も下がりやすい |
| 処遇改善手当が大きい | 支給方法や配分ルールを確認したい |
| 固定残業代が含まれる | 実際の残業時間と見合っているか注意 |
| 資格手当込み | 資格がない場合の金額を確認する必要がある |
求人を見るときは、月給の総額だけでなく、基本給がいくらかを必ず確認しましょう。
夜勤ありきの給料になっている場合がある
介護施設では、夜勤手当が収入に大きく関わります。
夜勤を月4〜5回入ることで、手取りが数万円変わることもあります。そのため、夜勤をしている間は生活できても、体調不良や家庭の事情で夜勤を減らすと、一気に収入が下がる場合があります。
特に注意したいのは、求人票の月給が夜勤手当込みで表示されているケースです。
「月給26万円」と書かれていても、夜勤5回分を含んだ金額であれば、日勤だけになったときの月給はもっと低くなります。
求人で確認したいこと
・月給に夜勤手当は含まれているか
・夜勤1回あたりの手当はいくらか
・夜勤は月に何回ある想定か
・夜勤に入る時期はいつからか
・夜勤を減らした場合の月給はいくらになるか
夜勤は収入を上げやすい一方で、体への負担もあります。生活費のために夜勤を増やしすぎると、疲労が抜けず、仕事を続けること自体がつらくなる場合もあります。
処遇改善手当の支給方法が職場によって違う
介護職の給料には、処遇改善手当が関係することがあります。
厚生労働省の資料では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所において、介護職員の平均給与額は令和5年9月から令和6年9月にかけて13,960円増加したとされています。
ただし、処遇改善手当がどのように支給されるかは、職場によって違います。
毎月の手当として支給される職場もあれば、賞与に上乗せされる職場、一時金としてまとめて支給される職場もあります。また、介護職員以外の職種にも配分される場合があります。
そのため、同じ「処遇改善あり」と書かれていても、実際に自分の手取りがどれくらい増えるかは、入職前に確認しないとわかりません。
注意
「処遇改善手当あり」と書かれていても、金額や支給方法は職場によって違います。
求人票だけで判断せず、面接や内定前に毎月支給なのか、一時金なのか、賞与込みなのかを確認しましょう。
残業代や休日出勤が正しく支給されていないと苦しくなる
介護士の給料で生活できないと感じる背景には、残業代の問題もあります。
介護現場では、記録、申し送り、急な対応、家族対応、事故報告書、委員会業務などで勤務時間を過ぎることがあります。
本来、業務として必要な時間であれば、残業代の対象になる可能性があります。しかし、職場によっては「少しだから」「みんなやっているから」という雰囲気で、残業申請しにくい場合もあります。
毎日15分、30分の残業でも、積み重なると大きな時間になります。
手取りが少ないうえにサービス残業が多いと、実質的な時給はかなり下がります。
職場のルールや雰囲気もありますが、あまりにも残業申請ができない環境であれば、上司や事務担当に確認することが大切です。
介護士の給料で生活できるかを判断するポイント
手取りだけでなく固定費とのバランスを見る
介護士の給料で生活できるかどうかは、手取り額だけでは決まりません。
同じ手取り20万円でも、実家暮らしの人と一人暮らしの人では余裕が違います。車が必要な地域かどうか、家賃が高い地域かどうか、扶養家族がいるかどうかでも変わります。
まずは、自分の毎月の固定費を整理してみましょう。
| 支出項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 家賃 | 手取りの3分の1を大きく超えていないか |
| 光熱費 | 季節によって増える月を見込んでいるか |
| 食費 | 外食やコンビニが多くなっていないか |
| 通信費 | スマホ代やサブスクが負担になっていないか |
| 車関係 | ガソリン、保険、車検、ローンを含めているか |
| 借入返済 | 毎月の返済額が生活を圧迫していないか |
生活が苦しいと感じるときは、給料だけでなく固定費も一緒に見る必要があります。
ただし、支出を見直しても限界はあります。節約だけで解決しようとしすぎると、生活の余裕がなくなり、気持ちも追い込まれます。
収入を上げる視点と、支出を整える視点の両方が大切です。
一人暮らしでは家賃と車の負担が大きい
介護士の給料で生活できないと感じやすいのは、一人暮らしで家賃や車の維持費がある場合です。
地方では車がないと通勤や生活が不便な地域もあります。車を持っていると、毎月のガソリン代、保険料、駐車場代、ローン、車検代がかかります。
さらに家賃もあると、手取りの多くが固定費で消えてしまいます。
たとえば、手取り18万円で家賃6万円、車関係で3万円、光熱費と通信費で2万円かかると、それだけで11万円です。残りで食費、日用品、医療費、交際費、貯金を考えると、かなり厳しくなります。
この状態で急な出費があると、生活できないと感じるのは当然です。
生活費を見直すときの順番
- 家賃が手取りに対して重すぎないか
- 車の維持費が毎月どれくらいかかっているか
- スマホ代や保険料などの固定費を下げられないか
- 食費や外食費が無理なく管理できているか
- 毎月いくら赤字になっているかを数字で見る
賞与が少ない職場では年収が伸びにくい
毎月の給料だけでなく、賞与も生活に大きく関わります。
月給がそれなりにあっても、賞与が少ない職場では年収が伸びにくくなります。反対に、月給は少し低くても賞与が安定している職場では、年間で見ると収入が多い場合もあります。
介護職の求人を見るときは、月給だけでなく、年収で考えることが大切です。
確認したいのは、次のような点です。
・賞与は年何回あるか
・前年度実績は何か月分か
・賞与は基本給ベースか、評価によって変わるか
・処遇改善手当は賞与に含まれるか
・入職初年度の賞与は満額出るか
「月給が高い」と思って入職しても、賞与がほとんどないと、年収では思ったより少なくなることがあります。
生活できるかどうかを考えるなら、毎月の手取りとあわせて、年間の収入も確認しましょう。
日勤のみ・夜勤あり・パートで生活のしやすさは変わる
介護士の働き方には、日勤のみ、夜勤あり、パート、派遣、正社員などがあります。
生活の安定を考えるなら、自分の働き方と収入のバランスを見直すことも必要です。
| 働き方 | 収入面の特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 正社員・夜勤あり | 手当がつきやすく収入は上がりやすい | 体力面の負担が大きい |
| 正社員・日勤のみ | 生活リズムは安定しやすい | 夜勤手当がない分、収入は下がりやすい |
| パート | 時間の調整がしやすい | 月収が安定しにくい |
| 派遣 | 時給が高い場合がある | 賞与や長期安定性は確認が必要 |
| 管理職・リーダー | 役職手当がつくことがある | 責任や業務量が増える |
どの働き方が正解ということはありません。
大切なのは、収入だけを優先して体を壊さないことです。生活費のために夜勤や残業を増やしすぎて、心身が限界になると、長く働くことが難しくなります。
今の職場で収入を上げるために見直したいこと
資格手当があるなら取得ルートを確認する
介護士が収入を上げる現実的な方法の一つが、資格取得です。
特に、初任者研修、実務者研修、介護福祉士などは、求人や手当に関係しやすい資格です。
ただし、資格を取れば必ず大きく給料が上がるとは限りません。資格手当の金額は職場によって違います。
月3,000円の職場もあれば、10,000円以上つく職場もあります。介護福祉士を持っていても、ほとんど手当が変わらない職場もあります。
そのため、資格を取る前に、今の職場で次の点を確認しましょう。
資格取得前に確認したいこと
□ 初任者研修の資格手当はいくらか
□ 実務者研修で手当は増えるか
□ 介護福祉士の資格手当はいくらか
□ 資格取得支援制度はあるか
□ 研修費用の補助はあるか
□ 受講日のシフト調整は可能か
□ 資格取得後に任される業務は変わるか
資格取得は、今すぐ手取りを大きく増やす方法ではないかもしれません。
しかし、長く介護職を続けるなら、転職時の選択肢を広げる意味でも役立ちます。
夜勤回数を増やす前に体力面も考える
収入を上げたいとき、夜勤を増やす方法があります。
夜勤手当は比較的わかりやすく収入に反映されるため、今の職場で手取りを増やしたい人にとっては現実的な選択肢です。
ただし、夜勤は生活リズムが崩れやすく、睡眠不足や疲労がたまりやすい働き方でもあります。
特に、夜勤明けの休みが十分に取れない職場や、人員不足で夜勤中の負担が重い職場では、体調を崩す可能性があります。
収入のために夜勤を増やす場合は、次の点を考えておきましょう。
・夜勤明けにしっかり休めるか
・夜勤中の職員体制は安全か
・急変時や転倒時の相談体制はあるか
・夜勤回数を増やしても体調を保てるか
・夜勤手当の金額が負担に見合っているか
夜勤で収入を上げることはできますが、無理を続けると長期的には損になる場合もあります。
リーダー業務や役職手当の有無を見る
職場によっては、フロアリーダー、ユニットリーダー、サービス提供責任者、主任、管理者などになることで、役職手当がつく場合があります。
ただし、役職がつけば必ず給料に見合うとは限りません。
責任が増えるわりに手当が少ない職場もあります。シフト作成、職員指導、家族対応、事故対応、会議参加などが増えて、負担だけ大きくなるケースもあります。
役職を目指す場合は、手当の金額だけでなく、業務範囲も確認しましょう。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 役職手当 | 月いくら増えるか |
| 業務範囲 | シフト、指導、会議、家族対応の有無 |
| 残業 | 役職になることで残業が増えないか |
| 責任 | 事故対応やクレーム対応の範囲 |
| 評価制度 | 昇給につながる仕組みがあるか |
役職は収入アップにつながる場合がありますが、給料と責任のバランスを見て判断することが大切です。
処遇改善手当の説明を受けていないなら確認する
処遇改善手当について、職員側が十分に説明を受けていないこともあります。
「毎月いくら入っているのか」「賞与に含まれているのか」「誰にどのように配分されているのか」がわからないまま働いている人もいます。
聞きにくさはあるかもしれませんが、給料に関わる大切な部分です。
感情的に聞くのではなく、確認として丁寧に聞くとよいでしょう。
職場に確認するときの聞き方
「処遇改善手当は、毎月の給与にどのように反映されていますか?」
「賞与や一時金として支給される分はありますか?」
「資格や勤続年数で支給額は変わりますか?」
「給与明細ではどの項目にあたりますか?」
確認しても説明があいまいな場合や、給与明細と求人内容に大きな違いがある場合は、慎重に考えた方がよいでしょう。
転職で給料を上げるなら求人票のここを見る
月給総額ではなく内訳を見る
介護士の給料を上げるために転職を考える場合、求人票の「月給〇万円」だけを見て決めるのは危険です。
大切なのは、月給の内訳です。
特に確認したいのは、基本給、夜勤手当、資格手当、処遇改善手当、固定残業代、賞与です。
求人票で見るべき項目
□ 基本給はいくらか
□ 月給に夜勤手当は含まれているか
□ 夜勤は何回分で計算されているか
□ 処遇改善手当はいくらか
□ 資格手当はいくらか
□ 固定残業代は含まれていないか
□ 賞与の前年度実績はあるか
□ 昇給実績はあるか
□ 退職金制度はあるか
「月給高め」に見える求人でも、夜勤や残業込みで高く見えている場合があります。
反対に、月給は普通でも、賞与や資格手当が安定していて、年収では高くなる職場もあります。
賞与・昇給・退職金まで含めて年収で比べる
生活を安定させたいなら、月給だけでなく年収で比較しましょう。
介護士の給料は、職場によって賞与の差が大きいことがあります。
たとえば、月給が1万円高くても賞与が少ない職場と、月給は少し低くても賞与がしっかりある職場では、年間では後者の方が収入が多い場合もあります。
求人を比べるときは、次のように年収の目安を出してみるとわかりやすいです。
| 比較項目 | 職場A | 職場B |
|---|---|---|
| 月給 | 260,000円 | 245,000円 |
| 賞与 | ほぼなし | 年2.5か月 |
| 夜勤手当 | 月5回込み | 別途支給 |
| 資格手当 | 不明 | 10,000円 |
| 年収の安定感 | 月給は高く見える | 年間で見やすい |
求人票だけではわからない部分もあるため、面接で確認することが大切です。
聞きにくいかもしれませんが、給料は生活に直結します。入職後に後悔しないためにも、曖昧なまま決めないようにしましょう。
未経験歓迎でも給与が上がる仕組みがあるか確認する
未経験歓迎の求人は、介護職に挑戦しやすい反面、最初の給料が低めに設定されていることがあります。
未経験から始める場合、最初の給料が高くないこと自体は珍しくありません。
ただし、大切なのは、その後に給料が上がる仕組みがあるかどうかです。
・資格取得で手当が増えるか
・勤続年数で昇給するか
・介護福祉士取得後の評価があるか
・夜勤に入れるようになると手当が増えるか
・リーダーや役職への道があるか
・処遇改善手当の配分ルールが明確か
未経験歓迎でも、教育体制がなく、給料も上がらず、ただ人手不足を補うためだけの職場では、長く続けるのが難しくなります。
面接で聞きたい質問
「未経験で入職した場合、最初の給与と、その後の昇給の流れを教えていただけますか?」
「資格取得後の手当はどのように変わりますか?」
「夜勤に入る時期と、夜勤手当の金額を教えていただけますか?」
「処遇改善手当は毎月支給されますか?」
「入職後に年収が上がるモデルケースはありますか?」
給料が高すぎる求人は仕事内容も確認する
介護職の求人の中には、周辺相場より給料が高く見えるものもあります。
もちろん、待遇の良い職場もあります。しかし、給料が高い理由を確認せずに応募すると、入職後に「思っていた働き方と違った」と感じることがあります。
給料が高い求人では、次のような背景がある場合もあります。
・夜勤回数が多い
・人手不足で業務量が多い
・残業が多い
・身体介護の負担が大きい
・管理業務や責任が重い
・離職率が高く人が定着しにくい
高い給料が悪いわけではありません。
ただし、なぜその給料なのかを確認することが大切です。
職場見学ができるなら、職員の表情、利用者さんへの声かけ、フロアの雰囲気、記録や申し送りの様子なども見ておきましょう。
生活が厳しいときに無理を続けすぎないために
給料の不満を自分の努力不足だけにしない
介護士の給料で生活できないと感じると、「自分のやりくりが下手なのか」「もっと頑張らないといけないのか」と考えてしまう人がいます。
もちろん、支出の見直しは大切です。
しかし、生活費が上がっている中で、手取りが少なければ苦しくなるのは自然なことです。すべてを自分の努力不足にする必要はありません。
介護職は社会的に必要な仕事ですが、職場によって給与水準や手当、賞与、働きやすさには差があります。
今の職場で生活が成り立たないなら、働き方や職場を見直すことは現実的な選択です。
考え方の整理
給料が少なくて生活が苦しいと感じるのは、わがままではありません。
大切なのは、我慢だけで続けるのではなく、数字で状況を見て、変えられる部分から見直すことです。
相談するなら給与明細と求人票を用意する
給料について相談するときは、感覚だけで話すより、具体的な資料を用意すると整理しやすくなります。
用意したいのは、給与明細、雇用契約書、求人票、シフト表、残業時間の記録などです。
特に、求人票と実際の給料に違いがある場合は、どこが違うのかを確認しましょう。
・基本給が求人票と合っているか
・手当が記載通り支給されているか
・夜勤手当の回数と金額が合っているか
・残業代が反映されているか
・処遇改善手当の項目があるか
・控除額が何に使われているか
不明点がある場合は、まずは事務担当や上司に確認します。
それでも説明が不十分な場合や、明らかにおかしいと感じる場合は、労働相談窓口など外部に相談することも選択肢です。
副業より先に本業の条件を見直す
収入が足りないと、副業を考える人もいます。
副業が可能な職場で、体力的にも無理がなければ選択肢の一つです。
ただし、介護職は身体的な負担が大きい仕事です。夜勤や早番、遅番がある中で副業を増やすと、疲労が抜けなくなる可能性があります。
副業を始める前に、まずは本業の条件を見直しましょう。
・今の職場で資格手当を増やせないか
・夜勤回数の調整で収入を増やせないか
・賞与がある職場へ移れないか
・派遣や別施設の方が時給が高くないか
・通勤時間を短くして負担を減らせないか
・残業代が正しく支給されているか
副業で月2万円増やすより、本業の転職で月給や手当が上がる方が、長期的には安定しやすい場合もあります。
転職を考えるタイミングも収入改善の一つ
今の職場で収入が上がる見込みがなく、生活がずっと苦しい場合は、転職を考えてもよいでしょう。
特に、次のような状況が続いているなら、我慢だけで解決しようとしない方がよいです。
転職を考えてもよいサイン
□ フルタイムで働いても毎月赤字になる
□ 資格を取っても手当がほとんど変わらない
□ 夜勤を増やさないと生活できない
□ 残業代が出ない、または申請しにくい
□ 賞与や昇給の見込みがない
□ 処遇改善手当の説明があいまい
□ 人手不足で負担が大きいのに給料が上がらない
□ 体調を崩しても働き方を調整できない
転職は逃げではありません。
介護職を続けたいなら、続けられる職場を選ぶことも大切です。給料だけでなく、教育体制、人員配置、休みやすさ、相談しやすさも含めて見直しましょう。
介護士の給料で生活できないと感じたときの整理方法
まず毎月の赤字額を数字で出す
生活が苦しいときは、不安だけが大きくなりやすいです。
まずは、毎月どれくらい足りないのかを数字で出してみましょう。
たとえば、手取りが19万円で、毎月の支出が21万円なら、2万円の赤字です。赤字が2万円なのか、5万円なのかによって、取るべき対策は変わります。
2万円程度なら、固定費の見直しや夜勤回数の調整、資格手当で改善できる可能性があります。
一方で、毎月5万円以上足りない状態が続くなら、節約だけで解決するのは難しいかもしれません。職場や働き方そのものを見直す必要があります。
| 状況 | 見直す方向 |
|---|---|
| 毎月1〜2万円足りない | 固定費、手当、夜勤回数を見直す |
| 毎月3〜5万円足りない | 資格手当、転職、働き方変更を検討 |
| 毎月5万円以上足りない | 収入条件そのものを大きく見直す |
| ボーナスで補っている | 毎月の生活費が赤字になっていないか確認 |
| 貯金を崩している | 早めに相談・転職準備を始める |
数字にすると、必要な行動が見えやすくなります。
給料明細で見るべき項目を確認する
介護士の給料を見直すときは、給与明細をきちんと見ることが大切です。
手取りだけを見るのではなく、支給項目と控除項目を分けて確認しましょう。
支給項目では、基本給、資格手当、夜勤手当、処遇改善手当、残業代、通勤手当などを見ます。
控除項目では、健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税などを確認します。
住民税が引かれ始めると、手取りが下がったように感じることもあります。転職後や社会人2年目以降に手取りが減る場合は、住民税の影響も考えられます。
給与明細チェック
□ 基本給はいくらか
□ 夜勤手当は回数分ついているか
□ 残業代は実際の時間と合っているか
□ 処遇改善手当の項目はあるか
□ 資格手当は反映されているか
□ 控除額が急に増えていないか
□ 求人票や雇用契約書と違いがないか
わからない項目がある場合は、そのままにせず確認しましょう。
給与明細を理解できるようになると、転職先を選ぶときにも役立ちます。
生活を守るために「続け方」を変えてもいい
介護士の給料で生活できないと感じると、介護職そのものを辞めるべきか悩むことがあります。
もちろん、心身が限界なら介護職以外の仕事を考えることも必要です。
しかし、介護職が嫌いではないなら、いきなり業界を離れる前に、職場や働き方を変える方法もあります。
たとえば、次のような選択肢があります。
・賞与がある法人へ転職する
・資格手当が高い職場へ移る
・夜勤手当が高い施設を探す
・派遣で時給を上げる
・通勤時間を短くして負担を減らす
・訪問介護やデイサービスなど別の形態を検討する
・介護福祉士を取得して条件の良い求人を狙う
介護職は職場によって働き方も給料も変わります。
今の職場で生活が苦しいからといって、すべての介護職が同じとは限りません。
生活できない状態を我慢し続けない
給料の悩みは、気合いだけでは解決しにくい問題です。
毎月赤字が続く、貯金が減っていく、体調を崩している、将来が不安で眠れないという状態なら、早めに対策を考えましょう。
大切なのは、いきなり辞めることではありません。
まずは、今の給料明細を確認し、生活費を整理し、職場で上がる可能性がある手当を調べ、必要なら転職先の条件を比較することです。
そのうえで、今の職場で改善できるのか、別の職場へ移った方がよいのかを判断しましょう。
この記事のまとめ
・介護士の給料で生活できないと感じる背景には、手取りの少なさ、固定費、夜勤依存、賞与の少なさなどがある
・求人票の月給だけでなく、基本給、手当、賞与、処遇改善手当の内訳を見ることが大切
・収入を上げる方法には、資格取得、夜勤手当、役職手当、処遇改善手当の確認、転職などがある
・節約だけで解決しようとせず、本業の給与条件を見直すことも必要
・今の職場で生活が成り立たない場合は、無理に我慢せず、条件の良い職場を探すことも現実的な選択
・介護職を続けたいなら、生活を守れる働き方と職場を選ぶことが大切


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